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ミラン、ファンの5割がダービー勝利を予想 「インテルを逆転」の声も2割増

中村大晃カルチョ・ライター
2017年10月15日のミラノダービーでのミランの選手たち(写真:ロイター/アフロ)

サポーターの心は移ろいやすい。だが、ミラノ勢の最近を考えれば、妥当な結果と言えるだろう。

ミランとインテルは現地時間3月4日、セリエA第27節ミラノダービーで対戦する。2日付『ガゼッタ・デッロ・スポルト』の世論調査では、サッカーファンの5割がミランの勝利を予想した。アウェー扱いのインテルの勝利を予想したのは、わずか18%。ドロー予想が32%だった。

2018年3月2日付ガゼッタ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成
2018年3月2日付ガゼッタ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成

もちろん、それぞれのサポーターは自軍の勝利を信じている。ミランファンに限れば、勝利予想は72%。インテルファンも63%にのぼった。ただ、直近の成績を考慮すれば、全体の半数がミラン勝利を予想したのは自然な流れだ。

12月3日の15節キエーヴォ戦を最後に、インテルは長く暗いトンネルに迷い込んだ。2カ月にわたり、8試合も白星から遠ざかり、24節ボローニャ戦でようやく勝利を取り戻したが、続くジェノア戦で再び黒星。前節は再び勝利したが、11試合で2勝6分け3敗と、勝ち点12しか挙げていない。

対照的に、ミランはジェンナーロ・ガットゥーゾ監督の下で復調を遂げた。インテルとのダービーを制した年末のコッパ・イタリア準々決勝を皮切りに、公式戦で13試合連続無敗。リーグ戦11試合で7勝2分け2敗と、インテルとの勝ち点差を18ポイントから7ポイントまで縮めている。

筆者作成
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約1カ月前の調査では、それでもミランはインテルを抜けないとの声が多数を占めていた。だが今回、「ミランがインテルを逆転する」と回答したファンは42%にのぼった。「差は大きく縮まるがインテルがミランを上回る」が39%、「大差を維持してインテルがミランを上回る」が19%だ。

2018年3月2日付ガゼッタ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成
2018年3月2日付ガゼッタ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成

各回答の推移をみると、特に変動が大きかったのは1月29日から2月19日にかけてで、結果も内容も低調なインテルに対する信頼低下が顕著に表れている。右肩上がりのミランとは好対照だ。

2018年3月2日付ガゼッタ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成
2018年3月2日付ガゼッタ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成

インテル不振の原因を問う世論調査では、72%が「選手たち」と回答。ルチアーノ・スパレッティ監督の責任としたのは、わずか28%だった。インテルサポーターに限れば、11%とさらに数字が下がる。約9割のインテルファンは、選手たちに不満を抱いているということだ。

ただ、ジェノア戦で再度黒星を喫した直後の2月19日時点で、スパレッティ監督を不振の原因としたインテルサポーターは30%だった。それからわずか10日で、20%もポイントが変動している。

結局のところ、サポーターの心は移ろいやすいものなのだ。ダービーの結果次第で、両チームと両指揮官の評価が一変することも十分にあり得る。確かなのは、それだけに、両軍にとって負けられない大一番ということだ。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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