主な新興国/米国経済ニュース(29日)

米グーグルとマイクロソフト、マリオットのマイ・ファイ禁止要請に反対表明

米ホテルチェーン大手マリオット・インターナショナル<MAR>と業界団体が米連邦通信委員会(FCC)に対し、宿泊客がホテルの無線LAN「Wi-Fi(ワイファイ)」ネットワークを使わずに、スマートフォンなどのマイ・ファイデバイス(個人用ホットスポット)を使ってPCをインターネットに接続するのを禁止するよう要請している問題で、米インターネット検索大手グーグル<GOOGL>とソフト世界最大手マイクロソフト<MSFT>、さらにはワイファイ関連業界までも巻き込んで反対運動が強まってきている。米経済専門オンラインメディア、CNNマネーが25日に伝えた。

この背景には、宿泊客が高額なホテル独自のワイファイネットワーク利用を避けるため、スマートフォンなどのマイ・ファイデバイスを経由してPCを契約先のインターネット・サービス・プロバイダーにつなぐ傾向がある。マリオットのインターネット利用料金は1日14.95ドル(約1800円)、ビデオ会議が可能な高速インターネットを利用すると19.95ドル(約2400円)にもなる。マリオットでは他の顧客のクレジットカード情報など個人情報が盗まれる可能性や、ホテル独自のワイファイネットワークも悪影響を受けデータ伝送速度が落ちるなどの可能性もあると指摘する。

しかし、マイクロソフトはFCCに提出した文書で、「マリオットの要請は携帯電話会社にホットスポット費用を支払っている顧客に対し、ホテルのインターネット接続料金の支払いを強制するのと変わりはない」と強く批判。グーグルも「個人用ワイファイホットスポットへの接続を禁止するのは公共の利益の侵害に当たる」として反対している。これに呼応して、ワイファイ関連業界もFCCに対し、マリオットの主張を認めないよう要請を開始している。

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ロシア財務相、ルーブル危機の終息を宣言―今後は景気・インフレが課題

ロシアのアントン・シルアノフ財務相は25日、下院議会で、今月中旬のルーブルの急落による通貨危機に関し、「為替相場の安定を目指して主要政策金利は(17%へ)大幅に引き上げられ、ルーブル相場は強くなってきた。通貨危機の時期は終わったと考えている」述べ、ルーブル危機の終息を宣言した。モスクワ・タイムズ(電子版)などが伝えた。

ルーブルは今月中旬、ドルに対し年初来で50%も急落したが、その後の政府・中銀によるさまざまな為替相場の安定策や原油価格の下落緩和も寄与して、25日は1ドル=52.9ルーブルと、1%のルーブル高となり、先週は25日まででルーブルは5日続伸し、15%高となった。ただ、先週末のルーブルはロシア経済への懸念が強まり、午後の取引で一時4%安の1ドル=54ルーブルとなっている。

中銀は25日、これまで通貨危機に直面して外貨準備を使ったルーブル買い・ドル売りの市場介入を実施してきたため、外貨準備高が2009年8月以来5年ぶりに4000億ドル(約48兆円)の水準を割り込んだことを明らかにしている。

一方、ロシア政府は今後のロシア経済にとっての最大の問題は高インフレだと見ている。アンドレイ・ベロウソフ大統領補佐官(経済担当)は25日、インフレ率は2014年末までに、2008-2009年の世界的な金融危機が起きた当時の心理的に重要な10%の水準を超え、約11%に達する可能性がある、と警告している。

また、米信用格付け大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は先週、ロシアのソブリン債格付けを今後90日以内に投資適格級を下回る格付けへ引き下げる見込みが5分5分であることを明らかにしている。米信用格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスもロシア経済は原油価格とルーブルの下落で、2015年には5.5%減、2016年も3%減のリセッションになると警告しており、景気懸念が強まっている。

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22-26日のロシアRTS指数、5週ぶり反発―ルーブル回復で

前週(22-26日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)26日終値が前週比7.9%高の828.57と、5週ぶりに大反発し、ようやく2009年3月1日の689.63以来4年9カ月ぶりの安値水準を脱した。

週明けの22日は、中旬のロシア通貨ルーブルの記録的な急落から政府・中銀の大幅利上げを含めたさまざまな通貨安定策、さらには納税時期を迎えて銀行のルーブルの流動性に対する需要が増えたことが寄与して、ルーブルがドルやユーロに対し反発し、原油相場も落ち着いたことで、RTS指数は5.59%高の811.03と、大反発し800ポイント台を回復した。

翌23日は手掛かり材料難で反落したが、24-25日は米信用格付け大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がロシアのソブリン債の格付け見通しを引き下げ方向で見直すことになる「ネガティブ」アウトルックとしたほか、原油価格も軟調となったが、ウクライナ情勢の改善やルーブルの上昇で銀行株が大幅高となり、RTS指数は2日続伸となった。

しかし、週末の26日はルーブルが反落し、5営業日連続の上昇が止まったことやソブリン債の格下げ懸念で、RTS指数は1.84%安と、反落した。

今週(29-30日)のロシア市場は、クリスマス前から商いが細っていることから大きな動きはなさそう。新年1月5日からの株式相場は再び原油とルーブルの相場に左右される展開が予想され、アナリストは、RTS指数は750-850ポイントのレンジで推移すると見ている。

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前週のインド株は反落―外国人投資家の売り越しで=BRICs市況

前週(22-26日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の26日終値は、前日比0.1%高の2万7241.78となったが、週間ベースでは19日終値比130ポイント(0.47%)安と、反落した。ロシアの通貨危機や原油価格の下落で新興国へのリスク投資意欲が減退したことから、インド株への外国人投資家の売買も週間ベースで354億8470万ルピー(約670億円)の売り越しとなっている。

週明けの22日のSENSEXは、景気改善期待で1.2%高の2万7701.79と、2週間ぶりの高値となった。アルン・ジャイトリー財務相が19日に、複雑な州ごとの税制を1本化する物品サービス税法案を議会に提出したが、国立応用経済研究所は同法案によってGDP(国内総生産)が最大1.7%押し上げられるとの予測が好感された。しかし、翌23日は12月のSENSEX先物・オプション取引のSQ(特別清算指数)算出を24日に控えた利益確定売りに加え、保険業界への外資出資の上限引き上げ法案など政府の経済関連の重要法案が審議未了で年を越すことになったのが嫌気され、SENSEXは4営業日ぶりに反落した。

24日も外国人投資家の売り越しが22日までの10営業日で10億4000万ドル(約1250億円)に達したことが嫌気され、SENSEXは1.1%安と、1週間ぶりの大幅下落となり、2日続落した。25日はクリスマスのため休場だった。週末の26日は、SENSEXは0.1%高と反発したが、月間ベースでは5.1%安となっており、このままでは2013年2月以来1年10カ月ぶりの大幅下落となる。

今週(12月29日-1月2日)のインド市場は引き続き原油価格や外国からの資本流入に左右されそうだ。市場に影響を与えそうなイベントではナレンドラ・モディ首相の26-27日の銀行界との懇談の結果、主な統計発表では12月HSBC製造業PMI(購買担当者景気指数、1月2日)などがある。 

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前週のブラジル株は2週続伸―原油高で石油株堅調=BRICs市況

前週(22-26日)のブラジル株式市場は、26日のボベスパ指数が前日比1.5%安の5万0144.63となり、週間ベースでも19日終値から1%高と、2週続伸となった。

週明けの22-23日は、ブラジル中央銀行が発表した経済週報「フォーカス・ブルティン」で、国内経済成長率の予想が下方修正されたことで、軟調となる場面が見られたが、原油価格の上昇で国営石油大手ペトロブラスが油・ガス田開発投資に明るい兆しが見えてきたとして3営業日続伸となり、それに連れてボベスパ指数も続伸した。24-25日はクリスマスで休場となった。

取引が再開された週末の26日は米信用格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスが23日にペトロブラスの外貨建てと自国通貨建ての債務格付け(現在は「Baa2」)を引き下げ方向で見直すと発表したのが嫌気され、ペトロブラスが4営業日ぶりに反落したのに伴い、ボベスパ指数も1.5%安と、反落した。ムーディーズはペトロブラスが決算発表の公表を遅らせたほか、資金調達が今後困難になる可能性があるとした。

今週(12月29日-1月2日)の株式市場は、引き続き原油相場に敏感に反応する展開となりそうだ。市場に影響を与えそうな主な経済指標や行事は、11月財政収支(29日)や12月HSBC製造業PMI(購買担当者景気指数、1月2日)など。12月31日と1月1日は休場。

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米テスラ、3年ぶりに「ロードスター」の生産再開へ―長距離走行可能に

米電気自動車専業のテスラ・モーターズ<TSLA>は3年ぶりに2人乗りスポーツカー「ロードスター」の最新モデルを市場に投入する計画だ。米経済専門テレビ局フォックス・ビジネス(電子版)などが26日に伝えた。

これは同社のイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)が自身のツイートで明らかにしたもの。新型ロードスターは高性能の電池を搭載し、1回の充電での走行可能距離を従来モデルの約245マイル(約390キロ)から400マイル(約640キロ)へ60%以上も長距離運転が可能になるとしている。ロードスターは2008年から生産を開始したが、2012年1月に生産を中止した。2012年1月までにわずか2500台しか販売されていない。

同社は2015年の早い時期に、新型モデルをサンフランシスコからロサンゼルスまで走行するデモストレーションを公開する予定だ。

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マレーシアO&M大手テクニック・ジャナクアサ、ベトナム石炭火発で契約

マレーシア電力最大手マラコフ・コーポレーション傘下のO&M(保守・管理・監視サービス)大手テクニック・ジャナクアサは、ベトナム南部チャビン省のズエンハイ第2石炭火力発電所(発電出力120万キロワット)建設プロジェクトに参加するため、ベトナム政府とBOT(建設・運営・一定期間後に譲渡)の仮契約を結んだ。地元紙タンニェン(電子版)が26日に伝えた。

同発電所は2009年から建設が進められており、輸入炭を使用する同国初の発電所となる。同発電所の建設には仏重電大手アルストムも発電関連設備工事で参加しており、2020年の稼働開始を目指している。建設費は総額22億ドル(2700億円)。(了)