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痴漢対策に関する各候補者の考えは?独自アンケート結果【参院選2022東京選挙区】

室橋祐貴日本若者協議会代表理事
日本若者協議会作成

6月22日に告示し、7月10日に投開票される参議院議員選挙。

痴漢撲滅パッケージの策定が政府の「女性版骨太の方針2022」に入り、内閣府が実態調査を行うなど、政治的なアジェンダとなっている痴漢対策。

関連記事:痴漢など若年層の性暴力被害に関する実態調査を内閣府が初めて実施。その結果は?(室橋祐貴)

日本若者協議会では、昨年夏頃から、痴漢対策の強化を求めて、政府や主要政党、東京都などに対して要望活動を行ってきたが、特に痴漢被害の多い東京選挙区に立候補される各候補者の「痴漢問題」に対する考えを明らかにするため、アンケートを実施した。

痴漢対策について参議院議員選挙 東京選挙区立候補者にアンケートを実施しました(日本若者協議会)

結果一覧は下記のスプレッドシートにまとめているが、それぞれ回答者の結果を紹介したい。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/14aztfZZVFrbXvA5_QLsjg-2Elkzf0T20SQTt0t0cjyQ/edit?usp=sharing

現状の政府の痴漢問題への対策は十分/不十分だと思いますか?

それぞれの質問に対する各回答、また自由回答で回答理由も求めたため、回答順に紹介する(以下、敬称略)。

選択肢:

十分である

やや十分である

あまり十分ではない

全く十分ではない

松田みき(NHK党):

全く十分ではない

回答理由:電車内の防犯カメラの設置や性教育、性犯罪再発防止策等々、いろいろと欠けている

竹谷とし子(公明党):

全く十分ではない

回答理由:痴漢行為によって、多くの女性(時には男性も)が通学・通勤など日常生活の中で性犯罪の被害を受けているにもかからず、具体的な対策が鉄道事業者等、民間の取組みに委ねられているなど、国が前面に立つ取組みがなされてこなかったと感じている。

松尾あきひろ(立憲民主党):

全く十分ではない

回答理由:被害にあっても相談できない方が多く、統計に表れている以上に実態は深刻です。

蓮舫(立憲民主党):

全く十分ではない

回答理由:省庁横断の連絡協議会など、国として痴漢対策に取り組む体制づくりなど基本的な対策ができていないから。

山添 拓(日本共産党):

全く十分ではない 

回答理由:現在のような痴漢被害の深刻化の背景には、政治がこれを正面から問題にせず、解決のための対策をとってこなかったことがあります。そのことが痴漢を"軽い問題"扱いにし、女性の尊厳を軽んじる社会的風潮を広げてきました。この間の痴漢対策を求める声と運動の高まりで、ようやく政府も実態調査や対策方針の策定を打ち出しましたが、今後、さらに本気の姿勢と本格的な対策が必要です。

あんどう裕(新党くにもり):

あまり十分ではない

回答理由:痴漢被害はまだ多いと感じる。

荒木 ちはる(ファーストの会):

全く十分ではない

回答理由:特に都内のように極めて混雑する電車内における痴漢による犯罪被害は大変深刻ですが、政府からは十分な対策を示す意図が見えてきません。

都政においては、痴漢等の犯罪の未然防止など車内セキュリティの強化を図るため、令和6年度までに都営地下鉄において全ての車両への防犯カメラの設置完了を目指すとともに、防犯アプリの活用・広報を積極的に展開するなど、痴漢被害への対策を進めており、今後も国に先駆けた課題解決を進めて参ります。

女性専用車両の導入拡大に賛成/反対ですか?

選択肢:

とても賛成

やや賛成

どちらとも言えない

やや反対

とても反対

松田みき(NHK党):

やや反対

回答理由:同様に男性専用車両が設置されていないため

竹谷とし子(公明党):

とても賛成

回答理由:既に女性専用車両が導入されている路線では安心して電車に乗ることができると実感している女性がたくさんおられる。本来なら女性専用車両がなくても安心して電車に乗れることが望ましいですが、痴漢被害が多発する中では女性専用車両の導入拡大は不可欠と考えます。

松尾あきひろ(立憲民主党):

とても賛成

回答理由:女性専用車両の増設によって、安心して通勤できる方が増える

蓮舫(立憲民主党):

とても賛成

回答理由:日本では差別・偏見に基づく性暴力の防止や、被害者に対する救済が十分でなく、女性専用車両を導入拡大する必要があると考えるから。

山添 拓(日本共産党):

とても賛成

回答理由:深刻な痴漢被害が広がっているもとで、女性専用車両は、女性が安心して交通機関を利用できるようにするための大事な対策の一つです。日本共産党の東京都議団が行ったアンケート調査(2021年、1,435人回答)では、半数以上の人が痴漢被害防止対策として女性専用車両が必要だと回答しています。終日設置、夜間設置、路線や車両数を増やすなど、増設の要望も多数寄せられています。こうした声にこたえて導入拡大をすすめるとともに、女性専用車両が設置されている意味への理解を広げるため、積極的な周知をおこなうことが必要だと考えます。 

あんどう裕(新党くにもり):

やや賛成

回答理由:痴漢被害が無くならない以上、仕方ないし、男性の冤罪保護にも繋がるから。

荒木 ちはる(ファーストの会):

とても賛成

回答理由:女性専用車両の導入・拡大だけで解決するわけではないと考えますが、痴漢被害防止のために一つの極めて重要な方策と考えます。

電車内や駅構内への防犯カメラの増設に賛成/反対ですか?

選択肢:

とても賛成

やや賛成

どちらとも言えない

やや反対

とても反対

松田みき(NHK党):

とても賛成

回答理由:痴漢の防止や証拠保全だけでなく、冤罪を防ぐためにも設置は必須と考える

竹谷とし子(公明党):

とても賛成

回答理由:痴漢被害が最も多い電車内の痴漢被害防止のために、ポスターの掲示やアプリの活用のほか、車内防犯カメラの設置拡大は、プライバシー侵害等の声もありますが、痴漢行為の抑止に一定の効果があり、また冤罪の防止にも資すると考えます。

松尾あきひろ(立憲民主党):

やや賛成

回答理由:なし

蓮舫(立憲民主党):

どちらとも言えない

回答理由:公共の場所に防犯カメラを増設することによるメリットとデメリットを調整する必要があるから

山添 拓(日本共産党):

とても賛成

回答理由:防犯カメラの設置・増設は、鉄道会社による防犯対策のひとつとして意味があると思いますが、その際、プライバシーの侵害にならないようにきちんと運用ルールをつくること、カメラ増設だけでなく実際に対応できるように駅係員の増員や研修、電車内の巡回警備の強化なども合わせてすすめることが必要だと思います

あんどう裕(新党くにもり):

とても賛成

回答理由:監視カメラの死角で犯罪が行われている事例がある。これを撲滅すべき。

荒木 ちはる(ファーストの会):

とても賛成

回答理由:痴漢をはじめとする様々な犯罪行為を抑止するために極めて重要な対策と考えます。

痴漢の被害にあった人からは「何をすればいいのかわからなかった」という声が多くあげられます。痴漢にあったらどうすればいいか、痴漢を目撃したらどうすればいいかなど、痴漢を含めた性犯罪の教育を教育現場で強化することに賛成/反対ですか?

選択肢:

とても賛成

やや賛成

どちらとも言えない

やや反対

とても反対

松田みき(NHK党):

とても賛成

回答理由:性犯罪ではなくそもそも性教育の内容が不十分であると感じている

竹谷とし子(公明党):

とても賛成

回答理由:痴漢被害にあった多くの女性、特に若い女性は被害にあったことを訴えることも相談することもできない方が殆どです。被害にあった時にどうすればいいか、誰に、どこに相談すればいいか、警察に通報することも含めて男女とも学校で学ぶことが第一歩だと考えます。また安心して相談できるよう、相談を受ける側の学校や警察等の対応を変えていく必要もあります。

松尾あきひろ(立憲民主党):

やや賛成

回答理由:なし

蓮舫(立憲民主党):

とても賛成

回答理由:性犯罪の加害者にも被害者にもならないよう、性暴力が許されないこと、被害にあったときには支援を求める権利があること等の教育が行われることが痴漢被害防止にもつながると考えるから。

山添 拓(日本共産党):

とても賛成 

回答理由:痴漢犯罪は再犯率が非常に高く、再犯防止、加害根絶のためには、再発防止プログラムの受講をはじめとする加害者更生プログラムの実施、強化が不可欠だと思います。

あんどう裕(新党くにもり):

やや賛成

回答理由:対応法はしっかり教えるべき。ただし、行き過ぎには注意すべき。

荒木 ちはる(ファーストの会):

とても賛成

回答理由:痴漢被害は特に学生の方々が被害に遭う事例が多く、適切な対応を促すために学校教育の場での情報提供・サポートを強化する必要があります。

現状、痴漢の加害者の多くは捕まっても再犯防止プログラム(治療)を受けずに痴漢を繰り返しています(性依存症)。日本若者協議会では、実刑となった加害者や迷惑防止条例違反で罰金刑などになった加害者に、早期に性犯罪の再発防止プログラムをしっかりと受けられるようにすることを求めていますが、この意見に賛成/反対ですか?

選択肢:

とても賛成

やや賛成

どちらとも言えない

やや反対

とても反対

松田みき(NHK党):

とても賛成

回答理由:性犯罪は再犯率がとても高いと言われている犯罪のため

竹谷とし子(公明党):

とても賛成

回答理由:痴漢を含め性犯罪の加害者に対して、常習性、依存性が高くなる前段階で再犯防止プログラムを受けられるようにすることが再犯防止には不可欠と考えます。また再犯防止プログラムの効果をより高めるためにプログラムのブラッシュアップにも取り組むことも必要と考えています。

松尾あきひろ(立憲民主党):

やや賛成

回答理由:なし

蓮舫(立憲民主党):

とても賛成

回答理由:実情に応じた矯正プログラムの見直しなどを行うことが、再犯防止につながると考えるから。

山添 拓(日本共産党):

とても賛成

回答理由:痴漢犯罪は再犯率が非常に高く、再犯防止、加害根絶のためには、再発防止プログラムの受講をはじめとする加害者更生プログラムの実施、強化が不可欠だと思います。

あんどう裕(新党くにもり):

とても賛成

回答理由:再犯防止はなによりも大切である

荒木 ちはる(ファーストの会):

とても賛成

回答理由:痴漢被害を少しでも減少させるために重要な取組と考えます。

痴漢に対するコメントや、独自の対策案

松田みき(NHK党):

現状では痴漢被害者が混雑する時間帯や車両を変えるなどの工夫をしなければならず、冤罪も多いため、それによって実際に被害に遭っていても声を上げずらい状況があります。

私も痴漢被害に何度も遭いましたが怖くて声をあげられた事は無く、たまたま一緒に乗り合わせていた知り合いが助けてくれたこともありますが、恥ずかしくてお礼を言うこともできませんでした。

痴漢する人と同様に痴漢冤罪詐欺をする女性も許せません。女性専用車両を作ることが痴漢防止に役立つと考えているのであれば、冤罪を生まないためにも男性専用車両や知り合い同士のみが乗れるグループ用車両も作るべきであり、そのような声が大きくならないということは誰もそれが有効に働いていないと感じているのではないでしょうか。

万引きが窃盗罪であるという認識が薄いのと同様に、痴漢が性犯罪であるという認識が薄いことも問題であると考えます。

竹谷とし子(公明党):

痴漢対策は関係する省庁と民間事業者が連携して取り組むことが必要です。また対策を講じる際には痴漢被害にあいやすい高校生や大学生の声をしっかり聴いて対策に反映されるよう取り組んでまいります。

松尾あきひろ(立憲民主党):

なし

蓮舫(立憲民主党):

痴漢は絶対に許さない

山添 拓(日本共産党):

私は、昨年9月、日本若者協議会・ジェンダー政策委員会のみなさんと懇談し、「本気の痴漢対策を求めます!来学期から #NOMORECHIKAN 」の要望書と署名を受けとりました。今年5月には、吉良よし子参院議員、党都議団のみなさんと一緒にJR東日本に痴漢対策の強化を要請し、痴漢被害等の状況の調査、JRが開発をすすめてきた痴漢防止アプリの早期導入、痴漢の加害防止のためのアナウンス放送や電車内の動画、電光掲示場でのよびかけの強化、女性駅係員の増員、巡回警備強化、女性専用車両の導入拡大やその意義の周知などを求めました。これだけ被害があるのに繰り返され、拡大しているのは、個人の責任ではなく社会と政治の責任です。引き続き、みなさんと力をあわせて、痴漢ゼロへ力をつくします。

あんどう裕(新党くにもり):

なし

荒木 ちはる(ファーストの会):

痴漢は決して許されない性犯罪であり、その撲滅に向けて一つ一つ、着実に施策を積み重ねて参ります。

当選したら、痴漢対策の強化に向けて活動するか?(国会で質問をする等)

選択肢:

そのつもり

いいえ

松田みき(NHK党):

いいえ

竹谷とし子(公明党):

そのつもり

松尾あきひろ(立憲民主党):

そのつもり

蓮舫(立憲民主党):

そのつもり

山添 拓(日本共産党):

そのつもり

あんどう裕(新党くにもり):

そのつもり

荒木 ちはる(ファーストの会):

そのつもり

アンケート結果一覧

https://docs.google.com/spreadsheets/d/14aztfZZVFrbXvA5_QLsjg-2Elkzf0T20SQTt0t0cjyQ/edit?usp=sharing

自民党の2候補者からは未回答だったものの、公約には痴漢対策が盛り込まれている。

痴漢対策等のための防犯アプリの普及や鉄道事業者等と連携した車内放送やポスターの掲示等による広報・啓発の充実等の取組みのほか、防犯対策として、車内防犯カメラの設置に関する基準等について検討を進めるなど、痴漢撲滅に向けた取組みを抜本的に強化します。

引用元:自民党総合政策集2022 J-ファイル

日本若者協議会代表理事

1988年、神奈川県生まれ。若者の声を政治に反映させる「日本若者協議会」代表理事。慶應義塾大学経済学部卒。同大政策・メディア研究科中退。大学在学中からITスタートアップ立ち上げ、BUSINESS INSIDER JAPANで記者、大学院で研究等に従事。専門・関心領域は政策決定過程、民主主義、デジタルガバメント、社会保障、労働政策、若者の政治参画など。文部科学省「高等教育の修学支援新制度在り方検討会議」委員。著書に『子ども若者抑圧社会・日本 社会を変える民主主義とは何か』(光文社新書)など。 yukimurohashi0@gmail.com

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