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東京23区への来訪者、平日・土日ともに4割減 

中山祐次郎外科医師・医学博士・作家
東京都内23区へ来る人の数は日に日に減っている(写真:アフロ)

新型コロナウイルス感染症の拡大を抑えるため4月7日に発令された緊急事態宣言は、16日に全国に拡大された。

その後、どれほど人々の外出や接触は減ったのだろうか。その効果を、アプリの位置移動データを用いて都内23区への来訪者数で探る。

データは、Yahoo! JAPANが提供するアプリ上で、位置情報の利用を許可したデータを元に推計したものである(詳細は下記※1)。

3月と比べ36%の減少

まずは、今年の3月からいままでの東京23区への来訪者数(※2)をみる。

今年の3月6日(木曜日)に257万人だった東京23区への来訪者数は、4月16日(木曜)には164万人にまで減っている。実に36.1%も減っていることが分かる。グラフではこのようになる。

東京23区への来訪者数(2020年3月1日〜4月16日) 提供データを元にグラフは筆者作成
東京23区への来訪者数(2020年3月1日〜4月16日) 提供データを元にグラフは筆者作成

折れ線グラフがギザギザになっているが、グラフの谷の部分は土曜日・日曜日に来訪者数が減っているためである。これは、仕事で23区内に来る人が減っているためと推定される。

また、3月25日あたりまではほぼ減っていないが、それ以降になると土日の谷も平日の台形部分も減少していくことがわかる。都内への来訪者数は確実に減っているのだ。

昨年4月と比べると約4割も減った来訪者

次に、昨年(2019年)の同じ時期と今年で比較した。

23区へ来る人の数は、2月中はほぼ昨年と変わりないが、3月に入り減り始め、3月末から急激に減っているのがわかる。

青が去年の人数、オレンジ色が今年の人数である。

2019年との比較 東京23区への来訪者数(提供データを元にグラフは筆者作成)
2019年との比較 東京23区への来訪者数(提供データを元にグラフは筆者作成)

実際のデータでみても、同じ曜日で比較すると平日、土日ともに約4割来訪者数が減っている。例えば同じ土曜日では、去年の4月13日に約160万人であった来訪者は、今年4月11日に96万5000人と減っているのだ。

苦しい自宅待機をしている方へ

本記事は、外出自粛・自宅待機に苦しい思いをしている方のために作成された。緊急事態宣言により、皆さんが我慢をしている効果ははっきりと出始めている。

こうして地域全体で移動を減らし、人との接触を減らすことで確実に新型コロナウイルスの感染は減る。また、今の努力は2週間後に反映される。

そして医師である筆者は、東京都内の病院で勤務する医師からの苦境を聞いている。彼ら彼女らは、押し寄せる発熱患者さんに対して、防護のためのマスクやガウン、ゴーグルなどが足りず、恐怖を押し殺して診療をしている。

一人の医師として、どうか引き続きの外出自粛をお願いする。

出典:ヤフー・データソリューション

※1 データ元について

データは、Yahoo! JAPANが提供するアプリ上で位置情報の利用を許可したデータを元にヤフー・データソリューションが推計したものである。解析、作図は筆者が行った。

※2 来訪者数は、ある区への区外からの来訪者数を合計したものである。したがって23区外から23区内への来訪だけでなく、23区内でのA区からB区への移動も数に含まれている。

※専門家の皆様へ

本データはアプリ上で位置情報の利用を許可したデータを元に、ヤフーデータソリューション社が推計したものである。筆者は、その推計方法や測定の妥当性を確認していない。したがって本記事は学術的なものたりえず、推測の域を出ない。

しかしかかる緊急事態においてはじっくりと検証する時間的猶予はなく、データは一つでも多いほうが公衆衛生に資すると考え本記事の発表に至った。

外科医師・医学博士・作家

外科医・作家。湘南医療大学保健医療学部臨床教授。公衆衛生学修士、医学博士。1980年生。聖光学院中・高卒後2浪を経て、鹿児島大学医学部卒。都立駒込病院で研修後、大腸外科医師として計10年勤務。2017年2月から福島県高野病院院長、総合南東北病院外科医長、2021年10月から神奈川県茅ヶ崎市の湘南東部総合病院で手術の日々を送る。資格は消化器外科専門医、内視鏡外科技術認定医(大腸)、外科専門医など。モットーは「いつ死んでも後悔するように生きる」。著書は「医者の本音」、小説「泣くな研修医」シリーズなど。Yahoo!ニュース個人では計4回のMost Valuable Article賞を受賞。

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