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主な新興国/米国経済ニュース(17日)

増谷栄一The US-Euro Economic File代表

米アクティビストファンド、米マクドナルドの会長ら役員の一新を要求

米ファストフード大手マクドナルド<MCD>の主要株主が先週末、同社の取締役会に書簡を送り、最近の業績不振を理由に、アンドリュー・マッケンナ会長を含む経営陣の大幅刷新を要求したもようだ。米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルが先週末に伝えた。

経営陣の刷新を求めたのは、マクドナルドの株式0.2%を保有している米アクティビストファンドのCtWインベストメント・グループで、書簡で、「取締役会のメンバーの大幅刷新が必要だ」と要求している。

同社は若い世代を中心に消費者離れが進み、10年ぶりの売り上げ不振に陥っている。1月23日に発表した2014年10-12月期(第4四半期)決算では、全世界の売上高が前年比7%減の65億7000万ドル(約7750億円)と、アナリスト予想の66億9000万ドル(約7900億円)を下回った。また、経営の健全度を示す全世界の既存店ベースの売上高も前年比0.9%減、また、米国の売上高も同1.7%減と、いずれも前年を下回っている。

こうした中、同社は同月28日に、ドン・トンプソン社長兼CEO(最高経営責任者)が3月1日付で退任、その後任として、スティーブ・イースターブルックCBO (最高ブランド責任者)が就任することや、ピート・ベンセンCFO(最高財務責任者)を新設のCAO(最高総務責任者)とし、ケビン・オーザン経理部長を新CFOに起用することも決めている。

マクドナルドの現在の役員数は14人で、マッケンナ会長は1991年に取締役となり、2004年に非取締役の会長に就任している。

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仏ソシエテ・ジェネラル、ロシア事業の従業員1500人削減へ

仏ソシエテ・ジェネラル銀行は、ロシア経済が急速に悪化していることから、年内に傘下のロスバンクなどロシアの金融子会社3社の従業員を1500人削減する方針だ。ロシアのプライム通信(電子版)などが15日に伝えた。

これはソシエテ・ジェネラルのセベリン・カバンヌ副CEO(最高経営責任者)が先週末、米経済通信社ブルームバーグのテレビ番組で明らかにしたもの。同氏は、「ロシア経済は今年3%減のマイナス成長となる見通しで、インフレ率も1月は15%上昇と、高インフレの状況となっていることから(ロシア事業で)不良債権が急増し、利益が減少すると予想している」と述べている。

ソシエテ・ジェネラルは現在、ロシアではロスバンクのほか、住宅ローン専門のデルタ・クレジットや自動車ローン専門のルスファイナンスを傘下に置いているが、2014年10-12月期決算でこれらのロシア子会社は合計で1100万ユーロ(約15億円)の赤字を計上している。ロシア事業部門の従業員数は現在2万0500人で、その大半はロスバンクの従業員となっている。今回のロシアでの人員削減は昨年に続いて2回目となり、昨年もほぼ同数の約1500人が解雇されている。

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インドネシア中銀総裁、今年もルピア相場の下落続くとの見方示す

インドネシア中央銀行のアグス・マルトワルドヨ総裁は先週末、自国通貨ルピア相場の今後の見通しについて、「米FRB(連邦準備制度理事会)が金融引き締め政策に転換した場合、インドネシアから資金流出が拡大し、その結果、ルピア相場が大幅に下落する可能性が高い」とし、その上で、「ルピア相場は今年も下落し続ける」と見ていることを明らかにした。ジャカルタ・グローブ(電子版)が16日に伝えた。

また、同総裁は、「ルピア相場は国内要因から大きな影響は受けない。むしろ、外部要因による影響が大きく、特に米国経済が堅調になってきていることから(インドネシアなど)新興国への投資が減少する可能性が高い」とも述べている。先週末時点のルピア相場は、1ドル=1万2769ルピアと、年初来ですでに2.67%も下落しているが、同総裁は具体的なルピア相場の予想レンジは明らかにしなかった。

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ベトナムの2014年オンラインショッピング、売り上げ規模3600億円に

ベトナム産業貿易省の電子商取引IT庁(VECITA)は、2014年の国内のオンラインショッピングの売り上げ規模が30億ドル(約3600億円)となったことを明らかにした。ベトナムの声・ハノイ放送局(電子版)が15日に伝えた。

この売上規模は同国の小売り売上高全体の2%に相当する。オンラインショッピングでの売れ行きランキングで上位を占めた商品はIT(情報技術)や電子機器関連の商品で、他にファッション、化粧品、家庭用品、書籍、文房具となった。また、売り上げの大半はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やフォーラムなどユーザー同士のコミュニケーションサイトを通じて購入されたとしている。(了)

The US-Euro Economic File代表

英字紙ジャパン・タイムズや日経新聞、米経済通信社ブリッジニュース、米ダウ・ジョーンズ、AFX通信社、トムソン・ファイナンシャル(現在のトムソン・ロイター)など日米のメディアで経済報道に従事。NYやワシントン、ロンドンに駐在し、日米欧の経済ニュースをカバー。毎日新聞の週刊誌「エコノミスト」に23年3月まで15年間執筆、現在は金融情報サイト「ウエルスアドバイザー」(旧モーニングスター)で執筆中。著書は「昭和小史・北炭夕張炭鉱の悲劇」(彩流社)や「アメリカ社会を動かすマネー:9つの論考」(三和書籍)など。

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