7月31日、五輪を終えたある射撃選手が引退を表明しました。

射撃女子で5度目の五輪出場となった中山由起枝選手(42)が31日、現役引退を表明した。シングルマザーとして育ててきた長女の芽生(めい)さん(19)に励まされ、昨年3月に結婚した大山重隆選手(39)とペアを組み、同日行われた新種目の混合クレー・トラップに臨んだ。決勝進出はならなかったが、家族に支えられた競技人生を「最後まで諦めずにやってよかった」と振り返った。

射撃の中山由起枝が引退表明、夫とペア出場・長女がエール…家族に支えられた競技人生(読売新聞オンライン)

夏季五輪に5度出場した日本の女子選手は、たった3人。

2000年のシドニー、04年のアテネで金メダルを獲得した柔道・谷亮子さん。

12年ロンドン大会銀メダリストのウエイトリフティング・三宅宏実さん。

そして、中山さんです。

中山さんは、長くシングルマザーとして子育てしながら、競技を続けてこられました。

五輪初出場したのはシドニー2000大会。

その後、結婚・出産を経て、北京2008、ロンドン2012、リオデジャネイロ2016、東京2020(開催は2021年)。

北京大会では4位という素晴らしい成績を残しています。

2020年3月にはペアの大山選手と再婚もされています。

お子さんを授かり、シングルマザーとして育て、五輪という舞台に5度も立ち、再婚も。

中山さんはなぜ、これらの“幸せ”を手に入れることができたのでしょうか。

中山さんの言葉から理由を考えてみましょう。

18歳の時まったく未知の分野に飛び込んだのが、人生が大きく変わるきっかけでした。よく「人生でチャンスは3回訪れる」って言いますよね。私の場合、1回目のチャンスはあの時だったと思います。

2回目は、娘を授かったことですね。3回目は、なんでしょう。今後の人生の流れはまだわからないので、なんとも言えませんが。もっと歳がいった時、「それは夫と出会ったことでした」と言えたらいいですね。(笑)

中山由起枝「諦めない姿を娘に見せたい。クレー射撃に出合って23年、5度目のオリンピックへ」(婦人公論.jp)

「射撃をすることで収入源をしっかり確保できる。生活を成り立たせなければいけないという思いが強くあったので、そういう意味では他の選手と少し違うところはあったかもしれません」

(中略)

「娘が小学生のときから費用面は全て私に懸かっていました。母子家庭だからと不自由な思いはさせたくなかった。なんとか人並みの生活を送ることはできたと思っています。今は娘も大学2年生になっていますし、自分の好きな道を歩んでいってもらいたい。ただこうして子育てをしたことが、競技をする上で、私の力につながった部分はあるかもしれないです」

競技者として、母として。中山由起枝は「生きるために」射撃を続けてきた(TOKYO 2020)

娘が小さい頃は、練習場に連れて行き、退屈しないように工夫して遊ばせたりしました。射撃場の場長の許可のもとで、一輪車や自転車に乗るなど、成長とともに射撃場での過ごし方も変化しました。小中学生の時は、夏休みや冬休みの宿題も射撃場でやったり、書き初めも毎年射撃場で。

娘は小学5年生からソフトボールを始め、中学3年の夏までは部活動が休みの時にキャッチボールや素振りなどもしていました。射台に入っている時だけ、背後にいる娘のことは完全に忘れて集中するんです。合間に自分のトレーニングをしていました。苦肉の策とはいえ、子育てがよいトレーニングになったのでしょうね。

中山由起枝「諦めない姿を娘に見せたい。クレー射撃に出合って23年、5度目のオリンピックへ」(婦人公論.jp)

クレー射撃はメジャースポーツではなく、多大なスポンサー料は期待できません。

シングルマザーとして子育てしながら、競技を続け、しかも日本のトップ選手でい続けることがいかに大変かも、容易に想像できます。

それでも、ご自身が決められたことを覚悟を持ってやり遂げる強さが、中山さんにはあります。

筆者は仲人士として入会相談や結婚相談をお受けする際、「結婚する相手と出会う婚活には覚悟が必要」だと言っています。この場合の覚悟とは、決意を成し遂げる覚悟で、中山さんの覚悟と似ている気がします。

そしてもうひとつ、中山さんの言葉は最後、ポジティブな言葉で締められていることにお気づきでしょうか。

すべての出来事が、自分にとって良いこと。その前向きな考えが中山さんに幸せを引き寄せているのかもしれません。

決意を成し遂げる覚悟と、前向きな考え方。

中山さんの言動は、仕事と家庭・子育てを両立したいという女性だけでなく、何かを頑張りたいと思う多くの人の参考になりそうです。

射撃の新種目、混合クレー・トラップでの5位入賞、おめでとうございます!