序盤から低迷するチームの救世主は誰だ? シーズン途中に合流した噂のJリーグ新外国人選手に注目!

ベガルタ仙台に加入したガーナ人FWエマヌエル・オッティは救世主となれるか?(写真:アフロスポーツ)

新外国人選手は不振脱出のカンフル剤

 2月26日に開幕して以来、もうすぐ2ヶ月を迎える今シーズンのJ1リーグ。ガンバ大阪など消化試合数の少ないチームもあるが、多くのチームはシーズンの約4分の1を戦い終え、各チームの明暗が分かれ始めている。

 周知のとおり、特別なレギュレーションで行われている今シーズンのJ1では、下位4チームがJ2に自動降格する。それだけに、開幕のつまずきは残留争いに直結する可能性が高まるため、序盤から低迷するクラブにとっては何らかのカンフル剤が必要になる。

 さっそく、開幕からの不振で最下位に低迷する横浜FCは、8試合を消化した段階で下平隆宏監督の解任を発表。これまでユースチームを率いていた早川知伸監督をトップチームの指揮官に昇格させ、早い時期に軌道修正を図った。

 同じく開幕ダッシュに失敗した鹿島アントラーズでもザーゴ監督が解任され、クラブOBの相馬直樹コーチが新監督に就任。悪い流れを断ち切るために、大ナタを振るった格好だ。

 もちろん、監督交代は不振から脱するための常套手段。しかしそれとは別に、低迷が続くチームにはもうひとつのカンフル剤もある。それは、新外国人選手の存在だ。

 とりわけコロナ禍の今シーズンは、獲得した新外国人選手の多くが入国できない状況で開幕を迎えただけに、彼らの合流が打開策になる可能性は十分にある。

 しかも、彼らは3月下旬から続々と来日しており、開幕後に加入が決まった新外国人選手を含めると、今後の勢力図が大きく変わってくるはずだ。

4人の新助っ人が苦境の仙台を救う?

 そんななか、現状を打破すべく積極的な動きを見せたのが、手倉森誠監督率いるベガルタ仙台だ。

 ここまで9試合を戦って、0勝3分け6敗と、いまだ勝利のない仙台は、開幕後にフォギーニョ、フェリペ・カルドーゾというふたりのブラジル人助っ人を新たに獲得。

 第10節の横浜FC戦(4月17日)でデビューを飾ったガーナ人FWエマヌエル・オッティと、すでにチームに合流しているセルビア人GKネデリコ・ストイシッチと合わせ、計4人の新助っ人を加えて巻き返しを図る構えだ。

 すでに入国を済ませて合流間近となっているフォギーニョは、ボランチを主戦場としながらサイドでもプレー可能な28歳のMF。セリエA(ブラジル全国選手権1部)でのプレーはないものの、これまでブラジル国内のクラブを渡り歩くなど経験は豊富で、右ひざ手術のためにスペインに一時帰国し、結局退団が決定したMFイサック・クエンカの抜けた穴を埋める。

 同じブラジル人で、現在22歳のフェリペ・カルドーゾは、名門サントスFCからレンタルで加入した身長187cmの大型FW。昨シーズンはレンタル先のフルミネンセで26試合に出場し、3ゴールを記録している。

 得点力不足に悩む仙台にとっては、エマヌエル・オッティとともに前線の選手層に厚みを増す期待の新戦力で、成績浮上のキーマンだ。

柏の浮沈のカギは高品質のブラジル勢

 仙台同様、開幕後にふたりの新外国人選手の獲得を発表しているのが、予想外の成績不振に陥っている柏レイソルだ。

 柏では、現在合流間近となっているドッジ、すでに全体練習に合流しているアンジェロッティというふたりの新戦力MFに加え、3月23日には新たにFWペドロ・ハウル、DFエメルソン・サントスの獲得を発表。今後、4人のブラジル人を加えて挽回を図る。

 リオの名門ボタフォゴから加入した24歳のペドロ・ハウルは身長192cmの大型ストライカーで、すでにチームに合流済み。

 昨シーズンは本田圭佑とともにプレーし、CFとして7ゴールをマークした。まだCFを固定しきれていない柏の切り札として、また、昨シーズンの得点王オルンガに代わる新エースとしての期待がかかる。

 サンパウロの名門パルメイラスから加入したエメルソン・サントスは現在26歳のCBで、ボランチでもプレーするユーティリティ性を兼備。出場機会はなかったが、2月にはカタールで開催されたクラブW杯にも参戦している。

 合流も間近に迫っており、今後は染谷悠太、上島拓巳のCBコンビに割って入るかが注目される。

 なお現在、柏ではFWクリスティアーノ、MFヒシャルジソン、MFマテウス・サヴィオのブラジル人3選手がプレー。そこに、ドッジ、アンジェロッティに加えて、ペドロ・ハウルとエメルソン・サントスが加わると、計7人のブラジル人選手が登録されることになる。

 今後は、ブラジル人同士の熾烈なポジション争いが繰り広げられるはずだ。

浦和と鹿島も新外国人に望みを託す

 一方、リカルド・ロドリゲス新監督の下で改革を進めている浦和レッズも、4月1日に新戦力FWキャスパー・ユンカーを獲得。獲得に推定2億8千万円を投資した27歳のデンマーク人ストライカーに、大きな期待を寄せる。

 FK ボーデ/グリムト(ノルウェー)から加入したユンカーは、デンマークの世代別代表を経験した本格派ストライカー。昨シーズンのノルウェーリーグでは25試合に出場して27ゴールを量産し、得点王に輝いたばかりでなく、チームの初優勝に大きく貢献した。

 額面どおりの働きをすれば、懸案となっている得点力不足は解消される可能性も十分にある。

 監督交代によって巻き返しを図る鹿島では、開幕前に加入が発表されていた新助っ人ディエゴ・ピトゥカがチームに合流し、アルトゥール・カイキも合流目前。ブラジル人MF2人を加えて、中盤の選手層に厚みを増している。

 とりわけ名門サントスの主軸として活躍していたディエゴ・ピトゥカは期待大。左利きのボランチが攻守の要となれるかどうか、要注目だ。

成績浮上を狙う湘南と大分の新助っ人

 同じく、下位脱出を目論む湘南ベルマーレと大分トリニータにも、待望の新助っ人が加わっている。

 湘南では、日本でのプレー経験が豊富なFWウェリントンがすでに合流を果たし、もうひとりのブラジル人FWウェリントン・ジュニオールも4月14日に入国。隔離期間を経て合流すれば、ベテランのウェリントンとともに、28歳の快速FWが攻撃のバリエーションを増やしてくれるはずだ。

 一方の大分も、GDエストリル・プライア(ポルトガル)から加入したブラジル人DFエンリケ・トレヴィザンと、アトレチコ・ゴイアニエンセ(ブラジル)から加入のブラジル人MFペレイラがチームに合流した。

 U-20ブラジル代表の経験もあるエンリケ・トレヴィザンは、現在24歳。主戦場のCB以外に左SBでもプレーできる柔軟性もあり、CBもプレー可能なボランチのペレイラとともに、連敗中のチームを救えるかに注目が集まる。

 シーズン序盤につまずいたチームにとっては、彼ら新外国人選手の存在が頼みの綱。今後は、彼らの合流でチームにプラスの変化を起こせるかが、シーズンの行方を左右する。

その他の新外国人選手の合流状況

 ちなみに、その他のチームにもこれから新外国人選手が続々とデビューする予定だ。ざっと整理しておこう。

 まず、ヴィッセル神戸が3月1日に獲得を発表したケニア人FWアユブ・マシカは、第10節の湘南戦(4月17日)の後半66分にデビュー。短いプレー時間の中でも随所にポテンシャルの高さを証明し、ブレイクの予感を漂わせている。

 また、開幕前に獲得が決定していたブラジル人FWリンコンも、ついにチームに合流。近年はブラジルでくすぶっていた元U-20ブラジル代表がJリーグの舞台で再び覚醒するのか、20歳のタレントに注目が集まる。

 セレッソ大阪では、オーストラリア代表として2014年W杯に出場したFWアダム・タガートがチームに合流し、ブラジル人DFチアゴも合流間近。

 FC東京のブラジル人DFブルーノ・ウヴィニもすでに合流し、横浜F・マリノスのブラジル人FWレオ・セアラも合流済み。好調のサガン鳥栖では、ナイジェリア人FWオフォエドゥとケニア人FWドゥンガのふたりがチーム練習に合流した。

 また、徳島ヴォルティスではリーグアンのブレストから獲得したイタリア人MFクリスティアン・バトッキオがチームに合流し、クルゼイロ(ブラジル)から加入したブラジル人DFカカも合流間近。

 アビスパ福岡では、ベルギーの年代別代表でプレーした経験を持つMFジョルディ・クルークスが第10節のFC東京戦(4月17日)で待望のデビュー。開幕後に獲得したカメルーン人FWジョン・マリもチームに加わり、こちらはデビューを待つ状態となっている。

 その他、清水エスパルスのブラジル人DFウィリアム・マテウスが合流済み、北海道コンサドーレ札幌のナイジェリア人FWガブリエルが合流間近、そしてガンバ大阪が3月25日に獲得を発表していたブラジル人FWウェリントン・シルバも入国を済ませ、合流を待つ状態となっている。

 川崎、名古屋、広島の上位勢と最下位の横浜FCの4チームを除き、シーズン途中で各16チームに加わった新外国人選手は30人以上。横浜FCの今後の動向に注目が集まるところだが、各チームのサポーターにとってはまた観戦の楽しみが増えることになりそうだ。

(集英社 Web Sportiva 4月13日掲載・加筆訂正)