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ディバラへの賛辞止まらぬユーヴェ、今季もCLファイナリスト候補?

中村大晃カルチョ・ライター
8月13日、スーペルコッパのラツィオ戦でのディバラ(写真:ロイター/アフロ)

現地時間9月9日のキエーヴォ戦で3-0と勝利したユヴェントスは、セリエAで3連勝を飾った。イタリア『コッリエレ・デッロ・スポルト』のアンケートによると、イタリアの人々はユーヴェが今季もチャンピオンズリーグ(CL)決勝に進むだけの力があるとみているようだ。

レオナルド・ボヌッチという大黒柱のひとりが去り、守備陣の高齢化も不安視されるユヴェントスは、プレシーズンで精彩を欠いた。ラツィオとのスーペルコッパでも敗北。『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が開幕前に優勝候補から外すなど、覇権に終止符が打たれるのではないかとの声もあった。

だが、ふたを開けてみれば、開幕から10得点2失点で3連勝と好発進。特にキエーヴォ戦は、負傷のジョルジョ・キエッリーニに加え、ジャンルイジ・ブッフォンとアンドレア・バルザーリもターンオーバーで不在だったが、無失点で勝ち点3を積み重ねた。

ボヌッチを含めた「BBBC」がひとりもいない試合は、2010年4月以来のことという。初めてキャプテンマークを巻いたシュテファン・リヒトシュタイナーのほか、ブッフォンの後継者となるべくユーヴェに加入したヴォイチェフ・シュチェスニーら、守備陣の仕事は称賛されるべきだろう。

ただ、特筆すべきは3試合で10得点という攻撃陣の好調ぶりだ。『ガゼッタ』によれば、リーグ開幕から3試合で10ゴールを奪ったのは、1981年以来とのこと。敗れはしたがスーペルコッパでも2ゴールを挙げており、公式戦では1試合平均3ゴールというハイペースで得点を重ねている。

その攻撃陣をけん引するのが、今季から背番号10を纏うパウロ・ディバラだ。キエーヴォ戦ではターンオーバーでベンチスタートだったが、1点リードで迎えた54分から途中出場すると、4分後に追加点の起点となり、83分にはダメ押しとなる3点目を奪った。

ディバラはリーグ戦3試合で5得点、スーペルコッパを含めて公式戦4試合で7ゴールと絶好調。平均で44分おきに1ゴールという驚異のペースで得点を挙げている。リーグ戦では昨季の最後の2試合を含め、5試合連続で得点中だが、これは2014年12月以来のことという。

得点だけではない。ディバラはキエーヴォ戦で途中出場から試合の様相を一変させた。ブレーズ・マテュイディとドウグラス・コスタを初先発させ、4-3-3の新システムで臨んだユーヴェは、オウンゴールで先制こそしたものの、思うようなプレーができていなかった。だが、ディバラ投入と4-2-3-1への変更で、その流れが一気に変わったのだ。

まさに別格と呼ぶにふさわしいディバラのパフォーマンスには、多方面から賛辞が寄せられた。解説者のダニエレ・アダーニは、『スカイ・スポーツ』でディバラを映画「パルプ・フィクション」に登場する“ザ・ウルフ”にたとえ、「出てきたら問題を解決することができる」と称賛。『ガゼッタ』は10日付の記事で「単純にパウロはほかの選手にできないことをやる」と、シンプルながら絶賛した。

対戦相手のキエーヴォの選手たちもディバラには脱帽。アレッサンドロ・ガンベリーニが「ユーヴェの危険の60%は彼」と述べれば、ステファノ・ソッレンティーノは「以前から言っているがバロンドーラーになるだけの力を備えている」と、パレルモ時代のチームメートをたたえている。

常に慎重な姿勢を崩さないマッシミリアーノ・アッレグリ監督も、「リオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウドが引退したら、ネイマールと並んで世界最強になるだけの力がある」とコメント。最高級の賛辞を寄せつつ、ディバラのさらなる成長を願った。

もちろん、ディバラひとりでユーヴェが勝利を手にすることはできない。だが、ディバラを中心とするユーヴェの強さをサポーターが認めているのは確かだ。『コッリエレ』によると、今季のCLの優勝候補を問うアンケートで、1000名のイタリア人は次のように回答している。

コッリエレ・デッロ・スポルト紙より
コッリエレ・デッロ・スポルト紙より

優勝候補筆頭は、昨季史上初の連覇を果たしたレアル・マドリー。不明を除き、バイエルン・ミュンヘンやバルセロナ、ネイマール獲得などで注目のパリ・サンジェルマンらを上回る得票率でユヴェントスが次点だ。イタリアの人々は、今季もマドリーとユーヴェの決勝を予想しているということか。

マドリーに敗れた昨季の決勝で精彩を欠き、酷評されたディバラも、雪辱に燃えているだろう。ユーヴェは4年間で3度目となる決勝進出、そして悲願である1996年以来の欧州制覇を果たせるのか。夢に向けた第一歩となる12日の開幕戦、相手はバルセロナだ。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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