健康食品は効果をうたっていないって本当なの?

(写真:アフロ)

「健康のために毎日サプリメントを飲んでいるんです」

栄養相談でもサプリメントや栄養ドリンクなどのいわゆる健康食品についての質問をもらうことがよくあります。中には月額10000円以上も購入しているという方もいらっしゃいます。

食品は栄養補給であったり嗜好を目的にするものであり、医薬品のようになんらかの効果や効能などをうたって販売してはいけないことが医薬品医療機器等法(旧薬事法)で定められております。 例外としては、国が定めた基準をクリアし、認証をうけた特定保健用食品(トクホ)や、ビタミンやミネラルなどの不足しやすい栄養素の補給目的の栄養機能食品、必要な書類を提出すれば事業者の責任で決められた機能性をうたえる、機能性食品表示食品というものがあります。

トクホなどではないサプリメントに効果を期待せずに大金を費やすということはないと思います。そのようないわゆる健康食品に効果があると思ってしまうのはなぜなのでしょう。

■効果があるとは書いていない

実際に販売されている商品をいくつか参考にし、架空の健康食品をつくってみました。これを参考に効果があると思わせてしまうテクニックを学んでみましょう。

 架空のブルーベリーサプリ例
 架空のブルーベリーサプリ例

その1:健康に良いというイメージがすでに確立している

ブルーベリーを食べると目が良くなる、目の疲れに良い、という話はテレビでも採り上げられる事も多く、健康効果を謳った本もでております。商品の宣伝でこうした効果をうたってしまうのはアウトですが、健康番組や本の情報は商品広告ではないので違反にはなりません。ちなみにブルーベリーを食べると目が良くなるという人間を対象とした信頼性の高い研究はみあたりません。

その2: 目のイラストはイメージです

目をイメージしたイラストは単なる商品イメージであって、商品の効果をうたう意味はありません。

その3:行間を読ませる

「パソコンやスマホを使用する方」、「健康が気になる方」に「すっきりブルーベリー」という商品が良いですよ、という意味ではありません。パソコンを使用すると疲れてしまう目に良い・・・と、業者は書いていないのです。書いていないことを読み取らないように気をつけましょう。

その4:栄養機能食品はカッコ内に注目

栄養機能食品は、日常不足しがちな必須栄養素が基準となる範囲内が含まれる食品に対し、定められた表示や注意喚起をつけることで栄養機能食品として販売することができる制度です。この商品の場合は( )内のビタミンAが表示基準を満たす量を含んでいるという意味で、それ以上でもそれ以下でもありません。ビタミンAは不足すると夜盲症や皮膚のトラブルなどの欠乏症があらわれますが、不足していなければ沢山食べてもそれ以上健康になったり、目が良くなるわけではありません。ブルーベリーの成分やアントシアニンの健康効果を保証する意味ではないので気をつけましょう。

その5: 天然だから何?

こうした商品によく見かけるのは天然や自然、ナチュラルというキーワードです。消費者にとって良いイメージの言葉を散りばめるのはこうした商売の鉄則です。天然は良くて合成は悪いというイメージが一般にあるようですが、天然であっても体に悪いものは沢山あります。合成のビタミンCは抗酸化作用が無いと誤解している人とお話ししたことが何度もありますが、健康情報や本に書いてあったということです。実際には合成であっても天然でも体内では同じように働きます。

■食べものは薬ではない

健康を保つためには必須栄養素を食べものから十分にとることが必要です。不足すると重篤な欠乏症が現れたり、成長障害や筋力低下など様々な問題があらわれます。特にビタミンの欠乏症は不足した栄養素をタイミング良く補うと症状が劇的に改善することが多く、栄養状態があまり良くなかった時代には、ビタミンの発見で多くの人の命が救われるようになりました。このイメージがビタミンに実際以上の期待をしてしまう下地になっていると思います。基本的にビタミンは不足していなければ摂りすぎてもそれ以上健康になるわけではなく、サプリメントなどの濃縮された形態のものでは過剰症のおそれもあるということはおぼえておいて欲しいです。

ビタミン剤を積極的にとることで健康になれるという証拠はないのです。

■今回のまとめ

サプリメントなどのいわゆる健康食品を食べることで健康になれますよ、ということはメーカーは述べておりません。健康増進効果を期待するのは消費者の誤認であり、メーカーは消費者ニーズのある商品をだしているに過ぎない、というスタンスだと考えて良いでしょう。

・サプリメントは食品であり効果効能はうたえません。キャッチコピーはイメージです。

・宣伝文句に書いてない言葉を読み取らないよう気をつけましょう。

・栄養機能食品は( )内の栄養素が補給できる食品に過ぎません。

・食べものは薬ではありません。「○○を食べると△△に効く」という情報に注意しましょう。