令和を含む商標の出願一番乗りについて

(写真:西村尚己/アフロ)

少し前に書いたように、「令和」単独、および、「令和+<識別力のない文字>」の商標は登録されないので出願するだけ無駄ですが、「令和+<識別力のある文字>」であれば登録可能です。「平成教育委員会」等が問題なく登録されているのと同じ理屈です。

「令和」が発表になった4月1日に「令和を含む出願はどれくらいありましたか?」とメディアから問い合わせが入りましたが、特許庁に出願された情報がすぐにわかるわけではないのでその時点では回答のしようがありませんでした。商標の場合は、出願から2週間程度で公開商標公報が発行されます。4月1日分の出願を含む公開公報が本日発行されましたので中身を覗いてみました。なお、特許情報プラットフォームでキーワード検索可能になるにはまだ時間がかかりますので、現時点では公報を逐一スクロールして見ていくしかありません。したがって、網羅的に調べるのは今のところ手間がかかりすぎて無理です。

4月1日に出願された「令和」を含む商標出願で出願番号が若いトップ3(インターネット出願の場合は出願順に採番されます)は、「富士山令和菌」(商願2019-45518)(指定商品:微生物等)、「令和会計社」(商願2019-45519)(指定役務:財務に関する助言等)(ちなみに出願人は「平成会計社」という税理士法人です)、「令和蔵」(商願2019-45527)(指定商品:日本酒等)(出願人は月桂冠株式会社です、同社は「平成蔵」も商標登録しています)です。ちなみに先願・後願の判断には時間は関係ないので、同日のうちで最初に出願したからと言っても特に意味があるわけではありません。単なる話のタネです。

全体的に見ると、4月1日の出願は「令和」だらけということはなく、感覚的に言って10件に1件くらいです。上記の事情により、まだ正確な件数カウントはできません(公報をしらみつぶしに見て手でカウントすればできますがさすがに時間がありません)。4月1日出願でまだ公報が発行されていないものもあると思います(特に、個人の方等、インターネット出願ソフトではなく紙で出願した場合はスキャン処理が入るので公報に載るのが遅れます)。その辺を考慮すると、「令和」を含む商標登録出願件数はせいぜい100件くらいではないかと思います(「令和」は商標登録できないと散々広報していたので「令和」を含む商標は全部登録不可と思ってしまった方もいたのかもしれません)。

追記:共同通信の記事によると「令和」を含む出願は現時点で23件判明しているようです。