Yahoo!ニュース

KAORUKOが新型コロナ禍で「K子ポーズ」を広める理由

中西正男芸能記者
自身の作品の前に立つKAORUKOさん(所属事務所提供)

 アイドル歌手としてデビューし、現在は現代美術家としてニューヨークを拠点に活動するKAORUKOさん。新型コロナ禍による閉塞感を打破すべく、1995年に自身が手掛けて女子高生を中心に話題となったキャラクター「K子」のポーズをリバイバルさせる活動を展開中です。「180度目線を変えてみると、世界の見え方が変わる」というメッセージを込めた股のぞきポーズですが、そこから見据える今後のビジョンとは。

日本に戻っての“驚き”

 1995年に私が作ったキャラクター「K子」というのがありまして、ラフォーレの前とかロフトの前に6メートルくらいの大きさのバルーンキャラクターとして置かれていたんです。

 若い女性が股のぞきポーズをしているような形で、当時は女子高生を中心に、その股の間を歩くと縁起がいいということで話題になりました。

 そもそも、なぜ「K子」が股のぞきのポーズをしているかというと「180度目線を変えてみると世界の見え方が変わる」というコンセプトを込めてのものだったんです。

 先月末あたりから、SNSなどを中心にこのポーズをもう一回世の中に広めようという活動を始めたんですけど、今なぜリバイバルを考えたのか。その根っこみたいなものが、去年12年ぶりに日本に戻ってきた時の“驚き”だったんです。

 去年までニューヨークで現代アートの活動をしてまして、去年、新型コロナ禍の感染拡大に伴い、日本に戻ってきました。

 徳島で和紙の作品を手がける活動をしたりする中で、改めて日本の素晴らしさというか、自然の美しさ。そして、受け継がれている伝統工芸の奥深さを強く感じたんです。

 ただ、その一方で、特にSNSを中心に何かトラブルがあった人をみんなが寄ってたかって攻撃する。その叩き方が容赦がないというか、とことん叩きまくる。その様を見て、日本の素晴らしさを感じた中でのことだったので、余計に衝撃を受けまして。

 コロナ禍ということで閉塞感があり、それがストレスにもつながっている。そこから攻撃性なのだろうとも思うんですけど、それまで私が暮らしていたニューヨークでは、そこの反応が全く違ったんです。

目指すカタチ

 何かトラブルがあって、もう一回立ち上がろうとしている人に対するアクションとしては拍手になるというか、そこを応援する空気になるのが普通だったので、何かミスをした人がもう絶対に立ち上がれないようにみんなで叩くというのが信じられないというか。それを目の当たりにして、何かできないかと思って考えたのが「K子ポーズ」だったんです。

 正式なやり方というのもアレなんですけど(笑)、股のぞきの格好をしながら自分がかなえたいことや願っていることを言う。そうすると、何かが変わっていく。そういうメッセージをポーズを通じて広めていけたらなと思っているんです。

 みんながこのポーズ、そしてポーズの意味を知っている世の中になれば、もっと前向きで明るい世の中になるんじゃないか。すごく壮大な話になっちゃいますけど(笑)、そう考えていますし、日本本来の美しさが損なわれない世の中になったらなと思っています。

思いを語るKAORUKOさん(筆者撮影)
思いを語るKAORUKOさん(筆者撮影)

■KAORUKO(カオルコ)

愛知県出身。吉本興業所属。アイドル歌手としてデビューし、1980年代からイラストレーター、デザイナーに軸足を置くようになり、88年に童話作家の五味太郎氏に師事。2007年から活動拠点をニューヨークに移す。12年、米アート雑誌「New American Paintings」で「アメリカで活動する注目のアーティストの一人」として紹介され、同誌の表紙を飾る。昨年には徳島県吉野川市のアワガミアーティストインレジデンスに参加。阿波紙を使った作品を制作する。新型コロナ禍による閉塞感の打破を目指し、95年に「180度目線を変えてみたら、見えなかったものが見える」というメッセージを込めて手掛けたキャラクター「K子」のポーズ(前屈し自分の足の間から顔をのぞかせるポーズ)のリバイバル活動「K子ポーズプロジェクト」をSNSなどで展開中。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

中西正男のここだけの話~直接見たこと聞いたことだけ伝えます~

税込330円/月初月無料投稿頻度:月3回程度(不定期)

1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

中西正男の最近の記事