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セリエAで先発復帰の鎌田大地、新生ラツィオ初陣の現地評価は「賛否両論」だったのか? #専門家のまとめ

中村大晃カルチョ・ライター
3月11日、セリエAのウディネーゼ戦でのラツィオの鎌田大地(写真:REX/アフロ)

ラツィオの鎌田大地が3月30日、セリエAで約3カ月ぶりに先発出場した。当初ベンチスタートが予想されたなかでの先発抜擢に、一部メディアは「サプライズ」と報じている。

イゴール・トゥードル監督の就任以降、鎌田の起用法は話題だった。注目された初戦でのパフォーマンスは、否定的な声もあるが、おおむね好評だったと言える。新指揮官も賛辞を寄せた。

鎌田の出来に対する現地評価や監督の見解をまとめる。

ココがポイント

▼ダブルボランチの一角で80分間プレー。立ち上がりから積極的で、惜しいシュートや激しいチャージなど、攻守両面で奮闘した。

・こんな鎌田大地を待っていた!11試合ぶりの先発で攻守に奮闘!トゥドール初陣のラツィオはAT弾でユベントスに劇的勝利(SOCCER DIGEST Web)

▼採点で及第点未満とした媒体も。質の低さや時間が必要との見方がある様子。一方で、7点という高い評価だったメディアもある。

ラツィオで先発復帰の鎌田大地、現地メディアで評価分かれる「量は多いが質は低い」(GOAL)

▼覚醒を期待する評価もあれば、チームワーストタイの採点も。「ミスの多さ」は好機での一瞬の迷いや時折のボールロストが原因か。

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▼新監督からは賛辞。前監督より自分のスタイルに適しているとの評価は心強い。プレーに加え、知性や気質への称賛は明るい兆し。

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エキスパートの補足・見解

一見すると「賛否両論」だが、大手媒体の採点はほぼ及第点超えだ。試合後会見で鎌田に言及した記者は「驚かされた」と口にしており、トゥードル監督も「素晴らしい試合をした」とうなずいている。ごく一部を除き、高く評価されたと言えるだろう。

専門サイト『cittaceleste』は辛口評価だったひとつだが、「賢いプレーといつものミスが交互」「ひどくはなかったが忘れられない試合でもなかった」など、一定の質を認めたうえでの“愛のムチ”とも言える。

劇的決勝点で新体制の初陣を白星で飾り、ラツィオは勢いに乗ることが期待される。良い印象を残した鎌田も、その波に乗っていけるか。それが去就を含む今後に大きく影響するはずだ。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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