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主な新興国/米国経済ニュース(30日)

増谷栄一The US-Euro Economic File代表

ベトナムの2014年GDP伸び率、5.98%増に伸び加速

ベトナム統計局(GSO)のグエン・ビチ・ラム局長は27日の会見で、同国の2014年GDP(国内総生産)伸び率が5.98%増となったことを明らかにした。ベトナムの声・ハノイ放送局(電子版)などが伝えた。

同局長はこの結果について、「2012年の前年比5.25%増や2013年の同5.42%増を上回っており明るさが見えてきた」とした上で、「マクロ経済の成長は安定しており、インフレも健全な水準に抑制され、生産も堅調となっている」と述べている。

2014年の鉱工業生産指数は前年比7.6%上昇となり、2013年の同5.9%上昇を上回った。一方、12月のCPI(消費者物価指数)は前年比4.09%上昇、前月比0.15%上昇となり、過去10年間でも低水準にあるとしている。2014年の外国からの対内直接投資額(FDI)も、前年比24.5%増の1580件、金額ベースで同9.6%増の156億4000万ドル(約1.9兆円)と好調を維持している。

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ロシア財務相、2015年もルーブル安阻止で市場介入の方針示す

ロシアのアントン・シルアノフ財務相は先週末の会見で、2015年も引き続きルーブル安阻止のため、ドル売り・ルーブル買いの市場介入を実施する方針を明らかにした。ロシアのプライム通信(電子版)が伝えた。

同省ではすでに2014年だけで10億ドル(約1200億円)の市場介入を実施してきているが、同相は、「ルーブル安阻止の市場介入が必要な状況になれば、中銀と協力して市場介入する」と述べている。財務省では市場介入資金として30億ドル(約3600億円)を銀行に預金として準備しているという。

また、同相は、「来年初めには、ルーブルは強くなる傾向を持つ。ルーブルが下落すると話す理由がない。そうなるようなマクロ経済の要因はない」とし、ルーブル高を予想している。

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米ヤフー、ウェアラブル端末のアプリ事業強化へ―独自の端末開発否定せず

米インターネット大手ヤフー<YHOO>は、今後、急成長が期待されている腕時計やメガネなどのウェアラブルコンピューター端末向けのアプリケーション分野に事業の重点をシフトして行きたい考えだ。英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)が28日に伝えた。

同社のアダム・カーハン上級副社長(モバイル担当)は、「米IT大手アップル<AAPL>の腕時計型端末「アップル・ウォッチ」のようなウェアラブル端末向けのアプリケーションは来年、同社にとって、業績拡大の大きなチャンスとなる」と指摘する。また、同氏は、「我々はウェアラブル端末向けのプラットフォームは既存のデバイスの5倍も売り上げ拡大が期待できる」という。

これまでもヤフーはアップル・ウォッチ向けニュース記事要約アプリ「ヤフー・ニュース・ダイジェスト」を提供してきており、同氏は、他のアプリの提供の可能性もあるという。しかし、同氏はヤフー独自でウェアラブル端末の開発に乗り出す可能性については否定していない。

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タイ中銀、来年のGDP伸び率見通しを4%増へ下方修正―輸出不振で

タイ中銀は先週末、同国の来年のGDP(国内総生産)伸び率の見通しを従来予想の4.8%増から4%増へ、また、今年のGDP伸び率についても1.5%増から0.8%増へ下方修正したことを明らかにした。地元紙バンコク・ポスト(電子版)などが伝えた。

この中銀の新しい経済見通しはアナリスト予想とほぼ一致しており、アナリストは中銀による成長率見通しの下方修正は、GDPの約7割を占める輸出が低迷したのが最大の要因と指摘している。中銀は世界経済の回復の遅れで、今年の輸出の伸びも従来予想の前年比横ばいから5%減、来年も4%増からわずか1%増へ下方修正している。

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ブラジル中銀週報:2014年GDP伸び率見通しを上方修正

ブラジル中央銀行が22日に発表した先週の経済週報「フォーカス・ブルティン」によると、同中銀の委託を受けた民間アナリストが予想した2014年実質GDP(国内総生産)伸び率見通しは、前週予想の前年比0.13%増から0.14%増へ上方修正された。1カ月前の予想は0.19%増だった。一方、2015年のGDP伸び率見通しは前週予想の同0.55%増のまま据え置かれた。1カ月前の予想は0.77%増だった。

また、IPCA(拡大消費者物価指数)で見たインフレ見通しは、2014年は前週予想の前年比6.38%上昇のまま据え置かれた。据え置きは3週連続。1カ月前の予想は6.43%上昇だった。2015年の見通しは前週予想の6.54%上昇から6.53%上昇へ上方修正(改善)された。1カ月前の予想は6.49%上昇だった。

一方、2015年末時点の政策金利の見通しは前週予想の12.5%のまま据え置かれた。据え置きは3週連続。1カ月前の予想は12%だった。また、来年1月20-21日の次回の金融政策決定会合時の政策金利の見通しは前週予想の12.25%のまま据え置かれた。据え置きは2週連続。1カ月前の予想は11.75%だった。

為替レートの見通しは、2014年末時点のレアルの対ドルレート(中央値)は、前週予想の1ドル=2.65レアルのまま据え置かれた。2015年末時点の対ドルレートも前週予想の2.75レアルから2.8レアルへ引き上げられた。引き上げは9週連続。(了)

The US-Euro Economic File代表

英字紙ジャパン・タイムズや日経新聞、米経済通信社ブリッジニュース、米ダウ・ジョーンズ、AFX通信社、トムソン・ファイナンシャル(現在のトムソン・ロイター)など日米のメディアで経済報道に従事。NYやワシントン、ロンドンに駐在し、日米欧の経済ニュースをカバー。毎日新聞の週刊誌「エコノミスト」に23年3月まで15年間執筆、現在は金融情報サイト「ウエルスアドバイザー」(旧モーニングスター)で執筆中。著書は「昭和小史・北炭夕張炭鉱の悲劇」(彩流社)や「アメリカ社会を動かすマネー:9つの論考」(三和書籍)など。

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