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主な新興国/米国経済ニュース(7月25日)

増谷栄一The US-Euro Economic File代表

ロシア食品スーパー大手マグニト、4‐6月期最終利益は46%増

ロシア食品スーパー大手マグニトが23日に発表した4‐6月期決算は最終利益が売り上げ好調を反映して、前年比45.5%増の2億6460万ドル(約260億円)となり、アナリスト予想のコンセンサスである2億2300万ドル(約220億円)を上回った。モスクワ・タイムズ(電子版)などが伝えた。

売り上げは出店増で前年比30%増の45億ドル(約4500億円)となった。同四半期だけで341店舗、上期(1-6月)で計532店舗が新規にオープンし、店舗数が7416店舗になったことが大きい。また、同社は、通期業績見通しについて、売上高を従来予想の前年比27‐29%増から27‐30%増へ、EBITDA(利払い・税・償却前利益)の利益率も9.2‐9.7%から9.7-10%へ、いずれも上方修正した。

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インドネシア自動2輪販売大手ミトラ、6月中間期利益は36%増

インドネシア自動2輪販売大手ミトラ・ピナスティカ・ムスティカ(MPM)が23日に発表した中間期(1-6月)決算は、最終利益が前年比36%増の2483億3000万ルピア(約25億円)となった一方で、売上高は同31%増の6兆7800億ルピア(約680億円)と、好調だった。ジャカルタ・グローブ(電子版)が伝えた。

売り上げは自動車レンタルや自動2輪販売、潤滑油販売などほぼすべての事業分野が好調となり、自動2輪販売では、ホンダ<7267.T>製のオートバイの販売台数は前年比26%増の44万7578台に達した。自動2輪のインドネシア全体の販売の伸び6%増を大幅に上回っている。ホンダ製バイクの販売は同社の売り上げ全体の75%を占める。

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ベトナム金融大手ベトコムバンクのタインCEO、中銀副総裁に就任

ベトナム金融大手ベトコムバンク(VCB)のグエン・フオック・タインCEO(最高経営責任者)が19日付けでベトナム中央銀行の副総裁に任命された。地元紙タンニェン(電子版)などが23日に伝えた。

タイン氏は、6月1日付で退任したベトナム中銀のチャン・ミン・トゥアン副総裁の後任となるもの。タイン氏は1991年にベトコムバンクに入り、2008年に同行のCEOに就任していた。

また、タインCEOのベトコムバンク退任に伴い、その後任にはベトナム中銀のギエム・スアン・タイン首席報道官が就任する見通し。

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米2位の携帯電話大手AT&T、最終利益2%減―1株利益予想下回る

米2位の携帯電話大手AT&T<T>が23日に発表した4‐6月期決算は、最終利益が前年比2.1%減の38億2200万ドル(約3820億円)、1株利益(希薄化後)は同7.6%増の71セントとなった。しかし、一時的要因を除いた1株利益は67セントとなり、アナリスト予想の68セントを下回った。

一方、売上高は同1.6%増の321億ドル(約3兆2100億円)となり、アナリスト予想の318億ドル(約3兆1800億円)を上回った。売り上げ増は携帯電話(前年比5.7%増)と法人企業の両部門の堅調となったため。また、同社は同四半期中に新たに55万1000件の携帯電話の新規加入者を記録し、加入目標の50万件を超えた。同社の株価は23日、前日比0.45%安の35.65ドルに下落した。

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米アップル、4‐6月期最終利益は22%減―1株利益は予想上回る

米IT大手アップル<AAPL>が23日に発表した13年度第3四半期(4-6月)決算は、最終利益が前年比22%減の69億ドル(約6900億円)と大幅減益となった。1株利益も同20%減の7.47ドルとなったが、アナリスト予想の7.31ドルを上回った。

一方、売上高は同0.9%増の353億ドル(約3兆5300億円)となり、アナリスト予想の350億ドル(約3兆5000億円)をやや上回った。特に、主力のスマートフォン「アイフォン」の出荷台数が前年比20%増の3120万台と、過去最高を記録し、アナリスト予想の2600万‐2700万台を15-20%も上回り堅調を維持した。しかし、中国でのアップル製品の売り上げは前年比14%減、前期比43%減と急ブレーキがかかり、依然として中国市場でのアイフォンの普及度が低く懸念材料となっている。それでも同社の株価は23日、前日比3.91%高の435.38ドルと堅調だった。

また、通期の業績見通しについて、同社は、売上高は340億‐370億ドル(約3兆4000億‐3兆7000億円)、租利益率は36-37%になると予想している。

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ブラジル大統領選、シルバ前大統領がルセフ大統領の支持率を上回る

ブラジル世論調査会社IBOPEとオ・エスタド・ジ・サンパウロ紙が共同で実施した来年の大統領選挙に関する最新の世論調査によると、ルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ前大統領が出馬した場合の支持率が41%となり、現職のジルマ・ルセフ大統領の支持率30%を11%ポイントも上回っていることが分かった。中南米専門の通信社メルコプレス(電子版)が23日に伝えた。

来年の大統領選に関し、ルセフ大統領の支持率が低いのは公共サービスの改善と政治腐敗の撲滅を訴えて1カ月にも及んだ市民抗議デモの影響があると見られている。ただ、シルバ前大統領は2003-2011年の8年間にわたって大統領に就任し、任期満了のため、80%もの支持率を得ながら惜しまれて退任しているものの、来年の次期大統領選への出馬については否定的だ。シルバ氏は同じ労働者党のルセフ氏の2期目入りを希望しているといわれる。

ルセフ大統領の支持率は、全国輸送連合(CNT)とMDAが実施した最近の世論調査で6月の73.7%から7月には49.3%と、この1カ月間で実に24.4%ポイントも低下しており、もし、いま大統領選挙が実施されれば、ルセフ大統領は50%の得票率を得られず、対立候補との間で決選投票に持ち込まれると見られている。

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ブラジル政府、今年度予算で4500億円を追加歳出削減へ―財政健全化で

ブラジルのギド・マンテガ財務相は22日、記者団に対し、プライマリーバランス(基礎的財政収支)で、対GDP(国内総生産)比2.3%の財政黒字化を目指して、今年度予算で100億レアル(約4500億円)の歳出削減を実施する方針を明らかにした。中南米専門の通信社メルコプレス(電子版)が23日に伝えた。

政府が歳出削減を行うのは5月22日に280億レアル(約1.3兆円)の歳出削減を発表して以来、この2カ月間で2回目となる。また、同相は、政府の今年の経済成長率見通しを従来予想の3.5%増から3%増に下方修正したことも明らかにした。 (了)

The US-Euro Economic File代表

英字紙ジャパン・タイムズや日経新聞、米経済通信社ブリッジニュース、米ダウ・ジョーンズ、AFX通信社、トムソン・ファイナンシャル(現在のトムソン・ロイター)など日米のメディアで経済報道に従事。NYやワシントン、ロンドンに駐在し、日米欧の経済ニュースをカバー。毎日新聞の週刊誌「エコノミスト」に23年3月まで15年間執筆、現在は金融情報サイト「ウエルスアドバイザー」(旧モーニングスター)で執筆中。著書は「昭和小史・北炭夕張炭鉱の悲劇」(彩流社)や「アメリカ社会を動かすマネー:9つの論考」(三和書籍)など。

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