観測史上初、4月に東部太平洋で「熱帯低気圧」発生

4月24日の海水温の図(NOAA出典)に筆者加筆

現地時間25日(土)メキシコの西の海上に、熱帯低気圧が発生しました。

東部太平洋上で4月に熱帯低気圧が発生するのは、統計開始以来初めてのことです。これまでの最早記録は2017年の5月9日なので、2週間以上も早かったことになります。

25日(土)夜時点の、この熱帯低気圧の中心気圧は1006ヘクトパスカル、最大風速は15m/sです。米国ハリケーンセンターによると、今後やや発達する可能性がありますが、26日(日)には弱まる見込みです。幸い海上で衰退し、どこの陸地にも影響しないようなので、ただ最早記録を作った熱帯低気圧となりそうです。

東部太平洋のハリケーンシーズン

一般に東部太平洋のハリケーンシーズンは5月15日から始まります。今年のようにそれ以前に熱帯低気圧が発生することも稀にありますが、滅多に起こることではありません。それは寒流であるカリフォルニア海流の影響で、海水温が比較的低いためです。

一方で、ハワイ近海の中部太平洋では、東部より早く熱帯低気圧が発生することが多いようです。Accuweatherによると、2016年には1月7日に熱帯低気圧が発生しています。

もっとも活発な西部太平洋

さらに早く台風が発生するのが、日本の天気に影響する西部の海域です。2019年には史上初となる1月1日に台風が発生しました。月により発生頻度に差があるものの、海水温が高い西部の海域では、年がら年中、熱帯低気圧が発生します。

今年は遅い台風シーズン

このように太平洋の中ではもっとも熱帯低気圧の発生が早いはずの西部海域ですが、今年はいまだに一つも発生していません。当然ながら、台風1号もできていない状態です。ちなみに台風とは、最大風速が17m/s以上の熱帯低気圧を指します。

下図は、各年の台風1号の発生月を表しています。1951年の統計開始以来、つまり過去70年間で、4月末日までに台風1号が発生していなかった年は12回あります。5年に1度ほどのペースなので、とりわけ珍しいわけではありませんが、今年は例年に比べ、遅い発生年であることがわかります。

気象庁の台風の統計を参考に筆者作成
気象庁の台風の統計を参考に筆者作成

台風1号発生はいつ?

2020年の台風1号はいつできるのでしょうか。

アメリカやヨーロッパの予報モデルを見ると、今週後半から来週にかけてパラオ周辺で熱帯低気圧が発生し、そのまま発達する予想が出ています。

今年は新型コロナウイルスの流行で、台風の脅威が一段と増すと言っても過言ありません。台風の被害が少ない一年であるよう、心から祈るばかりです。

※一部修正しました。