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2023年の金融市場を振り返る、7~9月

久保田博幸金融アナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

 2022年度の国の一般会計の税収は約71兆1373億円と過去最高を更新。

 7月4日に入札が実施された10年国債の利率が7年ぶりに引き下げられた。

 6月の全国CPIの伸び率は2か月ぶりに拡大し、米国の消費者物価指数を上回り。約8年ぶりの日米逆転に。

 FRBは7月26日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げを決定した。FRBの利上げは5月以来となる。

 2023年7月27、28日に開催された日銀の金融政策決定会合では、イールドカーブ・コントロールの修正が行われた。長期金利コントロールのレンジを0.5%を目途として残しつつ、1.0%まで引き上げた。

 格付け会社フィッチ・レーティングスは8月1日に、米国の外貨建て長期債格付けを最上位の「AAA」から「AAプラス」に1段階引き下げた。

 8月17日の20年国債の入札において異変が起きた。この日の20年国債(利率1.1%、185回リオープン)の入札は、最低落札価格96円51銭、平均落札価格95円55銭とテールが1987年12月以来の大きさに。

 政府は、ガソリン価格抑制のための補助金について、9月末までとしている期限を延長し、10月以降も継続する方針を固めた。

 金(ゴールド)の国内小売価格が税込みで1グラム1万円の大台に初めて乗せた。

 9月9日の読売新聞朝刊の日銀総裁の単独インタビュー記事で、「物価目標の実現にはまだ距離がある」としながらも、マイナス金利解除を選択肢としてあげた。

 欧州中央銀行(ECB)は9月14日の理事会で、初の10会合連続の利上げを決めた。リファイナンス金利は4.25%から4.50%に、中銀預金金利は3.75%から4.00%に引き上げた。

 FRBは9月20日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を2会合ぶりに据え置いた。

 9月25日の米10年債利回り(長期金利)は一時、4.54%と2007年10月以来、約16年ぶり水準まで上昇した。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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