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日本代表に初選出されたFW鈴木武蔵とは何者だ? プレーの特徴とキャラクターを解説

村上アシシプロサポーター・著述家・ビジネスコンサルタント
A代表初選出となったコンサドーレ所属のFW鈴木武蔵(写真:田村翔/アフロスポーツ)

日本サッカー協会は3月14日、3月下旬に開催されるキリンチャレンジカップ2019に向けた日本代表メンバー23名を発表した。

A代表に初選出されたのは、鹿島の安西幸輝、横浜FMの畠中槙之輔、シント=トロイデンの鎌田大地、札幌の鈴木武蔵の4人。

コンサドーレ所属の選手がA代表に選出されたのは、1999年の吉原宏太以来、20年ぶりとなる。

当コラムでは鈴木武蔵のプレースタイルと普段のキャラクターについて解説する。

2018年にJ1長崎でブレイク

鈴木武蔵は父がジャマイカ人で、母が日本人の25歳。U-16日本代表からほぼ毎年、世代別の日本代表に選出されてきた。

2016年にはU-23日本代表としてリオデジャネイロオリンピックに出場し、1ゴールを記録している(チームはグループステージで敗退)。

昨年、J1長崎でキャリア初の二桁得点(11得点)をあげ、ブレイクした。第26節名古屋戦ではハットトリックを達成している。

2018シーズンにチームはJ2に降格したが、その活躍を買われてシーズンオフにJ1北海道コンサドーレ札幌に完全移籍した。

ジャパネット社長のモノマネが得意なムードメーカー

普段は、見た目とのギャップが特徴的で、非常に陽気なキャラクターだ。長崎の高田社長のモノマネを得意としていて、様々なメディアでよく披露している。

コンサドーレに加入してまだ3カ月だが、チームメンバーにすぐ馴染み、チームの中でもムードメーカー的存在になっている。

フィジカルとスピードと技術を兼ね備えた万能型FW

昨年長崎でブレイクした勢いそのままに、鈴木武蔵は今年、札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督の元で急成長を遂げている。

開幕戦はベンチスタートとなったが(後半31分途中出場)、第2節からスタメンで起用され、第2節浦和戦で2得点、第3節清水戦で1得点をあげている。3得点とも利き足ではない左足で決めているのも特徴的だ。

彼の武器は何といっても「スピード」だ。高校時代に50m走5.9秒を記録している。今季の3ゴールは全て、DFの背後のスペースに抜ける形で得点しており、裏に抜ける技術はJリーガーの中で屈指と言っていい。

特に今季初ゴールとなった浦和戦での先制点は、彼の良さが凝縮されている。裏に抜けるタイミング、絶妙なトラップ、シュートの技術、どれもJ1トップクラスと言っていいだろう。

得点シーンではないが、清水戦のPK獲得に繋がるドリブルも秀逸だ(以下の映像の1:21から)。

相手のプレスバックを強靭なフィジカルでなぎ倒してドリブルし、跨ぎフェイントで相手を翻弄し、ファールを誘った。フィジカル(185cm)とスピードと技術を兼ね備えた万能型FWは、森保ジャパンの中でも稀有の存在と言えよう。

日本代表の不動のワントップ、大迫勇也(今回は怪我で招集見送り)とはタイプが異なるが、森保ジャパンの攻撃の幅を広げる意味で、効果的なワンピースと言えるだろう。今後の日本代表での活躍に期待したい。

プロサポーター・著述家・ビジネスコンサルタント

1977年札幌生まれ。2000年アクセンチュア入社。2006年に退社し、ビジネスコンサルタントとして独立して以降、「半年仕事・半年旅人」という独自のライフスタイルを継続。2019年にパパデビューし、「半年仕事・半年育児」のライフスタイルにシフト。南アW杯では出場32カ国を歴訪する「世界一蹴の旅」を完遂し、同名の書籍を出版。2017年にはビジネス書「半年だけ働く。」を上梓。Jリーグでは北海道コンサドーレ札幌のサポーター兼個人スポンサー。2016年以降、サポーターに対するサポート活動で生計を立てているため、「プロサポーター」を自称。カタール現地観戦コミュニティ主宰(詳細は公式サイトURLで)。

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