気温69.8℃に「火災積乱雲」も 山火事のオーストラリア

火災積乱雲の仕組み (出典元: オーストラリア気象局)

東京の幻の最高気温

1923年9月2日、関東大震災の翌日に、東京で幻の最高気温が観測されたことがあります。その気温とは45.2℃で、現在の国内最高気温記録である41.1℃(2018年埼玉県熊谷市)を大きく上回るものでした。ただこれは火災が原因であったため、公式の記録とはなっていません。

オーストラリアで約70℃

同じように先日オーストラリアで、山火事由来のとてつもない高温が観測されました。

ビクトリア州カブラムーラで4日(土)に記録された気温は、なんと69.8℃だったのです。午後4時9分までは32.5℃だったのですが、4時22分には突然50.9℃となって、4時30分には69.8℃まで上昇しました。この時、36m/sという台風並みの暴風も吹いていました。

先の東京と同様、火災が原因なので、最高気温の公式記録とはなりませんが、恐ろしい状況であったことが想像できます。

「火災積雲」の恐怖

ところで、この高温が観測された時、カブラムーラ付近には、「火災積雲」と呼ばれる巨大な雲が出現していました。

一体、「火災積雲」とはどのような雲なのでしょうか。

火災積雲とは、火災や火山活動によって急速に暖められた空気が上昇することで発生する、塔状の雲のことです。大気中の水蒸気や、燃えた植物などから生じる水蒸気が、灰の粉塵に凝結して雲になるのです。

火災積雲の中でも特に発達して、雷や下降気流をもたらすものを「火災積乱雲」と呼ぶことがあります。これは雨をもたらし、火災を和らげることがある一方で、雷や強風をもたらして火災を広げることもある、恐ろしい雲です。

火災積乱雲に飛び込んだ航空機

外観は灰色や茶色に見えますが、中に入ってしまえば、真っ黒のようです。つい先日、メルボルン発キャンベラ行きのカンタス航空が火災積乱雲に遭遇し、乗客がその様子をカメラに収めていました。

乗客によると、初めは灰色がかった雲の中を飛行していたものの、窓の外が赤茶色に変わり、その後突然真っ暗になったといいます。そしてその直後に、大きな揺れが襲ったそうです。パイロットによると、この雲はレーダーにも映っていなかったようですが、幸い無事に着陸し、けが人なども出なかったといいます。