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西村大臣と医療の現場から、医療崩壊を防ぐための年末年始の過ごし方についてのお願い

忽那賢志感染症専門医
西村大臣Twitterより

東京都内の新型コロナの新規報告数は連日「曜日ごとの最多」を2週間以上更新しており、最悪の状況のまま年末年始に突入してしまいました。

全国で病床が逼迫しており、その影響で救える命が救えなくなってきています。

全国で本来提供できる医療が提供できなくなっている

兵庫県、埼玉県、東京都など、すでに本来提供できる医療が提供できなくなっています。

報道でも、医療現場の危機的状況が伝えられています。

兵庫県

兵庫県内の医療機関で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)発生が相次ぐ中、他の疾患で入院している最中に感染した患者が、症状が悪化してもコロナ対応の基幹病院に移れないケースが起きている。コロナ患者向けの病床が逼迫(ひっぱく)しているためで、12月中にこうした患者のうち、少なくとも6人が死亡していたことも分かった。(入院中にコロナ感染も、基幹病院に移れず死亡 12月、兵庫で少なくとも6人

埼玉県

新型コロナウイルス感染拡大で病床が逼迫(ひっぱく)する中、クラスター(感染者集団)が発生した埼玉県戸田市の市立介護施設で、感染した入所者の入院先が確保できない状態になっている。重症でも入院先確保が困難との説明を保健所から受けているといい、27日に腎臓に持病があった80代男性、29日にも持病がある別の80代男性の死亡が確認された。(埼玉の介護施設 感染後、持病ある2 人死亡 病床逼迫で職員「現状は厳しい」

東京都

感染が判明して入院が必要だと診断された高齢者のうち、26日と27日で、それぞれ70人以上が入院できない事態になっているという。

また、自宅療養中に重症化した患者が直接救急車を呼ぶケースが1日12件から15件あるほか、検査を受けずに自宅で肺炎が重症化し、救急搬送後に陽性が判明するケースも増えているという。(陽性の高齢者 1日70人超入院できず 東京都 病床がひっ迫

これはすでに現実に起こっていることです。

実際に年末年始の全国の医療現場は悲惨なことになっています。

このまま感染者が増加し続ければ、医療崩壊はさらに加速します。

2週間後の感染者を減らすためには

現在の新規感染者数を減らすことはできません。

すでに感染している人はこれから発症し、そして一定の割合で重症者が出ます。

今私たちができるのは、2週間後の感染者を減らすことです。

感染は人と人とが接することによって広がりますので、いかに人との接触を減らすかが重要になります。

新型コロナウイルス感染症対策分科会(第19回)資料より
新型コロナウイルス感染症対策分科会(第19回)資料より

北海道では、新規感染者数が減少しており、一足早く感染がコントロールされつつあります。

これは、飲食店などの営業時間の短縮などにより、人出が大きく減少したことによります。

新型コロナウイルス感染症対策分科会(第19回)資料より
新型コロナウイルス感染症対策分科会(第19回)資料より

一方、東京は飲食店の営業時間短縮要請が出た後も、人出が減ることはなく、新規感染者数も増加の一途を辿っています。

人と人との接触を減らさない限りは、この新型コロナを減らすことはできません。

北海道や大阪府は、緊急事態宣言などの強力な介入なしに患者を減少傾向に転じさせることができました。

東京やその他の都道府県でも不可能ではないはずです。

年末年始は同居の家族と静かに過ごそう

この度、西村新型コロナ対策担当大臣よりお声がけいただき、年末年始の過ごし方について共同メッセージを出させていただきました。

特にこの年末年始は、

・帰省・初詣・忘年会・新年会・成人式などのイベントはオンラインで済ます

・できる限り外出を控える

など、人との接触を減らし、

・屋内ではマスクを装着する

・3密を避ける

・こまめに手洗いをする

といった基本的な感染対策を遵守するようにしましょう。

感染症は人から人へとうつっていきます。

自分自身の感染対策は、あなたの大事な人を守ることにも繋がります。

手洗い啓発ポスター(羽海野チカ先生作)
手洗い啓発ポスター(羽海野チカ先生作)

感染症専門医

感染症専門医。国立国際医療研究センターを経て、2021年7月より大阪大学医学部 感染制御学 教授。大阪大学医学部附属病院 感染制御部 部長。感染症全般を専門とするが、特に新興感染症や新型コロナウイルス感染症に関連した臨床・研究に携わっている。YouTubeチャンネル「くつ王サイダー」配信中。 ※記事は個人としての発信であり、組織の意見を代表するものではありません。本ブログに関する問い合わせ先:kutsuna@hp-infect.med.osaka-u.ac.jp

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