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「トッティがローマの地で現役復帰」は夢物語、噂のクラブが否定 「4年前と混同」

中村大晃カルチョ・ライター
2018年12月、CL抽選会でのトッティ(写真:ロイター/アフロ)

夢は人生を豊かにする。ただ、夢は夢のままのほうが良いという見方もある。どちらのケースに当てはまるかは、人それぞれだろう。

6月5日、フランチェスコ・トッティが現役に復帰する可能性が報じられた。4部セリエDに属するローマのクラブ「トラステヴェレ」のピエル・ルイージ・ベットゥッリ会長が望み、幹部の役職も用意しているというものだ。

トラステヴェレは、トッティが少年時代に所属したクラブだ。ローマのユースでプレーする以前、ロディジャーニのさらに前に在籍したのがトラステヴェレだった。

ローマひと筋のキャリアを貫いたトッティは、2017年に現役を引退している。ユニフォームを脱いで4年経つが、本人の希望が現役続行だったのは周知のとおりだ。愛するクラブを離れても現役にこだわるか、「生涯ローマ」を貫くか。当時40歳だったトッティは、悩んだ末に後者を選んだ。

2017年5月、最終戦でのトッティ
2017年5月、最終戦でのトッティ写真:ロイター/アフロ

そのトッティが、再びローマの地でサッカー選手をするとなれば、ロマンティックな物語となる。ボールに愛された稀有なタレントが繰り出す美技は、どんな舞台でも世界のファンを魅了しただろう。

しかし、トラステヴェレはこの報道を否定した。フェイスブックの公式アカウントで、「一切根拠のない情報」で「まったく真実に即していない」と発表している。

さらに、ベットゥッリ会長が『ANSA通信』でトッティへのオファーを否定。「2017年のことと混同したのではないか」と説明した。

「フランチェスコが我々の街を離れ、国外に去ってしまうことを恐れ、クラブは当時、魅惑的な計画を一緒に実現しないかと提案したんだ。フラミーニオか旧ヴェロドローモのスタジアムを、トラステヴェレの新たなホームにするという計画さ」

ベットゥッリ会長は「もちろん今でもこの招待は有効だ。いや、むしろ誰よりも街を愛していることを示してきた人物に積極的に訴えたい」と続けている。

「フランチェスコ・トッティは偉大で、愛され、影響力のある人物だ。おそらく、我々を助けられるのは彼だけだろう。彼と我々の街にとって、素晴らしいプレゼントになるはずだ」

会長の呼びかけに呼応するかは不明だが、少なくとも今のところ、トッティの現役復帰は夢物語で終わった。この知らせに落胆した人、安堵した人、それぞれいたのではないだろうか。

引退後、愛するクラブの幹部を務めたのち、現在のトッティは新たな才能を発掘し、マネジメントする仕事に取り組んでいる。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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