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イ・ジョンフら24人、10月のアジア大会出場の韓国代表発表 金メダル獲得で兵役免除

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
2018年のアジア大会で金メダルを獲得したイ・ジョンフ(右から2番目)ら韓国代表(写真:ロイター/アフロ)

韓国野球委員会(KBO)と大韓野球ソフトボール協会(KBSA)は9日午後、今年10月に中国・杭州で行われるアジア競技大会(アジア大会)に出場する、野球韓国代表24選手を発表した。

韓国は今回、25歳以下またはプロ4年目以内で代表選手を選出。加えて3人のオーバーエイジ枠を設けた。

◆投手(12名)

コ・ウソク、チョン・ウヨン(以上、LG)、パク・ヨンヒョン(KT)、△イ・ウィリ、△チェ・ジミン(以上、KIA)、△◇ク・チャンモ(NC)、ウォン・テイン(サムスン)、ナ・ギュンアン、◇パク・セウン(以上、ロッテ)、クァク・ピン(トゥサン)、ムン・ドンジュ(ハンファ)、チャン・ヒョンソク(馬山龍馬高)

◆捕手(2名)

キム・ドンホン(キウム)、キム・ヒョンジュン(NC)

◆内野手(7名)

パク・ソンハン(SSG)、キム・ヘソン(キウム)、ムン・ボギョン(LG)、カン・ベクホ(KT)、キム・ジュウォン(NC)、キム・ジチャン(サムスン)、ノ・シファン(ハンファ)

◆外野手(3名)

チェ・ジフン(SSG)、イ・ジョンフ(キウム)、◇チェ・ウォンジュン(KIA・サンム入隊中)

△は左腕投手、◇はオーバーエイジ枠

「アジア版オリンピック(五輪)」とも言われるアジア大会は、4年に1度行われるスポーツの国際大会。2022年に開催予定だったが感染症の感染拡大の影響で1年延期し、今秋の実施となった。

同大会に日本(侍ジャパン)は社会人野球の代表が参加するが、韓国は過去の大会ではトッププロを中心にチームを編成。公式戦を中断し臨み、3大会続けて金メダルを獲得している(今回、公式戦の中断はなし)。

韓国ではアジア大会の関心が高い。その理由の一つに軍入隊の必要がある選手(すべての種目)が同大会で金メダルを獲得すると、免除恩恵を受けられることがある。

兵役は五輪での金、銀、銅メダルでも免除となるが、野球は21年の東京五輪で4位に終わり適用はならなかった。野球は現状、五輪の正式種目から外れているため、アジア大会は競技で得られる唯一の免除機会となっている(※)。

プロ選手にとって兵役により約1年半、チームを離れることは大きく、大会出場を望む選手は多い。

兵役は韓国の成人男性の義務。それが免除になる可能性があるアジア大会は、代表選考の公平性、透明性を強く指摘する声が一部である。

今回も代表入りのイ・ジョンフ(キウム)らが参加し優勝した、前回18年のジャカルタ・パレンバン大会では大会終了後、野球とは無関係の市民団体や議員が選手選考に異議を申し立て物議を醸した。

ソン・ドンヨル代表監督が国政監査の証人として呼ばれるという異例の事態となり、屈辱的な仕打ちを受けた同監督は業を煮やし、任期を約3年残して辞意を表明。後味の悪い金メダルとなった。

(関連記事:指揮官交代は韓国野球にどう影響を及ぼす? 宣銅烈前監督には同情の声も スポーツナビ 2019年1月29日)

今回の監督、コーチは以下の通り。

監督:リュ・ジュンイル(元LG監督)

投手コーチ:チェ・イルウォン(山本一彦、元LGコーチ)

打撃コーチ:チャン・ジョンフン(元ハンファコーチ)

守備コーチ:イ・ジョンヨル(元LGコーチ)

作戦コーチ:リュ・ジヒョン(前LG監督)

バッテリーコーチ:キム・ドンス(元LGコーチ)

ブルペン、コンディショニングコーチ:キム・ヒョンウク(ロッテコーチ)

※野球では06年の第1回ワールド・ベースボール・クラシックでのベスト4、サッカーでは02年のFIFAワールドカップのベスト16進出により、特例で兵役が免除になったことがある。

⇒ 2023年 韓国プロ野球個人成績(ストライク・ゾーン)

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FMコザ)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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