米国でグレープフルーツ大の雹を観測
16日(土)の昼下がり、東京に9年ぶりの雹が観測されました。直径は8ミリと、グリーンピースほどの大きさだったようです。
当たった人は痛かったと口にしていましたが、ほぼ時を同じくしてアメリカ東部などでは、比べ物にならないほど大きな雹が降っていました。下がその様子ですが、雹が弾丸のように水面を叩きつけています。
雹の大きさ
この日、アメリカにおける雹の報告例は150件にも上りました。
では、どれほど大きな雹が降ってきたというのでしょうか。アメリカ気象局によると、テニスボール大やグレープフルーツ大など、日本人には想像を絶するほど大きな雹が落ちていたようです。
・ミズーリ州デード郡 10センチ(グレープフルーツ大)
・アーカンソー州コロンビア郡 7.5センチ(野球ボール大)
・テキサス州ハーディン郡 7センチ弱(テニスボール大)
雹の原因は、発達した低気圧と寒冷前線によるものでした。雹と同時に、竜巻や強風もあちこちで起きて、家や道路、養鶏場などが被害に遭いました。
(↓アーカンソー州で降った、突起の生えている雹)
雹のスピード
ところで、雹はどれくらいの速度で落ちてくるのでしょうか。
3Dプリンターを用いた実験によると、雹は普通の氷よりもやや遅く落下するようです。とはいえ、たとえば直径が2.5センチ以下の雹でも、時速が40キロに達することもあるそうです。また10センチの雹だと最大で115キロ、10センチ以上だと160キロ以上にも及ぶようです。まるで大谷翔平選手や佐々木朗希選手の投げる球のように、雹は超速球で空から降ってくることもあるのです。
雹の被害
これほど高速で落ちてくる氷の塊ですから、農作物や家屋への被害は甚大ですし、人に当たったらひとたまりもありません。
しかし意外なことに、アメリカにおける雹の死者数は多くありません。2000年以降だとわずか4人とのデータもあります。犠牲者の1人、2000年にテキサス州で亡くなったホセ・オセゲラさんは、臓器提供を行って、人々の命を救いました。
アメリカにおいて、雹による死者が少ない理由の一つは、多くの人が室内で過ごしていることが挙げられます。その反対のインドでは死者数が多く、1888年には一度の雹の嵐で246人が亡くなる大惨事が起きました。
この出来事は、世界最悪の雹被害としてギネスブックに記録されています。