絶望」という名のついたサイクロンが、現地時間26日(水)インド北東部に上陸しました。インドへのサイクロン上陸は、17日(月)に上陸した「タウテ」に続き、今年2度目です。8日で2つのサイクロンがインドに上陸するのは、これが初めてとのことです。

26日(水)正午ごろ、サイクロン「ヤス(Yaas)」がインド北東部のオディシャ州に上陸しました。上陸時の勢力は、サイクロンのカテゴリーで3番目に強い「ベリーシビアで、最大風速は36m/sでした。

なお「ヤス」とは、オマーンの言葉で「絶望を表すようです。

インドのチャンドバリという町では、48時間で393ミリの雨が降りました。オディシャ州や西ベンガル州などでは洪水や土砂崩れが発生して、数万軒の家屋に被害が出ているもようです。また竜巻により死者も出ています。

日本などでスーパームーンの月食が見られたように、26日(水)は満月の日でした。つまり大潮の時期に当たり、いつもより海水面が高くなっていました。まだ被害の全貌は明らかになっていませんが、インド東部そして隣国のバングラデシュの海岸線では洪水や浸食など、大きな被害が出ている可能性があります。

8日で2個めは初

「ヤス」は、今年2つ目のインドに上陸したサイクロンです。先週17日(月)深夜は、インドの北西部グジャラート州に、サイクロン「タウテ」が上陸しました。CNNによると、これまでインドでは、2つのサイクロンが8日のうちに立て続けに上陸したことはないそうです。

なお「タウテ」は、「ヤス」よりも一段階強い「エクストリームリー・シビア」というカテゴリーで上陸しました。これは同州に上陸したサイクロンとしては、1998年のサイクロンと並び、観測史上もっとも強いものとなりました。

グジャラート州に上陸したサイクロン「タウテ」(出典: NASA)
グジャラート州に上陸したサイクロン「タウテ」(出典: NASA)

5月はサイクロンシーズン

5月というのは、一年の中でもっとも北インド洋上でサイクロンが発生しやすい時期に当たります。6月に入ると南西風が卓越して、サイクロンが発生しにくくなります。

昨年の5月20日には、北東部の西ベンガル州にサイクロン「アンパン」が上陸して、95人の死者を出しました。そのうえ130億米ドルもの損失を出し、インド洋北部のサイクロンとしては、観測史上もっとも多額な経済損失を出したサイクロンとしても記録されています。