Android著作権裁判:控訴審でオラクルがグーグルに勝利

(写真:ロイター/アフロ)

もう記憶が薄れつつありましたが、AndroidにおけるJavaの著作権侵害に関してオラクルがグーグルを訴えていた件、控訴審(連邦巡回区控訴裁判所)においてオラクルに有利な判決が出ました(参照記事)。ちょっと衝撃的結果です。

この件については、約2年前に「Java API著作権裁判でグーグルがオラクルに勝利」という記事を書いていますのでご参照ください。

その時の話は、AndroidにおいてJavaのAPI(宣言コード等)を複製したことが米著作権法上のフェアユースに相当するかが争われ、北カリフォルニア連邦裁判所でフェアユースに相当するとの評決が出たということだったのですが、それが、控訴審でひっくり返されたわけです。判決文はこちらです。判決内容の詳細は追って記事化したく思います。

簡単に今までのタイムラインを整理するとこんな感じです。

2010年1月 オラクルがサンを買収

2010年8月 オラクルがグーグルを提訴(特許侵害、実装コードコピー、宣言コードコピー)

2012年5月 連邦地裁判決:特許非侵害、実装コードコピーは著作権侵害(ただし賠償金額はゼロ)、宣言コードは著作権保護の対象外 → 宣言コードの保護適格についてオラクル控訴

2014年5月 控訴審判決:宣言コードは著作権保護の対象 → グーグル最高裁に上告するも棄却で判決確定

2016年6月 連邦地裁評決:グーグルの宣言コード複製行為はフェアユース → オラクル控訴

2018年3月 控訴審判決:グーグルの宣言コード複製行為はフェアユースではない ←イマココ

本判決は差し戻し判決なので、またこれから連邦地裁で裁判が続くことになりますが、グーグルとしては損害賠償の軽減くらいしか打つ手がないように思えます。なお、オラクルは差止めを求めているわけではないので、仮にグーグルの敗訴が確定しても、Androidが販売禁止になるといったことはなく、損害賠償金がオラクルに支払われるだけで話は終了です(とは言ってもオラクルは90億ドル(1兆円)を求めているのでそれなりにインパクトはありそうですが)。グーグル的にはAndroid買収時にもっとデューデリジェンスをちゃんとやっておけばよかったと悔やまれるところかもしれません。

日本IBM、ガートナージャパンを経て2005年より現職、弁理士業務と知財/先進ITのコンサルティング業務に従事、『ライフサイクル・イノベーション』等ビジネス系書籍の翻訳経験多数 IT系コンサルティングに加えてスタートアップ企業や個人の方を中心にIT関連特許・商標登録出願のご相談に対応しています。お仕事のお問い合わせは http://www.techvisor.jp/blog/contact または info[at]techvisor.jp から。【お知らせ】Skype/Chatworkによる特許・商標の無料相談実施中です。詳しくは上記お問い合わせ先から。

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