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主な新興国経済ニュース(3月13日)

増谷栄一The US-Euro Economic File代表

【ロシア‐3月14日】プーチン露大統領、ナビウリナ大統領補佐官を次期中銀総裁に指名へ

ウラジーミル・プーチン大統領は12日、今年6月に任期満了に伴い退任するロシア中銀のセルゲイ・イグナチェフ総裁(65)との会談で、同総裁の後任として、エリビラ・ナビウリナ大統領補佐官(前経済発展相)を指名する意向を明らかにした。ノーボスチ通信(電子版)などが伝えている。

ナビウリナ氏は先進主要8カ国(G8)の中では初めての女性の中銀総裁となる。女性の中銀総裁は全世界でも12人(全体の6%)にすぎない。また、同氏はまだ49歳でロシア中銀の若返りも図られるが、ナビウリナ新総裁はインフレ率を2月現在の年率7.3%から5-6%低下させる一方で、同時に景気も維持するという難しい金融政策の舵取りに直面する。

これまで次期総裁候補者としては、中銀のアレクセイ・ウリュカエフ第1副総裁やアレクセイ・クドリン元副首相兼財務相、アルカージ・ドボルコビッチ副首相、ロシア2位の国営金融大手VTB(対外貿易銀行)のアンドレイ・コスチン頭取、VTB傘下のVTB24銀行のミハイル・ザドルノフ頭取などの名前が取りざたされてきた。このうち、クドリン氏は就任要請を断っている。また、中銀自体ではウリュカエフ氏とナビウリナ氏が最有力と見ていた。

また、モスクワ・タイムズ(電子版)は情報筋の話として、ウラジーミル・プーチン大統領は中銀幹部や問題が多い他の候補者を次期総裁に指名することには消極的で、ナビウリナ氏はまだ49歳と若くエコノミストとしても知られることから適任と考えていると報じている。プーチン大統領はナビウリナ氏を起用することによって、景気刺激のための金融政策を新総裁に求めていきたいという考えもあると言われている。

一時、有力視されていた、セルゲイ・グラジエフ大統領補佐官は国家統制主義に偏った考え方が地元メディアから批判されており、最終候補者のリストから消えた。プーチン大統領によって指名された総裁候補者は議会の承認を経て新総裁に就任することになる。

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【ロシア‐3月13日】金属大手ノリリスク、新会長にデビアスのペニー元CEOを起用

ロシア金属大手ノリリスク・ニッケルのウラジーミル・ポターニンCEO(最高経営責任者)は11日の臨時株主総会で、アンドレイ・ブグロフ会長の後任として、南アフリカのダイヤモンド世界最大手デビアスのガレス・ペニー元CEOを選任したことを明らかにした。ロシアのプライム通信(電子版)などが伝えている。

同社の大株主であるロシアのアルミ地金世界最大手UCルスアルと大手投資会社インターロスはノリリスクの経営支配権をめぐって裁判闘争に発展するほど長年にわたって争ってきているが、今回はそれぞれ4人の取締役のポストを確保した。その一方で、新興財閥のロマン・アブラモビッチ氏がオーナーの投資会社ミルハウスが1人の取締役ポストを獲得。残りの4人の取締役ポストはペニー氏らルスアルにもインターロスにもくみしない独立系で占められている。

ペニー氏はデビアスで2006-2010年までCEOを務めており、2012年10月以降は東欧最大の石炭会社ニューワールド・リソーシズの会長だった。

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【インドネシア‐3月13日】工業相:独VW、来年早々に自動車工場の建設に着手

インドネシアのスレマン・ヒダヤット工業相は11日、記者団に対し、独自動車大手フォルクスワーゲンが来年早々にもインドネシアで自動車生産工場の建設を開始するとの見通しを明らかにした。ジャカルタ・グローブ(電子版)が伝えている。

同相はフォルクスワーゲンに対し、部品の現地調達と地場企業との提携を前提条件に自動車工場の建設を許可したとしている。すでに、同社は2011年5月に、1億4000万ドル(約135億円)を投じて、インドネシアでは同社初の工場を建設し、MPV(ミニバン)「ゴルフトゥーラン」を年間最大で5万台を生産する計画を示しており、当時、ヒダヤット工業相は早ければ2011年末までに新工場の建設に着手する見通しを明らかにしていた。

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【インドネシア‐3月13日】英CVCキャピタルなど、百貨店大手マタハリの株式40%売り出しへ

欧州プライベートエクイティ(PE)ファンド最大手CVCキャピタル・パートナーズとインドネシアの華人財閥リッポー・グループ傘下の投資会社マルチポラーは、インドネシア国内で消費財セクターへの株式投資意欲が高まっていることや売却益を狙って、百貨店大手マタハリの株式11億6700万株を1株当たり1万‐1万1250ルピア(約100-112円)で売り出し、最大で13兆1300億ルピア(約1310億円)の資金を調達する計画だ。ジャカルタ・グローブ(電子版)が11日に伝えている。

CVCを中心とする投資家グループはマタハリを2010年に承継負債を含めて7億9000万ドル(約760億円)で買収に成功している。今回の持ち株の売却はマタハリの株式の40%を売り出すもの。マタハリの全株式価値は34億ドル(約3300億円)と推定されている。

売り出し価格は21日に決定され、払い込みは27日の予定。これまでのところ、米資産運用大手ブラックロックや投信運用世界最大手の米フィデリティ・インベストメンツ、英資産運用大手シュローダーズ、米証券大手ゴールドマン・サックス傘下のGSインベストメント・ストラテジーズなどの投資家から4億3500万ドル(約420億円)の買い注文を受けている。

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【ベトナム‐3月13日】政府、ダナンの都市開発プロジェクトで世銀と協議へ

ベトナム政府は同国中央部に位置するダナンの都市開発プロジェクトに必要な資金を世界銀行から調達するため、関係省庁からなる政府代表団を結成し、今月30日に首都ハノイで開かれる世銀との協議に臨む方針だ。政府系オンラインニュースサイトVGPが8日に伝えている。

政府代表団は大統領府を始め、官邸、ダナン市人民委員会、計画投資省、財務省、外務省、司法省、中央銀行のスタッフで構成する。「ダナンの持続可能な都市開発」と呼ばれるこのプロジェクトは、環境改善や生活水準の向上を目指した下水道システムや道路の改修工事、また、交通渋滞緩和のためのバス高速輸送システムの開発や交通管制能力の増強などを目的に、2013-2018年の6カ年計画で実施される。

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【ブラジル‐3月13日】財務相:今年も社会保障税減税の対象業種を拡大へ

ブラジルのギド・マンテガ財務相は11日の記者会見で、国内産業の国際競争力を高めるため、今年も社会保障税の減税措置を拡大していく方針を明らかにした。国営通信アジェンシア・ブラジル(電子版)が伝えている。

直近では、政府は昨年12月に、スーパーマーケットを除く小売業を42番目の社会保障税の対象業種に指定し、今年4月から適用を開始すると発表しているが、今年も幅広い業種に拡大し景気を支援する考えだ。社会保障減税は企業(雇用主)が支払う税率を20%から1%に減税する措置。ただ、同相は追加業種については明らかにしていないが、「個別業種ごとに対象にするかどうかを判断する」とだけ述べている。

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【ブラジル‐3月13日】大統領:インフレ抑制で食品とトイレ・衛生用品の一部を非課税へ

ブラジルのジルマ・ルセフ大統領は先週末の8日に行われたテレビ演説で、ブラジル地理統計資料院(IBGE)が同日に発表した2月のIPCA(拡大消費者物価指数)が1月に続いて急伸したことを受けて、インフレを抑制するため、食品、特に主食とトイレ・衛生用品の一部(石鹸、トイレットペーパー、練り歯磨き)に対する連邦税の課税を廃止する方針を明らかにした。国営通信アジェンシア・ブラジル(電子版)が伝えている。

2月のIBGEは前年同月比6.31%上昇と、1月の同6.15%上昇を上回り、中銀の物価目標(2.5-6.5%)の上限である6.5%に一段と接近している。(了)

The US-Euro Economic File代表

英字紙ジャパン・タイムズや日経新聞、米経済通信社ブリッジニュース、米ダウ・ジョーンズ、AFX通信社、トムソン・ファイナンシャル(現在のトムソン・ロイター)など日米のメディアで経済報道に従事。NYやワシントン、ロンドンに駐在し、日米欧の経済ニュースをカバー。毎日新聞の週刊誌「エコノミスト」に23年3月まで15年間執筆、現在は金融情報サイト「ウエルスアドバイザー」(旧モーニングスター)で執筆中。著書は「昭和小史・北炭夕張炭鉱の悲劇」(彩流社)や「アメリカ社会を動かすマネー:9つの論考」(三和書籍)など。

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