Yahoo!ニュース

HuluがHappyonになってちょっと気になること

栗原潔弁理士 知財コンサルタント 金沢工業大学客員教授
出典:日本弁理士会近畿支部ウェブサイト

「日本のHuluが"happyon.jp"にURL変更 なぜ?」という記事を読みました。「Huluの日本版が5月17日にリニューアルし、URLが"hulu.jp"から"happyon.jp"に変わる」ということだそうです。

理由として「(リニューアルに伴い)システム移行時のリスクを減らす」等と書かれていますがが、それならリダイレクトするなりフォワードするなりすればよい話なのでよくわかりません。上記記事の末尾にあるように「"hulu.jp"のドメインは、米Huluとの契約を継続すれば利用を続けられる状態だが、"契約を継続する予定はない"」ことが本来の理由なのではと思います(Huluの商標は継続使用できるのでしょうか?)

さて、新ドメインの"happyon"とはHappy+Onであってよく使われる表現だそうですが、”Party On!”(partyを動詞化)みたいなものかと思い、Googleでフレーズサーチしても見つかりません。ただ、”Happy On Hulu”(Huluでハッピー)というキャッチフレーズは使われているようなので、そこから持ってきたのだと思います(「~でハッピー」になって意味不明なのでそこで切ってはいけないんじゃないでしょうか)。

さらに、普通にローマ字読みして「はっぴょん」とすると、これは弁理士であれば誰でもご存じの日本弁理士会のゆるきゃら(タイトル画像参照)の名前とかぶります。さらに、「はっぴょん」は商標登録されており「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営」なんて指定役務も含まれています。

画像

まあ、happyonはドメイン名であって商標的使用ではないですし、正式な読みも「ハッピーオン」ですし、消費者が混同することもないでしょうし、弁理士会と競合関係になってが権利行使されることは想定しがたいので問題はないのですが、ちょっとだけ気になったので書いてみました。

弁理士 知財コンサルタント 金沢工業大学客員教授

日本IBM ガートナージャパンを経て2005年より現職、弁理士業務と知財/先進ITのコンサルティング業務に従事 『ライフサイクル・イノベーション』等ビジネス系書籍の翻訳経験多数 スタートアップ企業や個人発明家の方を中心にIT関連特許・商標登録出願のご相談に対応しています お仕事のお問い合わせ・ご依頼は http://www.techvisor.jp/blog/contact または info[at]techvisor.jp から 【お知らせ】YouTube「弁理士栗原潔の知財情報チャンネル」で知財の入門情報発信中です

栗原潔のIT特許分析レポート

税込880円/月初月無料投稿頻度:週1回程度(不定期)

日米の情報通信技術関連の要注目特許を原則毎週1件ピックアップし、エンジニア、IT業界アナリストの経験を持つ弁理士が解説します。知財専門家だけでなく一般技術者の方にとってもわかりやすい解説を心がけます。特に、訴訟に関連した特許やGAFA等の米国ビッグプレイヤーによる特許を中心に取り上げていく予定です。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

栗原潔の最近の記事