２巻概要

紀元前270年頃にイタリア半島統一を果たしたローマが、シチリア島のメッシーナから島内で勢力を拡張するカルタゴからの救援要請を受けて始まった第一次ポエニ戦役を経て、カルタゴから西地中海の制海権を奪い、第二次ポエニ戦役でスペインからピレネー山脈とアルプス山脈を越えて侵攻してきたハンニバルの猛攻に押されながらも、粘り強くイタリア半島から追い出し、スペインとカルタゴ本国に勝利し、カルタゴを滅亡させ、ギリシャ諸国とシリアも撃破し、紀元前146年頃に地中海の制海権を握るまでの話。主にカルタゴとのポエニ戦役、ハミルカル・ハンニバル親子との戦いを中心に描いている。海軍の弱かったローマがカルタゴと戦うために海軍力を鍛え、アルプス越えで攻め入ったハンニバルに対応するためにローマ同盟を強くしていき、カルタゴから学んで軍事力や作戦をブラッシュアップし、ついに地中海の覇者になる過程が描かれている。

読書会感想交換会

２巻「ハンニバル戦記」の中心はタイトル通り「ハンニバル親子vsローマ」もっと言えば「ハンニバルvsスキピオ」という感じだった。塩野先生もページ数の2/3を第二次ポエニ戦役に割いたと書いていた。第二次ポエニ戦役までの間のところはローマの歴史のおさらい、ローマのシステムについての確認といった感じで、第二次ポエニ戦役以後のための下積みみたいな内容だなと思った。そこから先、ハンニバルのアルプス越え、4つの会戦、スキピオの活躍などの描写は躍動的でぐっと面白くなった。第二次ポエニ戦役を中心に描きたかったと思われるので、戦役終了後からカルタゴ滅亡、ギリシャの属州化まではおまけの感が強かった。

読書感想交換会は第二次ポエニ戦役を中心にラボ研究員と感想を交換し合った。

1.誰に一番共感したか？