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悔しさ知る経験値の報徳か? 勢いに乗る2年生両輪の健大高崎か? センバツ決勝はダブルエースの対決に

森本栄浩毎日放送アナウンサー
報徳は昨春準優勝のダブルエースが活躍し、2年連続の決勝進出を決めた(筆者撮影)

 センバツ決勝は、星稜(石川)に5-4で逆転勝ちした健大高崎(群馬)と、中央学院(千葉)の追い上げを振り切って4-2で勝った報徳学園(兵庫)の顔合わせとなった。

健大の佐藤はアクシデントに耐え、逃げ切る

 健大はエース左腕の佐藤龍月(2年)が、山梨学院との準々決勝で左中指のマメがむけるアクシデント。準決勝はベンチスタートだったが、終盤の2回を抑えきって、春夏通じて初の決勝進出をもたらした。指はまだ完治していないが、状態が悪化していなければ、決勝も先発の可能性が高い。大きくインステップする独特の投法で、左打者は背中側から、右打者は大きく食い込んでくる球筋となり、対応が難しい。4試合で21回を投げ、被安打5の無失点はすごいとしか言いようがない。決勝に向けては「チームを勝たせる投球をしたい」と意欲満々だった。

健大の4番・箱山は完全復調

 右腕の石垣元気(2年)は星稜戦で先発して7回4失点(自責3)だったが、青柳博文監督(51)は「打たれたが試合はつくれた」と合格点を与えた。星稜戦はリードしている場面で佐藤の投入を考えていたと言い、思惑通りの展開だった。佐藤の指の状態次第では、準決勝と同じ起用法も考えられる。打線は、2月に腰を痛めた4番の箱山遥人(3年=主将)が2試合連続3安打と完全復調し、上位打線が当たっている。俊足の四宮晃(3年)は、代走3回で3得点していて、切り札として終盤の登場も予想される。

昨春の悔しさ知る報徳の間木と今朝丸

 対する報徳は、昨春センバツ準優勝を経験している間木歩(3年・主将=タイトル写真)と今朝丸裕喜(3年)が大きく成長し、2年連続決勝進出に貢献した。昨年は決勝で涙をのんでいて、その悔しさを知っているだけに、2年続けてファイナルで負けるわけにはいかない。中央学院戦は間木の完投も期待されたが、一打同点のピンチを招き、大角健二監督(43)が「最後は勝負に徹した」と、今朝丸を抑えで投入した。今朝丸は気迫の投球で猛追を振り切って逃げ切りに成功。決勝も両者を軸にした投手起用が濃厚だ。

報徳は捕手のブロッキング抜群

 大ヤマとなった大阪桐蔭との準々決勝で完投勝ちした今朝丸は、角度のある最速151キロの直球が威力抜群で、大阪桐蔭に力勝負を挑んで抑え込んだ。準決勝ではわずか2球ながら全力投球していて、微妙に影響することも考えられるが、状態はすこぶるいい。連投になっても、本来の力が出るだろう。捕手の徳田拓朗(3年)はブロッキングも肩も抜群で、大角監督は「パスボールしないので、思い切り腕を振って変化球を投げられる」と全幅の信頼を置く。健大の機動力を封じて相手の勢いをそぎたい。

両校に疲れか、球際でもたつく場面も

 報徳も4番が当たっている。齋藤佑征(3年)は4試合すべてで複数安打していて、上位打線の状態は互角。またお互いの守備も堅実で、特に報徳の二遊間の守備力が際立つ。ただ準決勝では両校とも球際でややもたつく場面があった。疲れもあるだろうが、集中力を切らさないことが肝心だ。

健大は昨春、報徳に負けて初の初戦敗退

 両校は昨春、初戦で当たって報徳が勝っている。健大にとって初の甲子園初戦敗退で、青柳監督も「非常に悔しかった」とリベンジの思いは強い。健大にとっては前年の雪辱、報徳は準優勝に終わった決勝での雪辱を懸けた対戦となる。健大の2年生の勢いが上回るか、報徳の上級生の意地が野望を打ち砕くか、センバツ100年、甲子園100年にふさわしい決勝になるだろう。

毎日放送アナウンサー

昭和36年10月4日、滋賀県生まれ。関西学院大卒。昭和60年毎日放送入社。昭和61年のセンバツ高校野球「池田-福岡大大濠」戦のラジオで甲子園実況デビュー。初めての決勝実況は平成6年のセンバツ、智弁和歌山の初優勝。野球のほかに、アメフト、バレーボール、ラグビー、駅伝、柔道などを実況。プロレスでは、三沢光晴、橋本真也(いずれも故人)の実況をしたことが自慢。全国ネットの長寿番組「皇室アルバム」のナレーションを2015年3月まで17年半にわたって担当した。

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