中国・武漢の新型コロナウイルス感染症について現時点で分かっていること(2020年1月20日現在)

最新情報はこちらに整理しています

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新型コロナウイルス感染症の現状と評価(2020年1月21日現在)}}}

以下は1月20日以降アップデートされていない情報ですのでご注意ください!

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中国・武漢で集団感染者が報告されている新型コロナウイルス感染症について連日報道が続いています。

現時点で分かっていることと、それから考えられる現時点で必要な対策を整理しました。

感染者数について

武漢市の位置(厚生労働省検疫所のポスターより)
武漢市の位置(厚生労働省検疫所のポスターより)

・当初、中国武漢で発生した新型コロナウイルス感染症患者は41例と発表されていましたが、1月18日に4例、1月19日に17例、1月20日に136例の新規症例が報告され、計198例となりました。これまでは武漢の症例のうち最後の発症は1月2日でしたが、この新規21例を含めると最後の発症は1月18日となりました。

・タイのスワンナプーム国際空港で武漢からの旅行者が新型コロナウイルス感染症と診断されています。61歳の男性で1月5日に発症し1月12日にタイで診断されています。

・1月16日に日本国内でも新型コロナウイルス感染症の患者が報告されました。神奈川県の30代男性が、1月3日発熱が出現、1月6日に中国の武漢から帰国、同日、医療機関を受診、1月10日に入院し15日にすでに退院しているとのことです。

・1月17日にタイで2例目の感染者が報じられました。

・1月20日に広東省から新型コロナウイルス感染症と診断された66歳男性について発表されています。12月29日から武漢への渡航歴があり、1月3日に発症、1月4日に深セン市に移動しています

1月20日に北京市でも2名新型コロナウイルス感染症と診断された患者が発表されています。いずれも武漢訪問歴があるとのことです

韓国でも輸入例が報告されました。武漢に渡航歴のある中国人女性です。

・以上より現在205例の感染者が報告されています。

・全ての症例が武漢市で感染していると考えられており、武漢市以外の場所での感染事例はありません。

新型コロナウイルス感染症の広がり

日本、タイ、韓国で合計4例の輸入例が発生しており、中国国内でも3例が武漢以外の地域で発生していますが、全て武漢で感染しているものと考えられます。そこからの二次感染例はなく、現時点では武漢以外の地域での流行拡大の兆候はありません。

重症度について

・武漢での198例のうち、25例がすでに軽快し退院しています。

・現在武漢の病院で治療中の患者は170人で、そのうち126人は軽症、35人は重症、9人は最重症で、すべて武漢の指定医療機関で隔離治療を受けています。

・武漢での198例のうち、3例が死亡しています。1人目は61歳の男性で、肝疾患と悪性疾患の持病のある方です。2人目は69歳男性で心筋炎や多臓器不全で亡くなったようです。

・日本で診断された30代男性はすでに軽快・退院しています。

・タイで診断された1例目の症例は安定していると報じられています。

新型コロナウイルスの重症度

1月16日23時の発表で2人目が亡くなったと発表されました。

205例中3名が亡くなっています(致命率 1.5%)。

いずれも高齢者であり、高齢者は重症化のリスクである可能性が高いと推測されます。

SARS(重症急性呼吸器症候群)の致命率9.6%、MERS(中東呼吸器症候群)の致命率34.4%と比べるとかなり低い印象です。

感染経路について

・現時点でヒトからヒトに感染するかどうかは不明です。

・夫婦で感染した事例があり、夫は海鮮市場の従業員ですが、妻は市場に訪れてはおらず夫が発症した後に発症しています。

・武漢では817例が接触者として追跡調査の対象となっており、このうち727例は観察が解除され、現在90例が調査中です。

・タイで診断された患者との接触者(タイ182例、中国17例)が追跡調査されていますが、このうち新型コロナウイルス感染症と新たに診断された人はいません。中国での接触者のうち1名が微熱と軽い咳があるとのことで現在精査中です。

・武漢での198例の症例の多くが武漢の海鮮市場で働いているなど、市場と何らかの関わりがあることが分かっています。同市場はすでに閉鎖されています。

・武漢での198例の症例のうち、正確な人数は不明ですが海鮮市場との接触歴のない患者もいるとのことです。

・タイで診断された1例目の患者は、武漢の患者の多くが関連している海鮮市場に訪れていないが、別の市場には訪問しているとのことです。

・日本で診断された患者は、武漢市の海鮮市場には立ち寄っていないが、現地で肺炎と診断された父親との濃厚接触の可能性があるとのことです。

タイで診断された2例目の患者は、武漢の患者の多くが関連している海鮮市場に訪れていないとのことです

新型コロナウイルスの感染性

夫婦での感染事例および国内例の父親との濃厚接触歴はヒトからヒトに感染しうることを示唆していますがヒトからヒトへの感染性は高くなく家庭内や病院内での濃厚な接触といった限定的な環境では感染しうる、ということを示唆するものであり現時点では容易にヒト-ヒト感染する感染症とは考えにくいでしょう。

1月18日、19、20日に発表された新規症例については、追跡調査対象者が発症したものか現時点では不明です。

感染源はやはり海鮮市場で売られていた野生動物の可能性がありそうですが、武漢での症例のうち他にも海鮮市場との関連のない症例があることが判明しており、閉鎖された市場以外にも感染源があるかもしれません。

引用元:

当市における新たなコロナウイルス感染に起因する肺炎の状況について(中国語 2020-01-20 02:42:40)

新しいコロナウイルス感染の肺炎に関する武漢市保健衛生委員会の報告(中国語 2020-01-19 00:43:34)

WHO.Novel Coronavirus - Thailand (ex-China)

厚生労働省. 新型コロナウイルスに関連した肺炎の患者の発生について

WHO. Novel Coronavirus - Japan (ex-China)

ECDC. Risk Assessment: Cluster of pneumonia cases caused by a novel coronavirus, Wuhan, China

Ministry of Public Health Thailand. Ministry of Public Health receives 2 tourists from Wuhan for pneumonia at Bamrasnaradura Institute 2020(タイ語 2020年1月17日).

というわけで、引き続き今後の情報を注視する必要はありますが、今の時点で過度に恐れる状況ではありません。

武漢に渡航された方、これから渡航される予定の方については以下の点にご注意ください。

武漢へ渡航した方

・帰国後数週間(※潜伏期不明のため)は健康状態を注意深く観察し、体調不良時はすぐに病院を受診しましょう。その際には必ず渡航歴を医師に知らせるようにしましょう

・咳や鼻水、喉の痛みなどの呼吸器症状がある場合は、マスクを着用しましょう。マスクがないときも咳エチケットを徹底するようにしましょう

武漢に渡航する予定の方

・家禽や野生動物との接触、生肉や調理が不十分な肉の摂取は避けるようにしましょう

・現地で体調の悪い人、病人との接触は避けるようにしましょう

・食事やトイレの後など手洗いをこまめに行いましょう