今フランスのニュースは「Canicule(カニキュール)」という言葉であふれています。Caniculeとは、おおいぬ座の「シリウス」を指しますが、この星座が夏の盛りの時期に日の出とともに現れて、日の入りとともに沈むことから、「最も暑い時期」とか「熱波」などの意味も持つようになったようです。

今夏フランスなどヨーロッパは度重なるCaniculeに見舞われています。

6月28日にはフランス南部で46.0℃まで気温が上がって、国内最高気温の記録を更新しましたが、今週も再び、平年の気温を15℃から20℃も上回る過酷な暑さが襲っているのです。

40℃超えのフランス

23日(火)フランス・ブリーヴで42.1℃、ボルドーで41.2℃、コニャックで40.3℃まで気温が上がって、いずれも観測史上最高気温を記録しました。

加えてボルドーでは、23日の最低気温も24.8℃となって、史上最も高い日最低気温を記録しています。

オランダとベルギーでは国内最高気温

一方で、24日(水)にはオランダのギルゼ=レイエンで39.1℃、さらにベルギーのクライネ=ブローゲルでも38.9℃まで気温が上昇し、それぞれ国内史上最高気温となりました。

さらに記録更新か

このようにヨーロッパはすでに酷暑となっていますが、暑さのピークは25日(木)と予想されています。

例えばパリの予想最高気温は42℃と、これまでの記録である1947年の40.4℃を大幅に超える可能性があります。

またイギリスでも前代未聞の暑さとなるおそれがあります。これまでのイギリスの最高気温の記録は2003年に出た38.5℃ですが、南部で39℃まで上がる予想が出ています。

上述した国内最高気温が観測されたばかりのベルギーやオランダでも、さらに記録が更新されるおそれがあるほか、ドイツでも現在の記録である40.3℃を上回る高温となる可能性もあります。

各地の予想最高気温 (データ元はWMO)
各地の予想最高気温 (データ元はWMO)

「オメガブロック」の正体

熱波の原因は何でしょうか。

それは「オメガブロック」と呼ばれる、偏西風の蛇行パターンにあります。

偏西風は西から東に流れるのが普通ですが、北から寒気が南に降りると、その隣では南から暖気が流入することになり、「Ω」型の流れになるのです。このパターンが見られると同じような天候が数日間続き、凸の場所では暖気の影響で気温が高く、空気が乾燥します。

フランスでは今夏気温が高く雨も少ないため、深刻な水不足に陥っており、庭の水やりや洗車が禁止されたり、農業用水も制限されています。再び熱波が襲ったことで、さらに厳しい状況になることは必至です。