4失点で初黒星のミラン、8割のファンが望む3バックは特効薬になるか

9月10日のラツィオ戦で敗れたミランのモンテッラ監督とボヌッチ(写真:ロイター/アフロ)

順調に結果を残してきたミランが、セリエA第3節ラツィオ戦で1-4と大敗した。シーズン開幕からの連勝が6で止まり、メディアやファンが望んでいるのは、3バックの採用だ。

ラツィオ戦では、公式戦5試合で1失点だった守備が崩壊。チーロ・インモービレにハットトリックを許し、手痛い完敗を喫した。ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督は、大型補強と順調な船出で、ミランが浮かれムードにあったと認めている。

だが、それ以上に指摘されているのが、システム変更の必要性だ。

◆目玉補強ボヌッチが批判の的に

ラツィオ戦でやり玉に挙げられたのは、今季最大の補強であるレオナルド・ボヌッチだ。インモービレにあっさり1対1で抜かれる醜態もさらした新キャプテンは、試合終了直後にそのインモービレと口論するなど苛立ちを隠せず。一部では、「評価されていたのはジョルジョ・キエッリーニとアンドレア・バルザーリがいたおかげ」とも揶揄された。

そのボヌッチを生かすために、メディアは3バックへの移行を主張している。確かに、ユヴェントス時代に3バックの中央でボヌッチが今の地位を築いたのは周知のとおり。また、攻撃力に長けるアンドレア・コンティとリカルド・ロドリゲスも、3-5-2の両翼に適している。

◆今こそ変えるタイミング?

ラツィオ戦以降、3バック採用を呼びかける記者や評論家は少なくない。

アウグスト・デ・バルトロ(スカイ)

3バックにして中盤を5枚か4枚で並べたほうが、サイドでのプッシュや相手を広げるために必要な幅を取ることを保ちつつ、より中央をカバーできる

ステファノ・デ・グランディス(スカイ)

(アレッシオ・)ロマニョーリを含めて3バックにすれば、ボヌッチのカバーリングの負担を減らして、最終ラインの優れたレジスタにすることができる

シモーネ・レダエッリ(メディアセット)

おそらく3バックにすべきタイミングで、その理由はひとつではない。ボヌッチはユーヴェの3-5-2でビッグになった。ロドリゲスとコンティは深い位置を突くのに優れ、守備が劣る。4-3-3を捨てることで(マテオ・)ムサッキオとロマニョーリのどちらかを犠牲にすることもない

ステファノ・スカッキ(レプッブリカ)

3-5-2ならボヌッチをユーヴェと同じ戦術で起用でき、コンティとロドリゲスをベストポジションで使えて、アタッカーを2枚にできる。ただ、完全な変更にはベストの状態のロマニョーリが必要だ

マッシモ・マウロ(レプッブリカ)

(ルーカス・)ビリアと(リッカルド・)モントリーヴォを起用しての中盤3枚という構成はリスクがあり、ボヌッチがいるだけに、おそらくは3バックにするケースだ

サポーターも同様だ。『メディアセット』のアンケートでは、約2万3000人のユーザーのうち、80%以上が3バックにすべきと回答している。

モンテッラ監督も、14日のオーストリア・ウィーンとのヨーロッパリーグ(EL)開幕戦での3バック採用を示唆した。今後に向けての試金石となるだろう。

ユーヴェは昨季、フィオレンティーナ戦の黒星を受け、次戦で4-2-3-1を採用。これがヒットし、6連覇に向けて上昇気流に乗った。ミランにも同じ効果があるか注目される。

◆問題はシステムではないとの声も

だがもちろん、3バックにすればすべての問題が解決するわけではない。だからこそ、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』のアルベルト・チェルッティ記者は、システムを生かすも殺すも選手次第と主張している。

フォーメーションは額縁であり、絵そのものと混ぜてはいけない。絵は選手たちのことだ。ピッチに立つのは選手たちであり、どんなフォーメーションよりも彼らが重要となる。違いをつくるのは彼らだからだ。監督たちは、醜態を避けるために必要不可欠なポジション間のバランスを優先させつつ、そのときに最も調子が良いベストメンバーをうまく選ばなければいけない

そして、チェルッティ記者は「ミランの真の問題はほかにある」とも指摘した。

獲得した選手は多すぎるほどだが、超一流やその候補は少ない。リーグ開幕からの2試合で、(ファビオ・)ボリーニや(ハカン・)チャルハノールのような過大評価された一部の新戦力の限界を感じるべきだった。逆に、スソと(ジャコモ・)ボナヴェントゥーラの重要性は過小評価されている

◆地に足をつけて…

いずれにしても、忘れてはならないのが、ミランの目標はチャンピオンズリーグ出場であり、少なくともそれを競うだけの戦力はあるということだ。チェルッティ記者は、こうも述べている。

以前の熱意と今の落胆の狭間で、ミランは中間の道を見つけるべきだ。スクデットを夢見ることはせず、だが4位以内という最低目標を捨てることもせずに