今季最強低気圧と「大気の河」で記録的豪雨 カリフォルニア州

GOES-17がとらえた大気の河 (出典元: NOAA)

今月デビューしたばかりのアメリカの気象衛星GOES-17が、さっそく貴重な雲画像を送ってきたようです。

上の写真がその衛星画像です。アメリカ西海岸にとって「今季最強」と言われる大型の低気圧をとらえたものです。くっきり鮮やかに写っています。

この低気圧をさらに広域の画像で見てみると、雲が南西方向へと伸び、ハワイ付近まで繋がっているのがわかります。

大雨の原因「大気の河」

この雲の帯は「大気の河(Atmospheric river)」と呼ばれています。

大気の河とは、熱帯地方から流れ込む長さ数千キロ、幅200~300キロにわたる水蒸気の帯のことです。ハワイのほうから流れ込むので「パイナップル・エクスプレス」という、なんともかわいい別称もあります。

しかしその流れ込む水量は、世界最大の河川であるアマゾン川よりも多いとも言われ、低気圧とともにアメリカやカナダの西海岸に大雨をもたらしては、洪水や土砂崩れの原因となるのです。

雨の被害

この大気の河の影響で、カリフォルニア州などでは12日(火)から大荒れの天気となっています。サンディエゴでは14日(木)、日降水量としては観測史上最大となる256mmの雨が降りました。

大雨が降って道路が突然崩れたり、土砂崩れが起きて複数の家が飲み込まれるなどの被害が出たもようです。

また樹齢250年ともいわれる有名な「一本杉(Lone Cypress)」が倒れ、カリフォルニア発の航空機が乱気流に遭遇して客室乗務員が負傷したと伝えられています。

さらに山では暴風雪となって、シエラネバダ山脈では最大瞬間風速76m/sの暴風が観測されました。強風によりスキー場は一時閉鎖されたそうです。

(↑枝が折れてしまった一本杉)

干ばつは改善へ

一方、この嵐は恵みの雨ももたらし、カリフォルニアで続いていた干ばつ状況は改善したようです。

左上のグラフィックは今年1月、右上は今月の干ばつ状況を表したものです。たった1ヶ月で、オレンジや赤色で示された深刻な干ばつが起きている箇所がほとんどなくなっていることがわかります。

しかしながら多雨で草木や木々の葉が生い茂ると、それが燃える材料となって、夏に山火事の規模が拡大するおそれも高まります。実際、昨夏はカリフォルニア州で焼失面積、死者数共に州史上最悪の山火事シーズンとなりましたが、その一因には、冬の大雨で緑が多かったことが挙げられるのです。