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主な新興国/米国経済ニュース(24日)

増谷栄一The US-Euro Economic File代表

シティグループ、住宅ローン子会社ワンメインをスプリングリーフに売却か

米金融大手シティグループ<C>は傘下のサブプライム住宅ローン(信用度の低い顧客への融資)会社ワンメイン・ファイナンシャルを40億ドル(約4800億円)超で同業大手のスプリングリーフ<LEAF>に売却することで基本的に合意したもようだ。米経済情報専門サイトのマーケットウォッチなどが先週末に関係筋の話として伝えた。

売買契約の詳細部分については協議が残されており、今後2週間以内に最終合意すると見られている。シティグループはこれまでワンメイン・ファイナンシャルを新規株式公開(IPO)して独立させるか、または売却するかを検討するとしていた。スプリングリーフはプライベートエクイティ(PE)ファンドのフォートレス・インベストメントグループの傘下にあり、数年前からワンメインの買収に関心を寄せていた。

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米ウォルトディズニー、米国内のテーマパーク料金を3-6.5%値上げ

米娯楽・エンターテインメント大手ウォルトディズニー<DIS>は22日から傘下の「ディズニーランド」や「ウォルト・ディズニー・ワールド」など全米のテーマパークの入場料金を3-6.5%値上げした。米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)などが伝えた。

カリフォルニア州アナハイムにあるディズニーランドやカリフォルニア・アドベンチャーの1日券は10歳以上の場合、一人96ドル(約1万1400円)から99ドル(約1万1800円)へ約3%値上げしたほか、フロリダ州レイク・ブエナビスタにあるウォルト・ディズニー・ワールド内のマジック・キングダムの1日券も一人99ドルから105ドル(約1万2500円)へ6%値上げしている。

また、3-9歳の子供料金もディズニーランドは一人90ドル(約1万0700円)から93ドル(約1万1100円)へ3.3%、マジック・キングダムも93ドルから99ドルへ6.5%、それ以外のテーマパークでも88ドル(約1万0500円)から91ドル(約1万0800円)へ3.4%それぞれ値上げした。

同社が2月23日に発表した2014年10-12月期(第1四半期)決算では、テーマパーク部門の売り上げは前年比9%増の39億ドル(約4600億円)と強い伸びが続いている。

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米政府、数日中に対露追加制裁決定へ―ロシアのウクライナ停戦合意違反で

米国とEU(欧州連合)は、ロシアとウクライナの両国政府は独仏の仲介で12日にウクライナ東部での政府軍と親ロシア派反政府武装グループとの戦闘停止で合意したにもかかわらず、依然として戦闘が続いている事態を重く見て、数日中により厳しい追加制裁の導入を決定する構えだ。モスクワ・タイムズ(電子版)などが22日に伝えた。

これは訪英中のジョン・ケリー米国務長官が21日にロンドンで、フィリップ・ハモンド外相との会談後に開かれた会見で明らかにしたもので、同長官は、「欧州の同盟国との会談では、どんな追加制裁がいつ実施されるべきか議論してきた」とした上で、「バラク・オバマ大統領が今後数日以内にウクライナ東部の戦闘を終わらせるため、新たな措置を講じる。その中にはウクライナ政府軍への軍事支援や停戦合意を無視したロシアに対する追加制裁が含まれる」と述べている。

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ブラジル中銀週報:15年GDP伸び率見通し、マイナスへ下方修正―8週連続

ブラジル中央銀行が23日に発表した先週の経済週報「フォーカス・ブルティン」によると、同中銀の委託を受けた民間アナリストが予想した2015年実質GDP(国内総生産)伸び率見通しは、前週予想の対前年比伸び率0.42%減から0.5%減へ下方修正された。下方修正は8週連続。1カ月前の予想は0.13%増だった。一方、2016年のGDP伸び率見通しは前週予想の同1.5%増のまま据え置かれた。据え置きは3週連続。1カ月前の予想は1.54%増だった。

また、IPCA(拡大消費者物価指数)で見たインフレ見通しは、2015年は前週予想の前年比7.27%上昇から7.33%上昇へ下方修正(悪化)された。下方修正は8週連続。1カ月前の予想は6.99%上昇だった。2016年の見通しは前週予想の5.6%上昇のまま据え置かれた。据え置きは4週連続。1カ月前の予想も5.6%上昇だった。

一方、2015年末時点の政策金利の見通しは前週予想の12.75%のまま据え置かれた。1カ月前の予想は12.5%だった。2016年末時点の見通しも11.5%のまま据え置かれた。据え置きは8週連続。1カ月前の予想も11.5%だった。3月3-4日の次回金融政策決定会合時点での政策金利の見通しも12.75%のまま据え置かれた。1カ月前の予想は12.5%だった。

為替レートの見通しは、2015年末時点の対ドルレートは前週予想の2.9レアルのまま据え置かれた。1カ月前の予想は2.8レアルだった。2016年末時点の対ドルレートも2.93レアルから3レアルへ引き上げられた。1カ月前の予想は2.9レアルだった。(了)

The US-Euro Economic File代表

英字紙ジャパン・タイムズや日経新聞、米経済通信社ブリッジニュース、米ダウ・ジョーンズ、AFX通信社、トムソン・ファイナンシャル(現在のトムソン・ロイター)など日米のメディアで経済報道に従事。NYやワシントン、ロンドンに駐在し、日米欧の経済ニュースをカバー。毎日新聞の週刊誌「エコノミスト」に23年3月まで15年間執筆、現在は金融情報サイト「ウエルスアドバイザー」(旧モーニングスター)で執筆中。著書は「昭和小史・北炭夕張炭鉱の悲劇」(彩流社)や「アメリカ社会を動かすマネー:9つの論考」(三和書籍)など。

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