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買い物中の感染予防と栄養バランスを意識したお買い物術

成田崇信管理栄養士、健康科学修士
(写真:アフロ)

 新型コロナウイルスの感染拡大をうけ、政府から7都道府県に対し「緊急事態宣言」がだされ、必要に応じ不要不急の外出自粛の要請が行われている状況です。対象地域外でも学校休校の延長を決めた自治体も多いようです。

 休校やリモートワークにより、毎日3食家族の食事を用意が必要になり、家庭での調理が増えることで購入する食材も多くなる反面、外出自粛のため買い物の回数もなるべく控えることも求められており、多くの方が苦労していることと思います。

 今回は買い物での感染予防の注意点と、栄養バランスも意識した買い物のコツを書いてみたいと思います。 

■買い物での感染対策

 感染しないことはもちろん、症状のないウイルス保有者が人にうつさないためにも、感染経路を意識した行動をとることが大切です。

 

【店に行く回数を減らす】

 買い物へ行く頻度を減らすことと、なるべく一つのお店で買い物を済ますことがこれに該当します。買い物の頻度が増えることで感染機会も増え、店をはしごすることで感染を広める可能性が高くなります。 

【買い物リストをつくってから買い物へ】

 店頭で吟味することは大事ですが、予め購入するものを決めておけば買い物時間を短縮することができます。まとめ買いをする場合には購入リストをメモしておくと、買い忘れの防止にもなります。

【店内ではなるべく物にふれる機会を減らす】

 買い物かごやカート、目的の商品など手をふれる必要のあるもの以外にはなるべくさわらないようにすることが感染予防になります。レジで現金をやりとりするよりもカードなどのキャッシュレス決済は不特定多数の人間が触れた現金よりも感染のリスクは低いと考えられます。レジ袋をひらくため用意されたタオルで指を濡らすことも同じような理由で控えたほうが良いでしょう。

 マスクや人との距離をとる対策は、飛沫感染などを防ぐ効果はありますが、感染した人の体液が物に付着し、それを触った手からウイルスが感染するのを防ぐことは難しいと考えられます。外出時(特に店の中では)手で顔より上を触らないことが大事です。お店の入り口にアルコールスプレーがある場合には、来店時と退店時とも消毒するようにしましょう。

■買い物リストは栄養バランスも意識して

 特に成長期の子どものいる家庭で意識したいのが栄養バランスです。学校給食は栄養バランスに配慮された献立が作成されており、給食が長く中断されることは子どもの栄養状態にも悪影響があらわれる懸念もあります。

 栄養バランスのとれた食事を毎食用意するのは大変ですが、栄養バランスを意識した買い物リストをつくれば、一週間ですべてを消費できれば結果的に栄養バランスのとれた食事になるわけです。給食では栄養バランス確保のために、日常では使用頻度の少ない、豆類、藻類、乳製品、種実類などを活用した献立を取り入れるようにしています。買い物リストに加えることで、家庭でも不足しがちな栄養を補う効果が期待できます。消費量は各家庭で大きく違いますので、1日に使用する量をイメージしながら作成すると良いでしょう。

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 買い物リストの参考例をみればわかりますが、すぐに使用するものと日持ちするものに分けて考えると、食材を無駄にせず大量の食材を活用できるのではと思います。店頭の品ぞろえやお買い得品もありますので、買い物リストの食品を買うというのではなく、食品群とバランスのチェックリストとしての活用がおすすめです。

管理栄養士、健康科学修士

管理栄養士、健康科学修士。病院、短期大学などを経て、現在は社会福祉法人に勤務。ペンネーム・道良寧子(みちよしねこ)名義で、主にインターネット上で「食と健康」に関する啓もう活動を行っている。猫派。著書:新装版管理栄養士パパの親子の食育BOOK (内外出版社)3月15日発売、共著:謎解き超科学(彩図社)、監修:すごいぞやさいーズ(オレンジページ)

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