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主な新興国経済ニュース(4月15日)

増谷栄一The US-Euro Economic File代表

【ブラジル-4月15日】財務相と中銀総裁、17日の金融政策会合での利上げを示唆

ブラジルのギド・マンテガ財務相とアレシャンドレ・トンビニ中銀総裁は先週末、最近のインフレ加速に懸念を示した上で、政府はインフレを抑制するために躊躇せず必要な措置を講じる考えを示した。中南米専門の通信社メルコプレス(電子版)が13日に伝えた。

マンテガ財務相はサンパウロで開かれたセミナー終了後、記者団に対し、中銀の利上げの可能性について、「政府は、必要な場合には、たとえ国民に不人気な政策を講じてでもインフレの加速を容認しない」と述べ、政策金利が引き上げられる可能性が高いとの踏み込んだ発言を行っている。

一方、トンビニ中銀総裁はリオデジャネイロで開かれた南米中銀総裁会議に出席した際、記者団に対し、16-17日の金融政策決定会合でインフレ抑制のため、利上げに踏み切るかどうかについて、「今も将来もインフレ(の加速)を容認することはできない。中銀はインフレの動向を絶えず注視しており、金融政策が正しい方向になるよう政策決定する」と述べている。

通常、中銀幹部は金融政策決定会合の直前は金融政策に関してコメントしないのが通例となっていることから、総裁がこの時期に金融政策に直接言及したのは異例といえる。この発言を受けて、アナリストは中銀が直ちに利上げに転じる可能性があると見ている。

ブラジル地理統計資料院(IBGE)が10日に発表した3月のIPCA(拡大消費者物価指数)が前年比6.59%上昇と、1年4カ月ぶりに中銀の物価目標(2.5-6.5%)の上限と中央値(4.5%上昇)を上回った。このため、市場では中銀は今度の金融政策決定会合で、政策金利である翌日物金利誘導目標を現在の7.25%から0.25%ポイント引き上げて7.5%にするとの観測が広がっている。

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【ロシア‐4月15日】4月8-12日のRTS指数、1405.47―4週続落=BRICs市況

前週(4月8-12日)のロシア株式市場で、RTS指数(ドル建て)は、12日終値が前週比0.4%安の1405.47と、4週続落した。

RTS指数は1‐3月期が4.4%安と、急低下したあとも、4月入りの第1週(1-5日)が5日続落となり、下げ止まらない状況となった。しかし、週初8日に、ようやく反発し、その後3日続伸となったものの、週後半11日から再び下落に転じ1400の大台を割り込む寸前まで落ち込んだ。12日終値は昨年11月18日の終値1376.1以来の低水準となっている。

週初8日のRTS指数は、天然ガス大手ガスプロムや石油大手のルクオイルとロスネフチ、タトネフチといった資源株、さらには送電系統大手ロシア統一電力システムズ(EESR)傘下の連邦送電会社(FGC)や長距離電話最大手ロステレコムなど優良銘柄が外国人の売りを浴び軒並み下落したが、原油先物価格の上昇に支えられて、前週末比0.6%高の1419.63と、ようやく1週間ぶりに反発した。

9‐10日も米国の企業決算の結果が堅調だったことや、中国の3月CPI(消費者物価指数)が前年比2.1%上昇と、前月の同3.2%上昇を下回り、米国の2月卸売在庫統計も堅調となったことから、空売りを手仕舞う動きで買いが広がり3日続伸となった。しかし、11日は、財務省が連邦道路建設基金を補充するため、石油に対する鉱物資源採取税を5%増税する計画を発表したことに加え、OPEC(石油輸出国機構)とIEA(国際エネルギー機関)が今年の石油需要見通しを下方修正したことが嫌気され反落し、週末の12日も2日続落となった。

今週(15-19日)のロシア市場は、相場が安値水準にあり手ごろ感が出てきたことから、押し目買い主導の調整買い局面になることが予想される。米国市場では3月住宅着工統計(16日)や週間新規失業保険給付申請件数(18日)、また、欧州ではユーロ圏3月消費者物価指数(16日)、ドイツ4月ZEW景況感指数(16日)、英国3月消費者物価指数(16日)、アジアでは中国3月鉱工業生産指数(15日)など重要指標の発表が予定されており注目される。

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【ロシア‐4月15日】経済発展相:景気対策なければリセッションになるリスクある

ロシアのアンドレイ・ベロウソフ経済発展相は12日、今年の経済成長率の見通しについて、政府が景気刺激策を打ち出さなければ、ロシア経済がリセッション(景気失速)になる可能性があるとの認識を示した。その上で、同相は、ウラジーミル・プーチン大統領が近く、景気刺激策を検討する政府会議を開くことを明らかにした。ロシアのプライム通信(電子版)が伝えた。

同省は11日に今年の経済成長率見通しを従来予想の3.6%増から2.4%増に下方修正したが、ベロウソフ経済発展相は12日に、新たに、2014年の見通しも4.3%増から3.7%増へ、2015年も4.5%増から4.1%増へ、それぞれ下方修正した。さらに、2016年については4.2%増と予想している。

また、同省は今年1-3月期のGDP(国内総生産)伸び率が前年比1.1%増になったとの見方を示した上で、4‐6月期については同2.1%増、下期(7‐12月)は同3%増になると予想していることを明らかにした。

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【インドネシア‐4月15日】パナソニック合弁の新社長に菅氏が就任―トップシェア目指す

パナソニック<6752.T>のインドネシア合弁会社パナソニック・ゴーベル・インドネシアは先週末、菅沼一郎社長の退任に伴い、後任の新社長に菅広美氏が1日付で就任したことを明らかにした。ジャカルタ・グローブ(電子版)が伝えた。

菅氏は親会社のパナソニックで29年間勤務し、前職はパナソニック・コンシューマーマーケティング・アジア・パシフィック社長として、米国や中国、シンガポールを含むアジア・太平洋地域の事業を統括していた。

一方、菅沼氏は、今後は兼務していたパナソニック・マニュファクチュアリング・インドネシアの社長に専念する。菅氏はインドネシアの急拡大している中間所得層にターゲットを絞り、現在、インドネシアとマレーシアの家電販売市場でトップシェアを持っているシャープ<6753.T>を追撃したいとしている。

また、パナソニック・ゴーベル・インドネシアのリナルディ・シャリフ副社長は先週末の会見で、今後は42インチ以下のテレビを中心に販売額を昨年の前年比17%増から今年は同20%増を目指す計画を示した。同氏によると、昨年は業界全体の伸び率18%増を下回ったが、今年は業界全体の15%増を超えるとしている。

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【インドネシア-4月15日】家電販売大手エレクトロニック・シティ、IPOで新株発行へ

インドネシア家電販売大手エレクトロニック・シティ・インドネシアは、事業拡大のための資金を調達するため、インドネシア証券取引所(IDX)で6月までに新規株式公開(IPO)を実施し、増資後の資本金の25%に相当する新株を発行する計画だ。ジャカルタ・グローブ(電子版)が13日に伝えた。

同社はすでにIPOの幹事社として、国営ダナレクサ証券とクレディ・スイスを指名している。資金調達額は明らかにされていないが、調達した資金は新店舗の開設など事業拡大に充当するとしている。現在、同社はインドネシア国内に29店舗を保有している。

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【ベトナム-4月15日】中堅行サコムバンク、戦略的提携パートナーに株式20%売却へ

ベトナム8位の中堅銀行サコムバンク(STB)は25日に開催予定の株主総会向けた準備文書で、戦略的パートナーに対し、自社株を最大で20%を売却する計画を検討していることを明らかにした。地元金融情報サイト、ストックスプラス(電子版)が12日に伝えた。

同行は今度の株主総会で戦略的パートナーとの資本提携について了承を得たい考えで、2015年までに提携を実現させるとしている。同行はすでに複数の大手金融機関との間で長期戦略的協力関係の構築を目指して作業を進めている。 (了)

The US-Euro Economic File代表

英字紙ジャパン・タイムズや日経新聞、米経済通信社ブリッジニュース、米ダウ・ジョーンズ、AFX通信社、トムソン・ファイナンシャル(現在のトムソン・ロイター)など日米のメディアで経済報道に従事。NYやワシントン、ロンドンに駐在し、日米欧の経済ニュースをカバー。毎日新聞の週刊誌「エコノミスト」に23年3月まで15年間執筆、現在は金融情報サイト「ウエルスアドバイザー」(旧モーニングスター)で執筆中。著書は「昭和小史・北炭夕張炭鉱の悲劇」(彩流社)や「アメリカ社会を動かすマネー:9つの論考」(三和書籍)など。

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