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ワタナベエンターテインメント期待のニュースター「ゼンモンキー」が語る“ワタナベ芸人”の強み

中西正男芸能記者
「ゼンモンキー」の(左から)ヤザキさん、荻野将太朗さん、むらまつさん

「四千頭身」「土佐兄弟」「Aマッソ」ら売れっ子コンビを向こうに、昨年結成1年目で「お笑いABEMA CUP2021~ワタナベNo.1決定戦」で優勝し、ワタナベエンターテインメントのイチオシ若手芸人の称号を勝ち取ったトリオ「ゼンモンキー」。新型コロナ禍でも爆発的に舞台出演本数を増やすなど着実にステップアップしてきましたが、荻野将太朗さん(25)、ヤザキさん(25)、むらまつさん(24)が語る「ワタナベでお笑いをする意味」とは。

仕事量激増

むらまつ:去年の「―ワタナベNo.1決定戦」に優勝して、本当にありがたいことに舞台の出演本数が激増しました。

それまでも月に何本かライブに出ていたんですけど、去年は年間約250本。新型コロナ禍で舞台がやりにくい中で何倍にも増えるというのは、ただただ感謝しかないなと。

それと同時に、これまで以上にハイペースで舞台に出ることで、新たなパーツというか、感覚が身についている気もしています。

やっぱり、ナマのお客さんの前でネタをする。出演者同士でフリートークをする。その一つ一つが地力につながるというか、そこは体感していますね。

個人的には、進行表を手にしながらイベントを進めていくという流れにすごくやりがいを感じているところですし、自分の得手不得手もさらに見えてきた気がしています。

ヤザキ:オレもいわゆるみんなでしゃべるような“平場”が楽しくなってきました。これまでは端の方にいて何か振られたら入っていく感じだったんですけど、こちら発信で割り込んで入っていくようにもなりました。

細かい部分の変化なのかもしれませんけど、たくさん舞台に出て、たくさん失敗もして、たくさん恥をかいたからこそ得たものが確実にあった。それは感じています。

荻野:僕はネタを書いているので、引き続き、自分が納得するネタ、質の良いネタを作りたい。その思いがさらに強くなりました。

ワタナベの強み

荻野:そうやってたくさんの場をいただくということは、先輩方とご一緒する機会が増えたということでもあります。

ワタナベには特にコント師の尊敬する先輩が多くて、個人的には同じ大学のサークル(早稲田大学お笑い工房LUDO)出身の岡部さんがいらっしゃる「ハナコ」さんとか、同じライブに出て勉強させてもらうことがものすごくあって、本当にありがたいことだなと感じています。

ここが実に微妙な塩梅なのかもしれませんけど、このワタナベのお笑いのサイズ感というか、大きさがちょうど良いのかなと。

尊敬する、そして実績十分のコント師の方がたくさんいる。でも、所帯としては決して大きくはなくて、みんながみんなを知っている。

僕らみたいな超若手でも、頑張れば頑張るほどお会いする機会も目に見えて多くなりますし、その都度、いろいろな言葉もいただきますし、すごく頑張りがいがあるなと。

ヤザキ:全員が全員のことを知っているし、全員が全員のネタも見ている。だからこそ、しっかりとした言葉も交わせる。そこの意味はすごく感じてますね。

去年の「―ワタナベNo.1決定戦」の前も「ハライチ」のお二人から「今年はお前らが優勝するしかないだろ!」とお声がけをいただきましたし、そういう言葉の一つ一つで気持ちが入るというか「もう、頑張るしかない」となるんですよね。そういったところの距離感も実は絶妙なのかなと。

むらまつ:“背中で語る”みたいな部分も先輩からたくさん見せていただくんですけど、直接的にストレートな言葉をもらうこともすごく多いなと感じています。

「ファイヤーサンダー」のこてつさんと楽屋で話をしていた時なんですけど「ファイヤーサンダー」さんはボケ担当の崎山さんが100%ネタを書いて、それをこてつさんが覚えるというスタイルなんです。

僕らも荻野君が100%ネタを書いて僕らがそれを演じるという形なんですけど、それを踏まえてこてつさんが「今、お前とヤザキは『荻野が作ったネタに助けてもらっている』と思っているだろうけど、いつかお前らが荻野を助ける時が来る。だから、しっかりと準備をしとけよ」と言ってくださったんです。

芸人同士で、ズバッと本道をいくような話って照れもあって実は言いづらかったりすると思うんですけど、それでも本質を言ってくださる。この価値は本当に大きなものだなと。

荻野:僕は僕で崎山さんにすごくお世話になってまして。それこそ毎日のように電話もさせてもらっていますし、ネタに関する愛あるダメ出しもたくさんいただいています。

崎山さんから「まだまだやな」と言われると、本当にまだまだなんだと素直に思いますし。こんなことが恩返しになるかどうかは分かりませんけど、崎山さんに「おぉ!これはいいネタや!」と言ってもらえるようなネタをたくさん書きたいと思っています。

むらまつ:そうやってそれぞれがそれぞれの形で頑張って結果を出す。僕らでいうと、一番分かりやすいのが「キングオブコント」だと思うんですけど、ここで優勝する。

3人とも本当に個性も考えも違うところがあるんですけど、ここだけはみんなで意思統一しているところなので(笑)、なんとか結果を出したいと思っています。

(撮影・中西正男)

■ゼンモンキー

1996年8月22日生まれで埼玉県出身の荻野将太朗、96年9月24日生まれで東京出身のヤザキ(本名・矢﨑真梧)、97年2月10日生まれで埼玉県出身のむらまつ(本名・村松雄大)が2020年に結成。ワタナベコメディスクール30期として出会い、それぞれが組んでいたコンビが同時期に解散したことがきっかけでトリオを組むことになる。ネタ作りを担当しているのは荻野。コントを主武器とし、ワタナベエンターテインメント所属の若手芸人ナンバーワンを決める「お笑いABEMA CUP 2021〜ワタナベNo.1決定戦」で優勝した。「ゼンモンキー」「ファイヤーサンダー」「Gパンパンダ」「金の国」のユニットライブ「NAVENGERS Assemble」(2月14日、東京・本多劇場)に出演。また「ワタナベお笑いNo.1決定戦準決勝」(2月20日、東京・本多劇場)にもエントリーし同大会連覇を目指す。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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