「チケットキャンプ」の問題は商標権の話だけではなかった
「転売サイト"チケキャン"終了へ」というニュースがありました。「運営会社が、商標法違反と不正競争防止法違反の疑いで、警察の捜査を受け、12月7日にサービスの一部を停止していたが、今回、2018年5月末でサービスを終了することを決めた。」ということです。これについては、既に書いています。ジャニーズの登録商標を無断で使ってチケット販売業務を行なったことが商標法違反に問われたものと思われます。
しかし、商標法違反だけが問題なのであれば、ジャニーズ商標の使用をやめれば済む話です(チケットの転売行為自体が問題とされたわけではないからです)。サービス終了するまでのことかと思っていると「チケキャン、手数料ゼロで転売業者優遇 自ら規約違反か」という新たな報道がありました。「大口の転売業者の出品手数料をゼロにしていたことが捜査関係者への取材でわかった」ということだそうです。
これは商標権とは関係ない話なので、別件捜索ではないかと一瞬思いましたが、実は、こちらは商標権侵害とはまた話の電子計算機使用詐欺の疑いの話でした。前者は兵庫県警、後者は京都府警です。
ジャニーズの被害届があったのか、"忖度"したのかわかりませんが、この短期間に2件の警察の捜査を受けたということで、サービス終了も当然かという気がします。特に後者はネット上のダフ屋を優遇していたという話で、社会通念的にも許容しがたいものがあります。
とは言え、これでネット上のチケット高額転売の問題が解決されたわけではありません。今後、ネットダフ屋行為そのものを規制する立法が行なわれる動きもあるようです(参照記事)。是非実現して欲しいですが、これと同時に個人が都合で行けなくなった場合に定価+手数料で他人に譲れるような公式の仕組みも拡充してほしいものだと思います。