約20年ぶりに1万円札が変わる。その価値(金利)も見直されるか
日本銀行は来年に発行を予定する新しい紙幣を報道陣に公開したと報じられた。日銀は来年度前半をめどに、約20年ぶりに紙幣を一新する。去年6月から量産が始まり、今年度は1万円札と5千円札、千円札あわせて30億3000万枚を製造する予定だ(ABEMA TIMES)。
新しいデザインの1万円札の肖像には「近代日本経済の父」と呼ばれ、明治から昭和にかけて産業界をリードした渋沢栄一が使われ、裏には東京駅の駅舎が描かれている。
新札が登場するとなると、ATMや自動販売機、駅の券売機などなど、お札を使う機械を入れ替えるなりして、新札を扱えるようにしなければならない。その分、費用負担も掛かるが、これは必要不可欠なものとなる。
キャッシュレス化は進んでいるが、現金を完全になくすことはできない。さらに偽札防止のために新たな印刷技術等を取り入れる必要がある。また、肖像などを彫り込むのは手作業であり、その技術継承のためにも、ある程度の期間ごとに新札が登場することとなる。
約20年ぶりの新札ということは、現在の1万円札については、この20年の間、それを銀行に預けていても、ほとんど利息は付かなかったことになる。
しかし、その状況もここ1年で大きく変化の時を迎えた。新札の登場で、この利息にも変化が訪れる可能性がある。
お金の価値を示すものに、金利がある。お金を融通し合うという金融の仕組みにおいて、重要な役割を担っているのが金利である。金利とはお金の貸し借りに関わるお金の値段との見方がある。また、同じ相手同士のお金の貸し借りでも返済されるまでの期間に応じて金利が異なるため、その意味では金利は時間の値段との見方も存在する。
その金利が失われていたのがここ20年でもあるが、あらためてお金の価値を示す金利が脚光を浴びてくることも期待したいと思う。