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→ 濃厚接触者の自宅待機期間が検査によりさらに短縮化 現時点の考え方まとめ(URL:https://news.yahoo.co.jp/byline/kuraharayu/20220318-00287076

「家族が新型コロナ陽性者になってしまった」、「先日一緒にいた友人が新型コロナ陽性者になってしまった」。オミクロン株の影響により、このような話を見聞きすることが増えてきました。新型コロナの新規感染者数が増えれば増えるほど、濃厚接触者に該当する人も比例して増えていきます。もし自分が濃厚接触者になってしまったら、どうすればよいのでしょうか。

濃厚接触者の定義

まず濃厚接触者の定義をおさらいしておきましょう。自治体によって表記が異なりますが、概ね以下の通りとなります(1)(図1)。新型コロナ陽性者を扱っている保健所が本来濃厚接触者を認定していますが、業務が逼迫している複数の自治体では、すでに陽性者が濃厚接触者へ連絡する形となっています(1月20日追記)。

図1. 濃厚接触者の定義(参考資料1より筆者作成)
図1. 濃厚接触者の定義(参考資料1より筆者作成)

自分が濃厚接触者になったら

自分が濃厚接触者となった場合、必要に応じてPCR検査等が行われますが、陽性にならない限り自宅待機となります。陽性者との最終接触日から一定期間、以下のことを遵守していただく必要があります。

・発熱(1日2回の体温測定)、咳の悪化、呼吸が苦しくなるなどの健康状態の自己観察

・不要不急の外出を自粛する(食料などの買い出しは除く)

・外出する際は、マスクの着用と手指衛生などの感染予防策をしっかりと

・公共交通機関の利用は控える

・出勤・登校・登園、およびデイサービス・福祉施設等の利用は控える

現時点では濃厚接触者と判断されれば就業制限がかかります。さて、どのくらい自宅待機が必要になるのでしょうか。

現時点の自宅待機期間

これまで、濃厚接触者の自宅待機期間は14日間でしたが、2022年1月14日に自治体向けにオミクロン株に関して10日間へ短縮する旨が通知されました(2)(2022年1月27日に、10日間からさらに7日間へ短縮する検討に入りました。変更されれば再度記事を書かせていただきます)。これは、オミクロン株の曝露から99%が発症するまでの日数が9.7日と国立感染症研究所から報告されたことに加え(3)、社会インフラを維持する必要があったためです。国内はオミクロン株に置き換わっておりますので、今後は基本的にこの対応となります。

とはいえ、諸外国では、ワクチンを接種していれば自宅待機不要としているところもあります。10日間でも実は長いほうなのです。

エッセンシャルワーカーについては、待機6日目のPCR検査・抗原定量検査が陰性、あるいは待機6日目と7日目の抗原定性検査が2日続けて陰性であれば、自宅待機解除可能としていますが、この運用は自治体ごとの判断によります。感染者数が急増すると、PCR検査センターなどに人が殺到して結果判明までに時間がかかる可能性があります。となると、薬局で販売されている抗原定性検査キットを使うことになるかもしれません。購入する場合、必ず厚労省の薬事承認を受けたもの(体外診断用医薬品と書かれているもの)を使用してください。なおこれらの検査費用については、国から事業者に補助は出ません。

エッセンシャルワーカーとは、厚労省は「社会機能を維持するために必要な事業に従事する者」と定義しており、これは「緊急事態宣言時に事業の継続が求められる事業者」として認定されている業種のことを指します(4)(図2)。かなり広い範囲が含まれています。

図2. エッセンシャルワーカー(参考資料4より筆者作成)
図2. エッセンシャルワーカー(参考資料4より筆者作成)

エッセンシャルワーカーが濃厚接触者になった場合、「待機中に検査を受けて解除されること」と「10日間自宅待機を完遂すること」の2つを天秤にかけるわけですが、3~4日間の差について事業者が重要と考えているかどうかで対応が異なるでしょう。

なお、医療従事者に関しては、毎日検査陰性を確認すれば、濃厚接触者であっても初日から出勤することが可能です(5)。この場合、6日目まで毎日検査陰性を確認すればよいと思われます。

もし検査陰性を確認して出勤できたとしても、10日目までは、仕事以外の不要不急の外出はできる限り控える必要があります。

新型コロナ陽性の同居者がいる場合

濃厚接触者の10日間というのは、感染可能期間内に患者と最終接触した日を0日目として翌日から10日間計算します。家族に陽性者がいた場合、「陽性者の療養期間10日間」+「濃厚接触者の自宅待機期間10日間」で最大20日間に到達することがあります(図3)(ただし自治体によっては、居室を分けるなどの対策を講じておれば合算しなくてもよいとする場合もある:2022年1月27日図追記あり)。「感染可能期間」の設定が長いためです。実際には濃厚接触者が発症するまでの期間はこれほど長く考えなくてよいため、この規定にも何かしらテコ入れが欲しいところです。

図3. 濃厚接触者の自宅待機期間(筆者作成)
図3. 濃厚接触者の自宅待機期間(筆者作成)

まとめ

毎日何万人もの新規感染者が報告され続けると、もはや濃厚接触者を確実に拾い上げる公衆衛生学的な意義があるかどうか、という問題が今後出てくるかもしれません。

オミクロン株は極めて感染力が強く、私たちもいつ感染してもおかしくありません。粛々と、基本的な感染対策を継続しましょう。

(参考)

(1) 療養解除の基準とよくある質問(URL:https://www.mhlw.go.jp/content/000814817.pdf

(2) 新型コロナウイルス感染症の感染急拡大が確認された場合の対応について(URL:https://www.mhlw.go.jp/content/000881571.pdf

(3) SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)の潜伏期間の推定:暫定報告(URL:https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus.html

(4) 新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針 令和3年11月19日(令和4年1月7日変更)(URL:https://www.kantei.go.jp/jp/singi/novel_coronavirus/th_siryou/kihon_r_040107.pdf

(5) オミクロン株を踏まえた保健医療提供体制の点検・強化について(URL:https://www.mhlw.go.jp/content/000879699.pdf