「カテゴリー4」サイクロン連続上陸か オーストラリア
サイクロンシーズン真只中のオーストラリアに、現在2つのサイクロンが接近しています。「トレバー」と「ベロニカ」と名付けられた嵐は、カテゴリー4の勢力で、それぞれ今日(23日)と明日(24日)に上陸する見込みです。
気象局によると、カテゴリー4以上のサイクロンが、24時間以内に2つ連続してオーストラリアに上陸したことは、これまでに1度しかないとのことです。
サイクロン・ベロニカ
現地時間23日(土)8時時点のベロニカの中心気圧は944hPa、最大風速は46m/sのカテゴリー4の勢力です。この勢力のままで、24日(日)午前中にも西オーストラリア州北部に上陸するおそれが出ています。
気象局は「破壊的な風」「大規模な洪水」「危険な高潮と海岸線の侵食」に警戒するよう呼びかけています。
サイクロン・トレバー
一方「トレバー」の23日(土)8時の中心気圧は950hPaで、最大風速は49m/sのカテゴリー4の勢力です。23日朝にノーザンテリトリー州に上陸する見込みです。
同州では非常事態宣言が出され、1974年以来最大規模となる避難が行われています。なおこの1974年には、サイクロン「トレーシー」が上陸して、49人の死者が出ました。
トレバーの被害
トレバーはすでに諸所で大雨を降らせ、被害を発生させています。
19日(火)にトレバーの直撃を受けたオーストラリア・クイーンズランド州では、洪水、倒木、停電などが発生しました。
また先週は、トレバーからの湿った空気の影響で、インドネシアで洪水や土砂災害が起きて、100人以上が亡くなるという大惨事が起きています。
サイクロンとは…
サイクロンは台風やハリケーンと同じ熱帯性の低気圧ですが、インド洋や南太平洋で生まれたものを指します。
14日(木)にはサイクロン「イダイ」がモザンビークに上陸しましたが、その死者数は1,000人以上に達するともいわれています。
過去に発生したサイクロンの中には、世界で最も雨を降らせた熱帯低気圧である「ヤサント」(1980年、レユニオン島、6,083mm)や、地上における最大瞬間風速の世界記録(竜巻を除く)をもたらした「オリビア」(1996年、オーストラリア、113.3m/s)などがあります。