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中田英寿氏やスナイデルの例も…ミラン復帰のイブラヒモビッチ、合流4日で先発出場?

中村大晃カルチョ・ライター
2000年1月16日、セリエA第17節エラス・ヴェローナ戦での中田英寿氏(写真:ロイター/アフロ)

リナーテ空港に降り立ったのは、1月2日のことだった。それから4日で、スタメンリストに名を連ねるのだろうか。

2012年以来となるミラン復帰を果たしたズラタン・イブラヒモビッチが、ロサンゼルス・ギャラクシーで最後の公式戦に出場したのは、昨年10月25日のことだった。それから2カ月以上が過ぎている。それだけに、コンディション調整に一定の時間を要するとの見方が強かった

もちろん、ステーファノ・ピオーリ監督率いるチームのシステムに馴染む必要もある。シーズン後半戦のミランがイブラヒモビッチ中心のチームになることは当然だが、慣れるまでの時間が必要と考えるのが妥当だ。

だが、2日にミラノ入りした新たな背番号21は、3日に臨んだ再入団会見ですぐにピッチに立つ意欲を見せた。そして実際、同日の練習試合で先発出場し、得点とアシストを記録している。

そのため、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』など地元メディアは、2020年の初戦となるセリエA第18節、6日のサンプドリア戦でイブラヒモビッチがスタメン入りする可能性を報じた。実現すれば、ミラノの街に戻ってから、わずか4日後の先発出場だ。

加入後すぐにスタメン出場した例は過去にもある。4日、イタリア『スカイ・スポーツ』がそれらのケースをいくつか紹介した。その中には、元日本代表の中田英寿氏も含まれている。

1998年に日本からイタリアに渡り、ペルージャでセンセーションを巻き起こした中田氏は、翌シーズン途中の2000年1月13日にローマへ移籍した。その3日後の16日、エラス・ヴェローナとのホームゲームで、当時のファビオ・カペッロ監督は中田氏を先発起用している。試合は3-1でローマが勝利。中田氏は後半67分にベンチへと下がった。

のちにパルマでその中田氏とチームメートになった元ブラジル代表のアドリアーノも、インテルからフィオレンティーナにレンタル移籍した2002年1月、加入2日でキエーヴォ戦に出場。2-2と引き分けた試合で終了間際に同点弾を挙げ、新チームに勝ち点をもたらしている。

ゴールこそなかったが、大きなインパクトを残したのが、2009年8月にレアル・マドリーからインテルに移籍したヴェスレイ・スナイデルだ。ミラノ入りして24時間でミラノダービーというビッグマッチに先発出場。ミラン相手に4-0という快勝に貢献した。

インテルでは2011年にサンプドリアから移籍したジャンパオロ・パッツィーニや、2013年加入のエセキエル・スケロット、2017年のロベルト・ガリアルディーニも、加入から2、3日後の初戦でスタメン出場している。(いずれも1月移籍)

そのほか、ユヴェントスでは2010年夏のファビオ・クアリアレッラや2011年冬のアレッサンドロ・マトリが、加入後すぐに先発出場。ただ、いずれも試合には敗れた。

ミラニスタが期待するのは、マリオ・バロテッリやクシシュトフ・ピオンテクの再現だ。

バロテッリは2013年1月31日、マンチェスター・シティからミランに移籍すると、3日後のウディネーゼ戦でスタメン入りし、先制点をマーク。さらに同点とされて迎えた終了間際のアディショナルタイムに決勝点を挙げ、ドッピエッタ(2得点)でチームを勝利に導いた

一方、1年前の1月23日、ジェノアからミランに加わったピオンテクは、3日後のナポリ戦に出場。スタメンではなかったが、本拠地サン・シーロの観客を沸かせると、そのさらに3日後、同じナポリとのコッパ・イタリア準々決勝では先発出場でドッピエッタを記録している。

38歳という年齢にもかかわらず、サポーターやメディアから大きな期待を寄せられているイブラヒモビッチは、サンプドリア戦で先発出場するのか。そして、インパクトを残すことができるだろうか。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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