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インテル、夢のメッシ獲りを目指す価値あり? 伊紙が10の理由で後押し

中村大晃カルチョ・ライター
インテルが関心を寄せていると報じられるメッシ(写真:ロイター/アフロ)

インテルのスポンサー、ピレリ社のマルコ・トロンケッティ・プロヴェーラ会長は先日、イタリアメディアのインタビューでバルセロナFWリオネル・メッシの獲得が夢だと語った。これを受け、すわ「インテルがメッシを獲得か」と一部のメディアが騒ぎ立てている。メッシ獲得という夢の実現が容易でないことは、言うまでもない。莫大な資金も必要となる。それでも目指す価値はあるのだろうか。

『コッリエレ・デッロ・スポルト』の答えは、「イエス」のようだ。同紙は「あくまで仮説のレベルでしかない」としつつ、インテルのオーナーとなった蘇寧グループが資金力を武器に超一流選手の獲得を強く望んでいると報道。1日付の記事で、メッシ獲りを目指すべき10の理由を挙げている。

1. 蘇寧の野心をアピールできる

インテルを再びイタリア、ヨーロッパ、そして世界の舞台で競えるチームにするという野心を示すのに、数えきれないほどのタイトルと個人賞を手にしてきたメッシを獲得する以上のことはない。インテルは1997年に元ブラジル代表ロナウドも獲得している。

2. インテリスタのプライドを刺激

2010年の3冠以降は耐える一方のインテリスタだが、メッシが加入すれば大きな目標を目指せるようになる。リーグを支配し続けるユヴェントスの前にあきらめる必要もない。

3. サン・シーロは記録的な観客動員数に

近年のインテルは成績が芳しくないが、それでもセリエAで最も多くの観客動員数を誇っている。そこに背番号10を纏うメッシが加わったら…どの試合でも「満員御礼」確実だ。

4. さらなるビッグネームの加入も?

メッシ獲得が実現すれば、彼とプレーしたいと願うビッグネームの加入への期待も増す。インテルは大物たちが移籍したいクラブの有力候補となるだろう。

5. サネッティの存在

メッシを呼ぶには魅力的な挑戦であることを納得させなければいけない。それは、バルセロナ以外のクラブでも勝てると示すことだ。彼はアルゼンチン代表でそれができていない。引退してなおアルゼンチン人選手にとって重要な存在であるサネッティの貢献が期待できる。

6. バルセロナでの不満

スペインの税務当局との問題に続き、メッシは2018年までとなっているバルセロナとの契約の延長問題も騒がれている。バルセロナではなく、スペインから出ていきたいだけかもしれないが…。

7. バルサとインテルの歴史

バルセロナから移籍し、インテルで歴史をつくった大物が少なくないことは興味深い。たとえばルジートの愛称を持つルイス・スアレスや前述のロナウドだ。2010年に3冠を達成したときのキーマンの一人は、サミュエル・エトーだった。

8. スポンサー収入アップ

メッシ加入は戦力だけでなく収入のアップにもつながる。メッシはインテルにとっても蘇寧グループにとっても世界における「顔」となる。

9. ピレリの後押し

8と同じく、ピレリにとってもメッシは「顔」となる。

10. ライバルへの強烈な一撃

同じチャイナマネーへのクラブ売却に向かっているミランにとって、これ以上の打撃はないだろう。インテルは戦わずしてダービーに勝つようなものだ。

『コッレエレ』が認めているように、現時点では具体的な話ではない。「夢」であることは、インテルとそのファンも分かっているはずだ。だが、ファンはそんな夢を望むものだ。そして、夢が実現した例があることも事実である。

ちなみに、『コッリエレ』は、クリスティアーノ・ロナウドやズラタン・イブラヒモビッチ、ガレス・ベイル、ルイス・スアレスなど、数々のビッグネームたちがこれまで移籍してきたことも指摘している…。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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