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台風14号 巨大な予報円と3つの予測

三ヶ尻知子気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風進路予報 ウェザーマップ

5日9時、台風14号が日本の南の海上で発生、ゆっくり(時速9キロ以下)と北上中です。海水温の高い海域を通るため、強い勢力にまで発達する見込みです。ところで、今回の台風の特徴は、予報円が大きいことです。タイトルの図を見て分かるように、予報円が日が経つに連れて大きくなり、10日の段階では1000キロ以上の巨大な予報円になっています。

予報円の大きさは何を示しているのか

よく、予報円が大きいと、台風が大きくなると勘違いしている方がいるのですが、そうではありません。予報円の大きさは、速度と場所の予測の幅を示していて、予報円が大きいほど、何処に行くか?何時にどこか?特定できないことを示しています。また、予報円に入る確率は70%なので、現段階では、いつ、何処に行くのか予測が難しい状況です。長期的に見れば予報の精度は向上していますが、5日先の予報に関しては、まだ、平均で400キロ位の誤差があります(下の図を参照)。400キロというと、近畿地方から関東地方までの距離なので、影響がかなり違ってきます。今の段階では8日から9日に沖縄近海を通過し、10日は東日本から西日本に接近する予想になっているとしか言えません。

気象庁HPより 台風進路予報誤差
気象庁HPより 台風進路予報誤差

ただ、日が経つにつれて予報円の大きさも小さくなり、方向、時間が定まってくるので、こまめに最新情報をチェックするようにしてください。

最新の台風進路図→https://www.jma.go.jp/jp/typh/

ちなみにアメリカ、韓国の予測と比べると…

米軍合同台風警報センターの予測↓

米軍合同台風警報センターHPより
米軍合同台風警報センターHPより

韓国の気象庁の予測↓

KMA韓国の気象庁HPより
KMA韓国の気象庁HPより

日本とアメリカ、韓国、3つの予測はバラバラですが、週末、日本に何らかの影響を及ぼしてくることは間違い無さそうです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

1996年に気象予報士の資格取得。大分県出身。日本テレビ、NHKを経て、現在は、TBSテレビ気象キャスター。南国から雪国まで住んだ経験を活かし、主婦目線、母目線で天気を解説。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など

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