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歌手・May J.と結婚、8年越しの映画も公開。公私ともに充実の俳優・尚玄が貫く信念

中西正男芸能記者
自らの信念を語る尚玄さん

 歌手・May J.さんとの結婚を6月20日に発表した俳優・モデルの尚玄さん(44)。主演・プロデュースを務めた映画「義足のボクサー GENSAN PUNCH」(公開中、ブリランテ・メンドーサ監督)も釜山国際映画祭で賞を獲得するなど注目を集めていますが、力強い歩みを支える信念とは。

出口が見えないトンネル

 今回の映画のモデルになった義足のボクサー、土山直純君とは10年ほど前に知り合いまして。

 義足であるがゆえに、アマチュアでの実績があっても日本ではプロライセンスを取れない。だったら、フィリピンに行ってボクシングを続ける。彼の歩んできた道を聞いて、純粋にすごい話だと思ったんです。

 付き合いをして行く中で、約8年前に映画化の承諾を得て、そこからコツコツと歩みを進めてきました。

 通常、俳優は全てがお膳立てされたところに呼ばれて芝居をするものです。ただ、今回はプロデューサーとしても名前を連ねさせてもらい、映画を作るための段取りから資金集めも自らやらせてもらいました。

 もちろん、これまでも周りの方々への感謝の気持ちはありましたけど、いざ自分がお膳立てから関わると、より一層、感謝の心が大きくなりましたね。これだけの苦労をしてその場を作ってくださっていたんだと。

 結果的には構想から公開まで8年だったんですけど、その間に新型コロナ禍もありましたし、いつ公開できるのかトンネルの出口が全く見えない。そもそも、出口があるのかどうかも分からない。

 それでも絶対にこの物語を映画にしよう。その気持ちが消えることはありませんでした。

根っこにある信念

 もちろん、この話自体が必ず人の心を震わせる。その確信はありました。そして、実はもう一つの思いもあったんです。

 “自分が置かれている状況との一致”。これも心が折れなかった大きなポイントだと思っています。

 芸能界の仕事を始めたものの、自分のルックスもあってモデルのお仕事をいただけるけれど、俳優としてはなかなか役がつかない。「その顔立ちだと日本で役者をすることは難しい」という言葉をおっしゃる方もいました。

 その言葉にショックを受ける自分もいたんですけど、一方で「だったら、自分が求められるところに行こう」と考える自分もいたんです。

 ニューヨークに行ったり、海外のオーディションを受けたり。求められる場所を探してチャレンジを続けてきました。

 実は、その動きと土山君の人生は、俳優とボクサーという違いこそあれ、根っこではつながっている。土山君の人生を描くことは、自分の人生を描くことにもなる。二つの人生を背負う話だったからこそ、トンネルを走り続けられたんだと思います。

 その結果、カンヌ国際映画祭で監督賞を取ったフィリピンのブリランテ・メンドーサ監督がメガホンをとってくださり、なんとか公開することができました。

 前例がないことでも道は開ける。結果的にそれを示すことができたならば本当にうれしいことですし、これからも僕だからできること。それを少しずつでもやっていけたらなと思っているんです。

 ただ、今回の撮影はそれこそ前例がないくらいハードでした(笑)。説得力のある体を作らないといけないのでボクシングジムで1年間トレーニングを続けました。

 さらに、メンドーサ監督が段取りを決めない方でリングのシーンは実際に戦ってるんです。通常のアクションシーンは“当てないこと”が大前提になってくるんですけど、この作品のアクションシーンは全て本当に当てています(笑)。

 だからこそウソはないし、どこから撮影しても本当に当たっているのでリアルは感じてもらえると思います。

 前例がないことをやるのはいろいろ大変ですけど(笑)、その分、意味もある。それを信じて、これからも自分の道を歩んでいきたいと思っています。

(撮影・中西正男)

■尚玄(しょうげん)

1978年6月20日生まれ。沖縄県出身。大学卒業後、世界中を40カ国以上旅しながらパリなどでモデルとして活動。2004年に帰国し、俳優としてのキャリアをスタートさせる。05年に映画「ハブと拳骨」に主演。08年、米ニューヨークに渡り演劇を学ぶ。10年には米国CNNが選ぶ「The Tokyo Hot List : 20 People to watch 2010」に沢尻エリカ、柳井正、石川遼、ダルビッシュ有、本田圭佑らと選出される。実在する義足のボクサー・土山直純さんをモデルにした映画「義足のボクサー GENSAN PUNCH」(ブリランテ・メンドーサ監督)が公開中。歌手・May J.との結婚を6月20日に発表した。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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