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ワクチン接種券捨てちゃった…紛失しても受けられる? 再発行の仕方を解説

倉原優呼吸器内科医
(写真:Nobuyuki_Yoshikawa/イメージマート)

はじめに

新型コロナワクチンの接種を受けるためには、接種券(クーポン券)が必要です(見本)。自治体から個人に送付されます。接種券と本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、健康保険証など)を持参することで、ワクチンが接種できます。

接種券の見本(コロナワクチンナビより[URL:https://v-sys.mhlw.go.jp/flow/])
接種券の見本(コロナワクチンナビより[URL:https://v-sys.mhlw.go.jp/flow/])

2回分の接種券・予防接種済証が1枚になっており、氏名や接種券番号が書かれていて、予約する際に必要になります。接種券を提示して接種すると、予防接種済証に接種2回分の履歴がシール形式で貼付されます。予防接種済証には(臨時)と記載されていますが、これは新型コロナに関する予防接種が、予防接種法に基づく臨時接種として行われていることを表しているだけです。

万が一この接種券を紛失してしまった場合、どうすればよいでしょうか。ワクチン接種が受けられないと困ってしまいますね。

実は、自治体に再発行の手続きを行うことで解決します。自治体ごとに差はありますが、再発行できるのは以下のような場合です。

(1)接種券を紛失、滅失、破損等した場合

(2)接種券の発送後に住民票所在地が変更となった場合(その自治体に転入した方)

(3)接種券に記載されている氏名が変更になった場合

(4)何かしらの原因で接種券が届かない場合

(5)ドメスティック・バイオレンス、ストーカー行為、児童虐待等やむを得ない事由がある場合

(6)住民票等に氏名の記載がない場合

(7)「予診のみ券」を2回とも使用して、診察のみでワクチン接種ができなかった場合

厚生労働省のコロナワクチンナビに再発行用のページ(URL:https://v-sys.mhlw.go.jp/application/reissue-coupon.html)があります。ドメスティック・バイオレンスなどで自宅に送付が難しい場合、別の住所に送ってもらうことも可能です。

ただ、コロナワクチンナビ未対応の自治体も多く、ここで再発行できない場合は、自治体の窓口に問い合わせるほうがよいでしょう。インターネットで、「接種券、紛失、自治体名」などで検索すればヒットするはずです。

接種券がなくても接種できる?

厚生労働省は2021年5月25日、新型コロナワクチンで予約がキャンセルされた場合などの理由で、余剰になったワクチンについて、接種券を持っていない人にも柔軟に接種できるとする通知を自治体に示しています(1)。

であれば、「別に接種券を再発行しなくても接種できるのではないか」と思われる方もいるかもしれません。

接種後、接種した側は18桁の数字を国の接種記録システム(VRS)に入力する必要があります。そのため、いずれにしてもどこかの段階で接種券が必要になります。

2回目接種の時点で接種券がなかった場合、認知症などにより本人に接種したという認識がなければ、3回目、4回目の接種を受けてしまうケースが出てくるかもしれません。

自治体によって対応にばらつきはあるものの、接種券がなくても1回目の接種が可能なことがあります。しかし、2回目接種時に接種券を提出する必要があることから、紛失した場合はやはり再発行しておくことが望ましいです。

なお、大学や職域で接種を行う場合、接種券がなくてもひとまず2回のワクチンを接種して、学生・社員の予診票を学内・社内で管理するという手法もとられています。後で届いた接種券を提出してもらい、接種券を貼り付けるということも可能です。ただ、大学や企業によってこの対応はまちまちです。

職域接種
職域接種写真:ロイター/アフロ

なお、接種券なしに接種したとしても、最終的に記録が確認できなければ、ワクチンパスポート(新型コロナウイルス感染症予防接種証明書)が発行できないので注意が必要です。

ワクチン接種キャンセル枠 お知らせサービス

Yahoo! JAPANには「ワクチン接種キャンセル枠 お知らせサービス」(URL:https://vaccination-notice.yahoo.co.jp)があります。当日キャンセルなどにより余剰ワクチンが生じた場合、事前にキャンセル待ち登録をしている人に通知してワクチン接種予約のマッチングを行うものです。

ここに登録しておくと、希望地域の接種会場で当日キャンセルが発生したときにLINEでお知らせが来ます。

サービスの利用条件をしっかり読んでから利用するようにしてください。

(参考)

(1) 新型コロナワクチンの余剰が発生した場合の取り扱いについて(URL:https://www.mhlw.go.jp/content/000784454.pdf

呼吸器内科医

国立病院機構近畿中央呼吸器センターの呼吸器内科医。「お医者さん」になることが小さい頃からの夢でした。難しい言葉を使わず、できるだけ分かりやすく説明することをモットーとしています。2006年滋賀医科大学医学部医学科卒業。日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医、日本感染症学会感染症専門医・指導医、日本内科学会総合内科専門医・指導医、日本結核・非結核性抗酸菌症学会結核・抗酸菌症認定医・指導医、インフェクションコントロールドクター。※発信内容は個人のものであり、所属施設とは無関係です。

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