12月4日、政府の経済財政諮問会議は公立小中学校の教職員定数について、文部科学省が公表している今後9年間で約5500人削減するという計画よりも、さらに大幅に削減するよう提言した。そのさいに同会議は、わざわざ、今後9年間で約3万7000人を削減するという財務省案を示している。つまり、「財務省案どおりに削減しろ」というわけで、同会議は財務省の応援団でしかないようだ。

この経済財政諮問会議に出席していた馳浩文科相は、同会議の提案に猛反発。それは当然なのだが、教員数を必要とする少人数学級を独自に導入している山口県の学力調査の平均正答率が改善し、全国平均を上まわった例をあげて反論したのは、いささかお粗末としか言いようがない。少人数学級は点数を上げることが大きな目的ではない。

ともかく、言うべきことは主張した馳文科相の姿勢は評価できる。彼は11月末に、財務省が来年度予算編成にさいして提案してきた教員削減案に真っ向から対立し、これに反対する異例の決議文を作成し、文科相経験者らに賛同を求めている。

身体を張って財務省と対峙しているわけだ。財務省に押し切られるイメージの強い文科省にとって、この「強面の大臣」は心強い存在にちがいない。カネ勘定からしか教育を語れない財務省には、ぜひとも、より強い姿勢でのぞんでほしいものだ。

とはいえ、学力調査の結果とか目先のことばかり問題にする姿勢は改めていただきたいとおもう。教育は、目先ではなく、10年後、20年後、もっと先の子どもたちの成長を視野に語るべきものである。

そうした視野にたつ大臣になってほしい。そうでなければ、財務省的な教育観に、いつまでたっても掻き回されることになる。馳文科相が、ほんとうの教育を語る人であることを期待したい。