それでも無くならないLINE詐欺 ー予想される今後の手口とその対策ー

LINE詐欺がまったく減らないそうである。あれだけ様々なメディア、特にネット上のSNSやブログを始め、掲示板上で話題になり、さらにテレビや新聞、雑誌上でも取り上げているにも関わらずである。しかし、よく考えてみれば減らない事も納得がいく点もある。同様な件が振り込み詐欺(母さん助けて詐欺)である。様々なメディアだけでなく、警察、自治体、さらにその現場を担っている銀行、郵便局、宅配業者等が一丸となってキャンペーンを張っているにもかかわらず被害は減っていない。

SNS(ソーシャルネットワークサービス)であるLINEのアカウントやパスワードが乗っ取られ、本人のふりをして、コンビニ等で電子マネーのプリペイドカードの購入を依頼し、そのカードに記載された番号をLINEで送ってもらう事によって、不正にその電子マネーを利用してだまし取る手口が多発しました。

このようなLINE詐欺が問題となり公になってから数ヶ月が経ちます。にもかかわらず被害が無くなったわけではありません。なぜでしょうか。いくつかの原因があります。まず第一は詐欺の件数が増えたという事です。ネットでの詐欺は容易に行う事が可能なのです。犯罪者達は容易に利益が得られるとするとその詐欺に群がってきます。従来の振り込め詐欺(母さん助けて詐欺)が警察や金融機関の注意喚起や取り締まりの結果、行う事が難しくなり、このようなネットを利用した詐欺に移って来ているという話も聞かれます。第二の原因はSNSの特徴に起因します。SNSは不特定多数とのコミュニケーション(通話やメッセージ通信)ではなく、比較的信頼性のある仲間内での付き合いに基づいています。この結果、SNSではすぐに信用してしまう傾向にあるのです。少なくとも警戒感が薄く、メール等に比べて騙され易いのです。特に最近は家族内でLINEによるコミュニケーションが盛んであり、高齢者の方々の子どもやその孫たちとの交流に使われています。振り込め詐欺同様、高齢者が格好の餌食になる可能性もあるのです。

現在の電子マネーを搾取するタイプのLINE詐欺は運営側のセキュリティ強化や注意喚起が功を奏して、やがて減少していく事になるでしょう。しかしSNSを利用した詐欺はますます増えていくことは確実です。今までのネットでの詐欺は不特定多数に向けての、有りもしない「儲け話」や架空請求等の課金詐欺で、混乱して冷静さを失い、判断力を失った状態に付け込んだものでした。SNSを利用した詐欺はそれに加えて、信用や信頼を利用するものです。日頃、SNSで話している人からのメッセージは容易に信用してしまうのです。

「最近ではタレントの黒柳徹子さんになりすましたアカウントから、≪10万円を振り込めば『徹子の部屋』に出演できます≫とメッセージが送られてくる詐欺もあると聞いています。今後、LINEを舞台にさまざまな種類の詐欺が増えていく可能性が考えられます。少しでも怪しいメッセージが届いたら、まずは疑ってみてください」

出典:週刊朝日: 「10万円で『徹子の部屋』に出演」まで… LINE詐欺が横行

すでに「テレビに出演することができる」といった内容で金品を騙し取る手口が報告されています。特定の業種や業界の人のSNSアカウントを盗んだり、あるいは詐称して、便宜を図るという手口は十分に予想できます。また金品を直接要求されるのではなく、URL(ウェッブのアドレス)を指定されて、それを見るように促され、マルウェア(コンピュータウイルス)に感染し、間接的に個人情報を盗まれたり、場合のよってはネットバンクの不正送金の被害に遭う手口も考えられます。

ネットを利用した詐欺の手口は今後も洗練され、多種多様になりますが、手口の原理は次の2つに集約されます。一つは平常とは異なる状態を作り、あるいは提示し、冷静さを失わせ判断力を鈍らせること。そして二つ目は信用させることなのです。

一般的な対策はこの否定、つまり常に冷静に判断する事と無条件に相手を信用しないことです。相手の顔が見えないネットでは、どのような状態であれ、過度な信用は禁物で、残念な事ですが、疑ってみることは大きな対策になります。