2022年の金融市場を振り返る(1月~4月)
1月
年初に円安が進行し、ドル円は5年ぶりの116円台を付けてきた。円安の要因は日米金利差にあり、1月3日の米国債券市場では米10年債利回りは1.6%台に上昇してのスタートとなり、19日には1.9%台をつけた。ドイツの10年債利回りが2019年5月以来のプラスに浮上。1月17日から18日にかけて開催された金融政策決定会合では現状維持を決定した。
2月
ロシアはウクライナのロシア系住民を保護するための軍事介入について上院に承認を求め、2月1日に上院はこれを承認した。日銀は2月10日の夕刻に14日の日付指定で指し値オペの実施を予告した。対象銘柄は10年363回、364回、365回であり、買入金額は無制限、利回り水準は365回で0.25%とした。17日間にわたった北京オリンピックが20日に閉幕した。
3月
政府は3月1日、日銀の審議委員に高田創氏と田村直樹氏を充てる国会同意人事案を衆参両院に提示した。4日に小麦先物価格は2008年3月以来の高値水準に。トウモロコシ先物も10年ぶり高値をつけた。7日にWTI原油先物は一時130.50ドルと期近物として2008年7月以来の高値をつけた。バイデン米大統領は8日、ロシア産の原油、天然ガス、石炭と関連製品の輸入を全面的に禁止すると発表。2月の日本の国内企業物価指数は、前年同月比9.3%の上昇と1980年12月の10.4%以来の歴史的な高騰となる。2月の米国の消費者物価指数は前年同月比の7.9%と、1982年1月以来約40年ぶりの高さとなった。14日のニューヨーク市場ではドル円は118円台に上昇し、2017年1月以来の水準を付けてきた。FRBは16日のFOMCでFF金利の誘導目標を0~0.25%から0.25~0.50%に引き上げることを決定し、ゼロ金利政策を解除した。利上げは2018年12月以来。25日に米国の長期金利は一時2.50%と2019年5月以来の水準に上昇した。28日に複数日にまたがって国債を決まった利回りで無制限に買い入れるという連続指し値オペを実施すると発表した。
4月
4月5日の10年国債入札において表面利率が0.2%と発表された。10年国債の利率が0.1%でなかったのは、2016年2月に発行された341回の0.3%以来となる。日銀が12日に発表した3月の国内企業物価指数は前年同月比で9.5%の上昇に。13日にドル円126円台に上昇した。126円台をつけたのは2002年5月以来およそ20年ぶり。米労働省が12日に発表した3月の米消費者物価指数は前年同月比8.5%の上昇と1981年12月以来の高さに。19日の東京時間にドル円は128円台をつけてきた。28日に日銀は、連続指し値オペを毎営業日行うことを宣言した。5月2日以降、明らかに応札が見込まれない場合を除き、指し値オペを毎営業日オファーすることに。