Yahoo!ニュース

2月22日は「猫の日」猫の好きな天気とは?

森さやかNHK WORLD 気象アンカー、気象予報士
(写真:アフロ)

大きな瞳にフワワフの毛並み、しなやかな尻尾に気品ある身のこなしーー。いま、猫の魅力にメロメロになる人が増えています。2017年には初めて猫の推定飼育数が犬を上回ったそうです。

猫は気象予報士?

洋の東西を問わず、猫は天気を予知できる動物だと考えられてきました。その昔、船乗りたちが航海のお供に猫を連れていったことは有名な話です。いつもと違う猫の動作を見て、悪天の到来を知ったのです。

今でもよく耳にすることわざに「猫が顔を洗うと雨」というのがあります。実はこれ、科学的にも証明できることのようです。一説によると、雨雲が近づき湿度が上昇するとヒゲにハリがなくなって、猫がそれを嫌がるために顔をこするのだそうです。

この他に海外では、次のようなことわざがあります。

○ 猫がくしゃみをするとになる

○ 猫がいびきをかくと晴れになる

○ 猫があおむけで寝るとが来る

○ 猫が両前足で頭を抱えて丸まって寝ていたら、よい天気になる

これらのことわざの真偽のほどは定かではありませんが、感覚が敏感な猫は、ほんの少しの天気の変化にもまめに反応するのでしょう。

猫が好き/嫌いな天気

◆ 気温

猫はこたつの中や日なたなど、暖かな場所を好みますが、猫の好きな温度は具体的には何℃なのでしょうか。Petplaceによると、その気温は18℃から22℃くらいのようです。東京だと5月から6月くらいの暖かさです。

◆ 雷

反対に猫が嫌う天気にはがあげられるでしょう。私の猫は、雷の音がするとこたつの中に逃げこみます。

それもそのはず、人は20ヘルツから2万ヘルツの周波数の音しか聞こえないのに対し、猫は6万4千ヘルツまでの広い範囲の音が聞き取れるのだそうです。

じっさい猫は五感の中で聴覚が最も優れているようで、物音に敏感に反応します。人でも怖い雷鳴は、猫にとっては相当なのでしょうね。

猫は人の表情を読む

ただ最終的には、猫が好む天気環境は飼い主次第かもしれません。

アメリカ・オークランド大学が、12匹の猫とその飼い主に行った実験によると、飼い主が笑顔の時は、しかめっ面の時に比べて、猫がよりゴロゴロしたり、飼い主の膝の上に座ったりしたのだそうです。

つまり猫は人の表情を読み取ることができるということなので、多少寒かったり雷が鳴っていても、あなたがニコニコしていたら、猫の気持ちも変わってくるのかもしれませんね。

今日2月22日は猫の日。いつもよりもさらに愛猫を甘やかしたいと思います。

(猫の日を紹介する、東京都のツイッター)

NHK WORLD 気象アンカー、気象予報士

NHK WORLD気象アンカー。南米アルゼンチン・ブエノスアイレスに生まれ、横浜で育つ。2011年より現職。英語で世界の天気を伝える気象予報士。日本気象学会、日本気象予報士会、日本航空機操縦士協会・航空気象委員会会員。著書に新刊『お天気ハンター、異常気象を追う』(文春新書)、『いま、この惑星で起きていること』(岩波ジュニア新書)、『竜巻のふしぎ』『天気のしくみ』(共立出版)がある。

森さやかの最近の記事