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自分の子どもも被災地の子どももともに育んでいく。被災地の放課後学校カタリバ「コラボ・スクール」

工藤啓認定特定非営利活動法人育て上げネット 理事長

東日本大震災から3年が経ちました。これまで個人として、また、組織としてできることを地味に、地道に行ってきたつもりです。いまもたくさんのNPOが被災地で活動しており、多くのNPO経営者仲間が奮闘しています。

これまでは分野が異なり、つながりはあっても協働することがなかったけれど、被災地のニーズに応えようと思ったとき、自然と「一緒にやれることはあるのではないか」と議論し、また実践しました。

そのなかでも、経営者自らが被災地に住み、子どもたちを支え、ときに支えられながら活動しているのが認定NPO法人カタリバの今村久美さんで、カタリバの経営層も友人が多くいます。

カタリバと言えば、NPOに関心あるひとであれば一度は耳にしたことある団体だと思います。大学生や社会人が高校生と「ナナメの関係」を作りながら、学校と社会をつなげる活動をされています。

私は東洋大学で授業を持っているのですが、カタリバの今村亮さんにゲストスピーカーとしてお越しいただきました。就労支援サービス論の授業を受け持っているのですが、学生から「被災地の現場の話が聞きたい」という要望が多かったのが理由です。とても素敵な授業でした。

本日、電車の中で若い男性が話されていました。震災後はいくつかの被災地に入ってボランティア活動をしたけれど、3年経ったいま、「何をしたらいいのかわからないよね」と。かなり頻繁に東北に行っていたようで、足を運ぶことだけでも応援になることは承知しているけれど、会社の業務としてももう入れないので、資金的も難しいといった話でした。

そのとき、頭に浮かんだのが今村亮さんの話と、今村久美さんに現地を案内していただいた「コラボ・スクール」の記憶でした。なぜだかはわかりませんが、それだけ印象的だったのだと思います。

被災地の放課後学校「コラボ・スクール」(認定NPO法人カタリバ)
被災地の放課後学校「コラボ・スクール」(認定NPO法人カタリバ)

先日、九州でお菓子を売っている私の友人がクラウドファンディングサイトREADYFOR?を活用し、資金調達をしました。第一子を授かった自身が、日本や世界の子どもたちのおかれている厳しい状況を知り、何かしなければならない。しかし、「お菓子屋である自分に何ができるのか」について悩みながら、構想、資金調達を経て立ち上げたのがTABEKIFUというサイトです。

おいしく食べながら子どもたちを支援しよう!九州の旨いもん TABEKIFU
おいしく食べながら子どもたちを支援しよう!九州の旨いもん TABEKIFU

私が経営するNPO法人育て上げネットも、九州食材を使った安心・安全なお菓子を購入し、寄付ができるパートナーに入っています。しかし、いまも被災地で継続して活動されているカタリバさんもパートナーです。もし、何か復興に、被災した子どもたちのために貢献したいということでしたら、カタリバさんの活動を応援してみませんか。

自分の子どもに安心で安全、美味しいお菓子を購入すると同時に、震災から3年を迎えた今日、被災地の子どももともに育んでいくお買い物はいかがでしょうか。

バレンタインデーのお返しをするホワイトデーも間近に迫っています。御礼の気持ちを添えたお返しに、被災地の子どもたちをいまも支えていく気持ちを加えたお菓子はいかがでしょうか。

個々の経験や想い、地域を越えて、みなで復興に貢献していきましょう。

認定特定非営利活動法人育て上げネット 理事長

1977年、東京都生まれ。成城大学中退後、渡米。Bellevue Community Colleage卒業。「すべての若者が社会的所属を獲得し、働くと働き続けるを実現できる社会」を目指し、2004年NPO法人育て上げネット設立、現在に至る。内閣府、厚労省、文科省など委員歴任。著書に『NPOで働く』(東洋経済新報社)、『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『若年無業者白書-その実態と社会経済構造分析』(バリューブックス)『無業社会-働くことができない若者たちの未来』(朝日新書)など。

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